

木材DIYで壁面を仕上げると、収納力よりも「見た目」で先に損する人が8割います。
スラットウォールに向いた木材を選ぶことが、仕上がりの9割を決めます。
ホームセンターで手に入る代表的な木材は、SPF材・パイン材(パイン集成材)・ヒノキ材の3種類です。それぞれに明確な特徴の差があるため、用途に合わせて選ぶことが重要です。
まずSPF材は、スプルース・パイン・ファーという3種の北米産針葉樹を総称した素材です。1×4材(ワンバイフォー)や1×2材(ワンバイツー)などの「ワンバイ材」として広く流通しており、1本あたり数百円から入手できる価格の安さが最大の魅力です。加工が容易で初心者でも扱いやすい反面、湿度変化に弱く反りが出やすいというデメリットがあります。
次にパイン材(パイン集成材)は、淡いクリーム色の木目が温かみのある雰囲気を演出します。集成材のため狂いが少なく、スラットウォールのような細長い部材に加工しても比較的安定しています。価格はSPF材より少し高めですが、節が少ないものを選べば仕上がりが格段にきれいになります。
ヒノキ材は独特の甘い香りと白みがかった木肌が特徴で、DIYの中でも「高級感のある仕上がり」を求める人に選ばれています。価格はやや高く、1本あたり500〜800円前後が一般的ですが、加工のしやすさと耐久性のバランスが優れています。
つまり「価格を抑えたい」ならSPF材、「反りを防ぎたい」ならパイン集成材、「香りと見た目の質感にこだわりたい」ならヒノキ材が原則です。
ちなみに、木材を選ぶ際はホームセンターの店頭で必ず1本ずつ「反り」をチェックしてください。木材を床に置いてみて、端が浮いていないか確認するだけで、購入後に後悔するリスクを大幅に減らせます。
| 木材 | 価格目安(1×2材 1本) | 反りにくさ | 香り・質感 | DIY向けレベル |
|---|---|---|---|---|
| SPF材 | 約200〜350円 | △ やや出やすい | 普通 | ★★★ 初心者向け |
| パイン集成材 | 約350〜500円 | ○ 安定 | ナチュラル | ★★★ 初心者向け |
| ヒノキ材 | 約500〜800円 | ○ 安定 | 上品・芳香 | ★★★ 初心者向け |
木材はできれば「KD材(人工乾燥材)」と表記されたものを選ぶのが理想的です。KD材は乾燥処理済みのため、購入後に室内で急激に反ることが少なく、スラットウォールのような薄い板状の加工にも向いています。KD材が条件です。
木材の種類と特徴については、以下のページが参考になります。
DIY FACTORY「木材の種類と選び方〜DIYでよく使う材料を知ろう〜」
スラットウォールは「等間隔に並べるだけ」と思いがちですが、実は計算を誤ると端が中途半端になり、作り直しで余計に2,000〜3,000円の出費になることがあります。
最初に施工する壁のサイズを正確に測りましょう。壁の幅・高さをメジャーで計測し、スラット(細長い木材)の幅と、スラット同士の間隔を決めます。実際の事例では、幅510mmの壁に対して15mm幅の角材を約5mm間隔で配置したケースがあり、これを応用すると「スラット幅+間隔」のセットが壁幅に何セット収まるかを事前計算することが重要です。
計算の基本は次の式で考えると整理しやすいです。
必要な本数 = 壁の高さ(mm) ÷ (スラット幅mm + 間隔mm)
たとえば壁の高さが1,800mm、スラット幅が15mm、間隔が10mmの場合、1,800 ÷ 25 = 72本という計算になります。これはA4用紙の長辺(297mm)を目安にするとイメージしやすいでしょう。
端数が出て最後の一本が半端になりそうなときは、「間隔を1〜2mm調整する」か「最初と最後を意図的に少し広め・狭めにする」ことで全体のバランスを整えられます。これだけ覚えておけばOKです。
木材のカットはホームセンターの「カットサービス」を活用するのがおすすめです。ホームセンターのカットサービスは1カット約50〜100円で依頼でき、切り口が均一になるためDIY初心者でも美しい仕上がりに近づけます。自宅でのこぎりを使って切ると、断面が斜めになってしまい、並べたときに隙間が不均一に見える原因になります。
カット後の木材はすぐに組み立てず、室内に1〜2日置いて「馴染ませる」工程を挟んでください。木材は温度・湿度の変化で収縮するため、施工した環境に慣れさせてから作業することで取り付け後の反りを防げます。意外ですね。
