エアリベッターロブスターの選び方と正しい使い方

エアリベッターロブスターの選び方と正しい使い方

エアリベッターロブスターを選んで正しく使いこなすガイド

オイルを一度も補給しないと、約3,000本のかしめ作業でエアリベッターが壊れます。


📋 この記事のポイント3つ
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ロブスター(ロブテックス)とは?

エビ印ブランドで半世紀以上の実績。R1A1はグッドデザイン賞受賞のクラス最軽量1,090gモデル。

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使用空気圧は0.5〜0.6MPaが鉄則

規定圧を超えると本体が破損・傷害のリスク。コンプレッサーのレギュレータ設定が超重要です。

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3,000本に1度のメンテナンスが寿命を決める

ジョー部の清掃・油圧オイル補給を怠ると詰まりや故障の原因に。定期ケアで長く使える工具です。

収納情報


エアリベッターとロブスターブランドの基礎知識


エアリベッターとは、圧縮空気(エア)の力を使ってブラインドリベットをかしめる専用工具です。手動式のハンドリベッターと比べると作業速度が格段に速く、大量のリベット打ちを連続で行う現場で重宝されています。


ロブスター(LOBSTER)は、大阪府東大阪市に本社を置く株式会社ロブテックスが展開する工具ブランドです。「エビ印」の名前でも親しまれており、リベッターやブラインドリベットの分野では国内トップクラスのシェアを誇ります。半世紀以上にわたりリベッティングツールを製造・改良し続けており、プロの職人から信頼を集めてきた老舗ブランドです。


リベットによる締結の大きなメリットは、材料の片側からしかアクセスできない場所でも確実に接合できる点にあります。棚や収納ラックを自作・改造するときにも、溶接できない薄い金属板同士の接合や、ボルトが使いにくい狭い部分での固定に大きな力を発揮します。


つまり、収納DIYにエアリベッターを使うと作業効率が劇的に上がります。


エアリベッターを動かすには、別途エアコンプレッサーエアホース、フィルタ・レギュレータ・エアルブリケータ(FRL装置)が必要です。これら周辺機器の費用も含めて初期投資を計算しておくことが重要です。コンプレッサー単体が安価でも、FRL装置や適切なホースを揃えると合計で数万円の出費になることも覚えておきましょう。


株式会社ロブテックス(LOBSTER)公式サイト|エビ印リベッター製品ラインナップ・仕様確認に


エアリベッターロブスターの主力モデルR1A1・R2A1の違いを比較

ロブスターのエアリベッターで特に注目すべきモデルが、R1A1とR2A1です。この2機種は見た目や基本仕様が似ているようで、実際にはいくつかの重要な違いがあります。どちらを選ぶかは、作業内容と頻度によって大きく変わります。


まずR1A1から確認しましょう。2012年度グッドデザイン賞を受賞した実績を持つR1A1は、クラス最軽量を謳うモデルです。本体重量は約1,090g(はがきの短辺が約10cm、このモデルの全長は295mm=定規約3本分)で、手首への負担が少ないのが最大の特長です。


| 項目 | R1A1 | R2A1 |
|---|---|---|
| 本体重量 | 約1,090g | 約1,100g |
| ストローク | 19mm | 19mm |
| 引張力(最大)| 10.0kN(約1,020kgf) | 10.0kN(約1,020kgf) |
| 適合リベット径 | φ2.4・3.2・4.0・4.8mm | φ2.4・3.2・4.0・4.8mm |
| 使用エアー圧 | 0.49〜0.59MPa | 0.5〜0.6MPa |
| 吸引排出機能 | ○(バキュームON/OFFスイッチ付) | ○(バキュームON/OFFスイッチ付) |
| 参考価格(定価) | 102,900円 | 約90,000円前後 |


R1A1の大きな強みは、「二度切りロスをなくす余裕のロングストローク(19mm)」にあります。ロングストロークとはリベットを引き込む距離のことで、これが長いとリベットの「二度切り(1回で切断されず2回の動作が必要になるロス)」が起きにくくなります。作業現場では二度切りの発生が作業効率を大幅に下げるため、19mmのストロークは実務上きわめて重要です。


