

木工用ホルソーを1本買えば、すべてのサイズに対応できると思って購入すると、実は棚板の穴あけに必要なサイズが足りず、追加で数千円の出費になることがあります。
収納情報
ホルソー(ホールソー)とは、電動ドリルやインパクトドライバーに取り付けて使う円筒形の切削工具です。先端の円周部分に刃がついており、センタードリルと一緒に回転することで、木材・金属・樹脂などにきれいな丸穴をあけられます。
ドリルビットでは直径20mm以上の大きな穴あけが難しいのに対し、ホルソーなら12mm〜300mm以上の幅広いサイズに対応できます。これがホルソーの最大の強みです。
収納棚DIYでは、ケーブルを通す配線穴や、引き出しの取っ手穴、パイプを通すための穴あけにホルソーが活躍します。たとえばデスク天板に配線用の穴を開ける場合、一般的なケーブルグロメットに合わせた直径60mmの穴が必要になることが多く、ドリルビットでは対応できません。
つまり「ホルソーは大きな穴あけのための工具」と覚えておけばOKです。
ホルソーには国が定めた公式規格は存在しません。そのため、メーカーや種類によって対応できる口径(外径)と有効長が大きく異なります。以下が主な種類別のサイズ範囲です。
| 種類 | 口径(外径) | 有効長 | 適応板厚(電動工具使用時) |
|---|---|---|---|
| 木工用 | 21mm〜170mm | 12.5mm〜150mm | 〜150mm |
| バイメタル | 12mm〜170mm | 10mm〜50mm | 〜3.2mm(鉄板) |
| 超硬 | 14mm〜150mm | 4mm〜35mm | 〜4.5mm(電動工具)、〜25mm(工作機械) |
口径は開ける穴の直径、有効長は穴あけができる最大の深さを表します。重要なのは「有効長が素材の板厚より短いと貫通できない」という点です。
木工用は有効長が最大150mmと長く、2×4材(厚さ38mm)や集成材など厚い木材にも対応します。バイメタルと超硬は金属板向けのため有効長が短めですが、収納棚で金属素材を扱うことはほぼないため、DIYなら木工用を中心に考えれば問題ありません。
サイズ範囲が広いということですね。開けたい穴の直径を先に確認してから選ぶのが基本です。
収納棚や家具のDIYで実際によく使われるホルソーのサイズと用途をまとめました。自分の作業目的と照らし合わせて確認してみてください。
| 用途 | 推奨サイズ(外径) | 補足 |
|---|---|---|
| 棚板の配線穴(ケーブルグロメット用) | 60mm / 65mm | 市販のグロメットに合わせて選ぶ |
| ダボ継ぎ用の穴(木ダボ埋め込み) | 25mm / 30mm | ダボ径に合わせる |
| 引き出し取っ手・ノブ用の穴 | 32mm〜38mm | 取っ手の規格に合わせる |
| 塩ビパイプ(20A)通し穴 | 30mm〜35mm | パイプ外径(26.5mm)より大きめに |
| 電気スイッチ・コンセント取付穴 | 21mm / 27mm | 電気工事向けサイズ |
| 照明ダウンライト用穴 | 75mm / 100mm | 器具の開口径を確認 |
特に収納棚でよく使われるのが、配線穴用の60〜65mmサイズです。デスク収納やテレビボードにケーブルをすっきりまとめたい場合、天板や棚板に60mmの穴をあけてプラスチック製のケーブルグロメット(カバー)を取り付ける方法が人気です。このとき「ケーブルグロメットの取り付け穴径が60mmなのに50mmのホルソーを買ってしまった」という失敗が多く、結果として2本目を追加購入する羽目になります。
これは使えそうです。購入前に必ずグロメットや取っ手の仕様書を確認し、指定穴径をメモしてからホルソーを選ぶようにしましょう。
ホルソーは大きく3種類に分かれており、それぞれ対応できる素材と有効なサイズ範囲が異なります。間違えた種類を選ぶと刃の摩耗が加速し、本来100回以上使えるはずのホルソーが数回で切れなくなることもあります。
木工用ホルソーは、炭素工具鋼を使った薄い刃を複数枚セット販売しているものが多く、1セットで25〜65mm程度の複数サイズに対応できます。ベニヤ板・コンパネ・集成材・石膏ボード・塩ビ素材の穴あけに向いており、収納棚DIYにはこれが最適です。金属板への使用は原則NG。それが条件です。