また、木材の角や断面は軽くサンドペーパー(#240番)で整えておくと、塗装の乗りが良くなり仕上がりに差が出ます。
木材の反りへの対処方法と原因については、以下のページが詳しいです。
IPC DIY Lab.「木材の反りを戻し、変形を防ぐための方法」
塗装は「後でやればいい」と後回しにすると、取り付け後では塗りにくい部分ができて後悔します。
木材への塗装は取り付け前に済ませるのが鉄則です。スラットウォールは細長い部材が複数並ぶため、壁に取り付けてから塗ろうとすると、隙間の奥や壁際に刷毛が入らず塗り残しが生じます。作業の順番が条件です。
DIYで最も多く使われている木材用塗料が「ワトコオイル(WATCO OIL)」です。亜麻仁油を主成分とした植物油ベースのオイルで、木材内部に浸透して木目を美しく引き立てます。塗装に特別な技術が不要で、布やスポンジで塗って乾く前に拭き取るだけという手軽さが人気の理由です。
ワトコオイルの塗り方の基本手順は以下の通りです。
ワトコオイルのカラーバリエーションは8色以上あり、代表的なものは「ナチュラル(透明感のある自然な色)」「ダークウォルナット(深みのあるブラウン)」「ホワイト(明るくミルキーな色)」などです。ジャパンディスタイルを目指すなら、ダークウォルナットやチェリーが人気です。
💡 ワトコオイル以外の選択肢として、「ブライワックス」も根強い人気があります。水性ステインと違いろうを含むため、塗装後に布でこするだけでツヤが出るのが特徴で、1缶あたり約3,000〜4,000円で流通しています。仕上がりのアンティーク感を重視する人にはこちらもよい選択肢です。
塗装のもう一つのポイントは、表面だけでなく裏面・木口(切断面)にも塗ることです。片面だけ塗ると表と裏で湿気の吸収差が生まれ、反りの原因になります。少し手間がかかりますが、裏面まで塗るのが原則です。
ワトコオイルの基本的な使い方・色の選び方については以下が参考になります。
「賃貸だから壁に穴を開けられない」と諦めている人ほど、スタンドバーを使えば話が変わります。
賃貸住宅でスラットウォールをDIYする場合、壁に直接ビスを打つ方法は現実的ではありません。退去時の原状回復費用が高額になるリスクがあり、場合によっては数万円単位の修繕費を請求されることもあります。そこで活用したいのが、壁を傷つけない取り付けツールです。
代表的な選択肢を3つ紹介します。
賃貸向けの中で最もコストパフォーマンスが高いのは「マスキングテープ+両面テープ」方式で、材料費3,000円台で実現できるのは驚きです。ただし重いものを引っ掛ける収納目的で使う場合は、スタンドバーやディアウォールとの組み合わせを検討してください。
剥がすときのコツは、両面テープの余白を上下2cmずつ残して貼ることです。壁紙の端から少し内側に両面テープの端点を設けることで、剥がすときに壁紙が破れにくくなります。
賃貸向けスタンドバーを使ったDIYの実例は以下が参考になります。
スラットウォールを「飾るだけ」で終わらせると、壁1面分の収納ポテンシャルをまるごと捨てることになります。
スラットウォールの本来の強みは「壁面全体が収納スペースになること」です。木材の隙間にフックや棚受けを引っ掛けることで、キッチン・リビング・玄関など場所を選ばず収納力を高められます。
具体的な活用シーン別のアイデアを見ていきましょう。
収納と飾りを両立させるコツは、「見せるもの」と「隠すもの」を意識してゾーニングすることです。使う頻度が高いものはフックに掛けてすぐ手が届く位置に置き、使用頻度が低いものは小さなボックスやバスケットに入れてスラットの棚板に載せると、見た目がスッキリ整います。
これは使えそうです。
フックや棚受けはホームセンターで購入できるもので十分ですが、スラットウォール専用のアクセサリーとして販売されているタイプ(スラット幅に合わせた引っ掛け寸法のもの)を選ぶと、取り付けたときのぐらつきがなく安定感が増します。購入前にスラットの隙間幅を計測しておくことで、現地でスムーズに選べます。スラット幅の計測が条件です。
なお、重い調理器具をたくさんかける予定のキッチン収納では、スラット材が壁からずれないよう、固定方法の強度を事前に確認することが大切です。スタンドバーの場合は1セットで耐荷重約25kg(2セット使用で約50kg)となっているので、設置するスラット数と重量を逆算して計画しましょう。

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