また、エアー消費量がAR2000MV比で最大約25%削減されているのも見逃せないポイントです。つまりコンプレッサーの稼働時間が短くなり、電気代の節約にもつながります。


R2A1は2024年に登場した新世代モデルで、フレームヘッドが工具レスで取り外せる設計となっており、ジョー周りのメンテナンスがよりしやすくなっています。油圧回路のシール性も向上し、オイル漏れが大幅に減少した改良が施されています。これは使えそうです。


収納DIYの用途でどちらを選ぶかという視点で言うと、使用頻度が低め・作業量が少ない場合はR1A1の軽量さが手首への負担を減らしてくれます。頻繁に大量のリベット打ちをするプロ用途ならR2A1のメンテナンス性の高さがメリットになります。


モノタロウ|ロブスター エアーリベッター一覧・価格比較ページ


エアリベッターロブスターのノーズピースとリベット径の正しい選び方

エアリベッターを使いこなすうえで、ノーズピースとリベット径の関係を正確に理解しておくことは欠かせません。ここを誤ると、工具の詰まりや故障につながり、最悪の場合は高額な修理費が発生します。


ノーズピースとは、エアリベッターの先端にあるリベットの差し込み口のことです。リベット径に合わせたサイズのノーズピースに交換して使います。ロブスターのR1A1・R2A1では、φ2.4mm・φ3.2mm・φ4.0mm・φ4.8mmの4サイズに対応しています。


ノーズピースのサイズが間違っていると、マンドレル(リベットのシャフト部分)が内部で詰まります。詰まりが起きると排出管路が閉塞し、次のリベットが打てなくなるだけでなく、本体内部の部品を傷める原因にもなります。


また、φ4.0mm以上のリベットに交換する際はノーズピースだけでなく、ガイドパイプユニットも一緒に交換することが必要です。ノーズピースのみ替えてガイドパイプを変え忘れると、やはり詰まりの原因になります。これは見落としがちなポイントですね。


リベットの素材選びも重要です。


- アルミリベット:最も手軽で入手しやすく、DIYや薄い素材の接合向き。強度は低いため重量物の固定には不向き。


- スチール(鉄)リベット:アルミより強度が高く、比較的コストも低め。ただし屋外・水まわりではサビに注意が必要。


- ステンレスリベット:強度・耐食性ともに最高クラス。ただし硬いため、エアリベッターにかかる負荷も増大する。


収納棚や収納ラックのDIYに使う場合、屋内であればスチールリベット(φ3.2mmまたはφ4.0mm)が強度とコストのバランスが取れた選択肢になります。φ3.2mmのリベット径は、一般的な薄板鉄板(1〜3mm厚)に最適なサイズです。


下穴のサイズはリベット径より0.1〜0.2mm大きく開けるのが正解です。例えばφ3.2mmのリベットを使う場合は、φ3.3〜3.4mmの下穴をドリルで開けます。下穴が大きすぎるとリベットがぐらついて接合強度が低下するため注意が必要です。


Reツール|リベッターの仕組み・種類・使い方完全解説(ノーズピースやリベット素材の詳細)


エアリベッターロブスターを正しく使うための空気圧とコンプレッサー設定

エアリベッターのパフォーマンスと寿命を決定づける最重要ポイントが、空気圧の管理です。ロブスターのR1A1・R2A1ともに、使用空気圧は0.5〜0.6MPa(約5〜6kgf/cm²)に厳守するよう指定されています。


この数値の範囲を守ることが基本です。


なぜ空気圧が厳密なのかというと、圧力が低すぎるとリベットのマンドレルが切断されず「切れない」状態になり、逆に高すぎると本体の油圧シールや内部部品が破損します。直ちに壊れなくても、規定以上の圧力で使い続けると「極端に寿命が短くなる」とロブテックスの取扱説明書に明記されています。