バイメタルホルソーは、刃先にハイス鋼(高速度工具鋼)、胴体にバネ鋼を溶接した複合素材で、薄鋼板・アルミ板・ステンレス板などの金属に対応します。口径は12〜170mmと幅広いですが、金属用のため1本ずつ別に購入が必要です。木材や樹脂の穴あけにも対応するため、「金属も木材もどちらも使いたい」という場面ではバイメタルを選ぶと汎用性が高まります。
超硬ホルソーは、刃部に超硬合金(タングステンカーバイドなど)を使用した高耐久タイプです。ステンレス・厚鋼板など硬度の高い素材に対応し、電動工具使用時でも4.5mmまでの板厚に対応します。価格は1本3,000〜10,000円以上になることも多く、DIYではなく本格的な加工作業向けです。
厳しいところですね。素材と用途をしっかり絞ってから購入することで、不要な出費を避けられます。
ホルソーを使う際に見落とされがちなのが「サイズと回転数の関係」です。サイズが大きいほど、適正回転数は低くなります。これを無視すると刃が焼き付き、1本数百円〜数千円のホルソーが1回の作業で使い物にならなくなることがあります。
以下が目安の回転数です。
| ホルソー外径 | 推奨回転数(木材) | 推奨回転数(金属) |
|---|---|---|
| 〜25mm | 1,500〜2,000rpm | 500〜800rpm |
| 26〜50mm | 1,000〜1,500rpm | 300〜500rpm |
| 51〜75mm | 500〜1,000rpm | 200〜300rpm |
| 76mm〜 | 300〜500rpm | 100〜200rpm |
木材への穴あけで60mmのホルソーを使う場合、ドリルドライバーの回転数は500〜1,000rpm程度に設定するのが安全です。インパクトドライバーを使う場合は、打撃機能をOFFにすることが絶対条件です。打撃機能をONにしたまま使うと刃が破損し、飛散して怪我につながる危険があります。
また、木材を貫通させる際は「裏面から割れが生じる」という問題が起きやすいです。これを防ぐプロのコツは「表から2〜3mm溝を掘り、裏返してから仕上げる」という2段階穴あけ方法です。収納棚の天板など見た目を重視する場所では、このひと手間でバリや割れのない仕上がりになります。
回転数に注意すれば大丈夫です。
参考:ホールソーの種類、用途、サイズ、規格まとめ(Mitsuri)
サイズを正確に選んでも、シャンク(柄の部分)の形状が自分の電動工具と合っていなければ取り付けられません。これが初心者に多いもう一つの失敗パターンです。
市販のホルソーのシャンク形状は主に2種類あります。
| シャンク形状 | 使える電動工具 | 特徴 |
|---|---|---|
| 六角軸(対辺6.35mm) | インパクトドライバー、ドリルドライバー | ワンタッチで着脱可能。汎用性が高い |
| ストレートシャンク(6〜13mm) | 電動ドリル、ボール盤 | 精度の高い穴あけが可能 |
多くの家庭用DIYではインパクトドライバーが使われているため、六角軸シャンク対応のホルソーを選ぶのが無難です。ただし先述のとおり、インパクトドライバーで使う場合は「インパクト対応」と表示されたものを選ぶ必要があります。インパクト非対応品をインパクトドライバーで使用すると、打撃に耐えられず刃が破損するリスクがあります。
購入前の確認事項を1つにまとめると「①開けたい穴のmmサイズ、②素材の種類、③自分の電動工具のシャンク径」の3点を先にメモしてから選ぶのが原則です。
木工用ホルソーのセット品(25〜65mmが7サイズ入ったもの)なら、棚板のグロメット穴から取っ手穴まで1セットでカバーでき、単品買いより割安になることが多いです。価格帯は1,000〜3,000円程度から揃っており、DIY初心者の最初の1本としても導入しやすいコスト感です。
参考:ホールソーのサイズと選び方のポイントを解説!(現場市場)
https://www.genbaichiba.com/shop/pages/mag-20230426.aspx