特にステンレスリベット(φ4.8mm)を使用する際は、エアー圧力を0.55〜0.6MPaにセットすることが推奨されています。ステンレスは硬く、より高い引張力が必要なためです。


コンプレッサーとエアリベッターの間には、必ず以下の3つのユニットを設置します。


- エアフィルタ:水分・ゴミの混入を防ぐ。水分が入ると寒冷時に氷結し、Oリングの劣化を早める。


- レギュレータ:空気圧を規定値(0.5〜0.6MPa)に調整する。


- エアルブリケータ(注油装置):エアホース内の潤滑オイルを微量供給する。ただし滴下量は最小限に設定すること。


これら3つはFRL装置(フィルタ・レギュレータ・ルブリケータ)とまとめて呼ばれることもあります。FRL装置を省略してコンプレッサーに直結すると、水分や異物がエアリベッター内部に侵入し、深刻な故障を招きます。


エアルブリケータの滴下量は「最小限」が原則です。過剰に油が供給されるとエアー排出口からオイルが飛散し、目に入るリスクがあるほか、グリップ部がオイルで滑りやすくなって工具を落とす原因になります。


収納棚のDIYで自宅のコンプレッサーを流用する場合、コンプレッサーのタンク圧力が0.8〜0.9MPa以上確保できる機種を用意しましょう。タンク容量は8L以上あると、連続して数十本のリベット打ちをしても圧力が安定します。


エアリベッターロブスターの収納と保管・メンテナンスで寿命を延ばす方法

高額な工具だからこそ、使用後の収納・保管・メンテナンスが工具の寿命を大きく左右します。ロブスターのエアリベッターは適切なケアを行えば長年にわたって使い続けられますが、怠ると数千本のリベット打ち後に故障するリスクが高まります。


まず、定期的なジョー部(先端内部の爪部品)の掃除が必要です。目安はかしめ本数3,000本に1回程度です。3,000本というのは、1日50本打てば約2ヶ月に1回の周期です。ジョー部にマンドレルの切粉やゴミが溜まると、ジョーの動作が鈍くなり、かしめ不良や詰まりの原因となります。


掃除の手順は以下の通りです。


1. エアーの供給を完全に停止する
2. フレームヘッドナットを緩め、フレームヘッドを取り外す
3. ジョーケースヘッド・ジョー・ガイドパイプユニットを取り外す
4. ブラシで各部品を丁寧に掃除する(特にジョーの歯部と摺動部)
5. ジョー背部の円錐面に専用潤滑オイル「JO50」(エビ印、ISO VG150 二硫化モリブデン入り)を塗布して組み立て直す


次に、油圧オイルの管理も重要です。油圧オイルが不足するとリベッターのストロークが短くなり、リベットが切断されなくなります。R2A1の説明書によれば、給油には専用の給油器(シリンジユニット「B29624」)と専用油圧オイル「B10012」を使うことが定められています。市販の汎用オイルで代用しないことが原則です。


保管時は以下の点に気をつけてください。


- 湿気の少ない場所に収納する(錆・Oリング劣化を防ぐため)
- 長期間使わない場合は、使用前に念入りに保守点検を実施してからバキューム機構を作動させてから使い始める
- エアホースを持って引きずらない(ロータリージョイントが破損する)


タンクケースユニット(マンドレル収納タンク)の管理も忘れずに。タンク内にマンドレルが半分以上溜まると、排出路が詰まって本体が壊れます。タンクの約半分が溜まったらバキュームを止め、タンクを取り外してマンドレルを廃棄する習慣をつけましょう。これが条件です。


収納の際はケースや袋に入れて保管すると、ノーズピースなどの小部品を紛失するリスクを大幅に減らせます。ロブスターのエアリベッターには別売の収納ケースや保護袋を活用し、付属品をまとめて管理するのがベストです。


ロブテックス公式|エアーリベッター R2A1 取扱説明書PDF(保守点検・給油方法の詳細)




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