

調子に乗って回すと、新品の1弦がその場で切れます。
収納情報
ペグワインダー(ストリングワインダー)は、ギターのヘッド部分に並んでいる「ペグ」をすばやく回すための補助工具です。先端に丸い空洞があり、そこにペグのボタン部分をはめ込んで取っ手をくるくると回転させる仕組みになっています。釣り竿のリールをイメージするとわかりやすく、手でペグを回すときと違って持ち替えが一切不要なのが最大の特徴です。
「手で直接回せばいいのでは?」と思う方も多いです。しかし、ペグには「ギア比」という仕組みがあり、一般的なクルーソン型ペグのギア比は1:15。つまりペグボタンを15回転させてやっとポスト(弦が巻きつく軸)が1回転します。弦がポストに2〜3周巻きついていると考えると、1本の弦を外すだけでボタンを30〜45回も回す計算になります。6本全部交換すれば、計180〜270回転です。これが手作業では「半回転ごとに持ち替え」が必要なので、想像以上に時間と指の疲れを消耗します。
ペグワインダーを使えばこの作業が連続回転になります。結論は「時間と指疲れを同時に削減できる」です。プロのギターリペアマンやライブサポートのローディーが必ず持ち歩く理由は、まさにここにあります。
ペグワインダーは弦交換の頻度が少なければ「なくても困らない」道具ですが、月に1回ペースで交換するなら年間12回×6本の弦でペグを回す回数は数千回に及びます。一度使うと、もう手放せなくなります。
まず、古い弦を緩める作業から始めます。ペグワインダーの先端空洞部分をペグのボタンにしっかりと深くかぶせてください。この「深くかぶせる」という点が意外と見落とされがちです。浅い差し込みだと回転軸がずれて空回りしたり、ギターのヘッドやペグに余計な力がかかることがあります。ペグボタンが空洞の中に完全に収まるまで押し込むのが基本です。
取っ手を持ってくるくると回し始めると、みるみるうちに弦が緩んでいきます。どの方向に回せばいいか迷うこともありますが、「弦が緩む方向」はギターを正面に見たときに各ペグで異なります。回してみて弦が張る方向に行っていたら逆回転に変えるだけなので、難しく考えなくて大丈夫です。
弦が十分に緩んだら、ニッパーで弦を切るか、そのままペグのポスト穴から引き抜きます。アコースティックギターの場合はブリッジピンも抜く必要があります。ブリッジピンを素手でなかなか抜けない場合は、多機能ペグワインダーについているピン抜き機能を使うと一発で解決します。これは使えそうです。
| 手順 | 作業内容 | ポイント |
|------|----------|----------|
| ① | 空洞をペグに深くはめ込む | 浅いと空回り・破損のリスクあり |
| ② | 取っ手を回して弦を緩める | 弦が緩む方向を確認してから |
| ③ | 弦を切るかポストから外す | ニッパー不要な多機能型もある |
| ④ | アコギはブリッジピンも外す | ピン抜き付きタイプが便利 |
弦を外し終えたら、この機会に指板やフレットのクリーニングをしておくと良いです。弦を全部外した状態でないとできない掃除が一気にできます。クリーニングが終わったら新しい弦を張る準備に移ります。
新しい弦をペグポストの穴に通し、弦をある程度手で引っ張って適度なたるみを作ってから巻き始めます。巻く量の目安は、弦をペグに通してから隣のペグ1〜2個分の長さを余らせる程度です。これが多すぎるとポストに弦が何重にも巻きつき、チューニングが安定しにくくなります。逆に少なすぎると1〜2巻きしか取れず、弦が抜けてしまうリスクがあります。2〜3巻きが原則です。
ペグワインダーを使って巻いていくときに、最大の落とし穴があります。「調子に乗って一気に締めすぎると1弦が切れる」という問題です。1弦(一番細い弦、直径約0.25mm前後)は特に張力への耐性が低く、勢いよく巻いて音が鳴った瞬間にブチッと切れることがあります。実際に多くのギタリストが「新品の弦を張ったのにすぐ切れた」という経験をしています。1弦だけは注意が必要です。
対策としては、ペグワインダーで大まかにテンションをかけた後、最後の微調整は必ず素手でゆっくり行うことです。具体的には、音程がある程度近づいてきたら(チューナーの針が動き始めたら)ペグワインダーを外し、指でペグをゆっくり回してチューニングを合わせていきます。ペグワインダーはあくまで「大まかに巻き上げる」道具、チューニングは手動で仕上げるという役割分担が大切です。
また、弦を巻きつける方向(内側から外側、または外側から内側)はギターの機種やペグの位置によって異なります。6弦〜4弦と3弦〜1弦では巻き方向が逆になることが多いので、確認しながら進めましょう。アコースティックギターで有名な「マーティン巻き」(弦の先端を折り返して引っかける巻き方)をする場合でも、ペグワインダーは普通に使えます。
ペグワインダーには大きく分けて3つのタイプがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、自分のギター環境に合ったものを選ぶことが大切です。
シンプル手動型(価格帯:100円〜500円)は最もベーシックなタイプです。先端の空洞にペグをはめて手で回すだけのプラスチック製が多く、楽器屋のレジ横に100円で売られていることもあります。機能面では十分ですが、安価なものはペグへのフィットが甘く空回りしたり、先端が大きくて隣のペグにぶつかる場合があります。初心者や「とりあえず試してみたい」という方に向いています。
多機能型(価格帯:500円〜2,000円)は、ペグワインダーにニッパー(弦カッター)とブリッジピン抜きが一体化したタイプです。D'Addario(ダダリオ)の「Pro-Winder/Cutter」が代表的で、弦交換に必要な道具がこの1本に収まります。工具を出し入れする手間が省けるので、収納にこだわる人にとって「道具数を減らせる」という大きなメリットがあります。弦交換セット一式をコンパクトに収納できるのは、すっきり整理したい人にとって見逃せないポイントです。
電動型・ドリルビット型(価格帯:1,000円〜6,000円以上)は最も時短効率が高いタイプです。電池または充電式のモーターでペグを自動回転させてくれます。ただし「電動専用品は意外と遅い」という声もあります。ERNIE BALLの「Power Peg」などは確かに便利ですが、手動の上質なワインダーのほうが速いという検証結果もあるほどです。
収納の観点から特に注目したいのが、D'Addarioの「ドリルビット型 PW-DBPW-01(実売1,000円前後)」です。このアタッチメントさえあれば、家にある電動ドライバーがそのままペグワインダーとして使えます。専用の電動ペグワインダーを別途購入・収納する必要がなく、すでに持っている工具を活用できます。工具箱に1本追加するだけで完結するので、物を増やしたくない人にとって理想的な選択肢です。
ストリングワインダー ‐ 弦交換を楽にする便利グッズ|ギタコン(ストリングワインダーの概要・種類について詳しく解説されています)
ここは検索上位の記事ではあまり触れられていない、収納目線からの独自視点です。
ペグワインダーを単なる「弦交換の道具」として引き出しに放り込んでいる人は多いと思います。しかし収納好きの視点からすると、ペグワインダーはギターメンテナンスキット全体の「核」として整理するのが正解です。弦交換に必要な道具はざっとリストアップすると、ペグワインダー、ニッパー、ブリッジピン抜き(アコギ)、クリーニングクロス、指板オイル、替え弦のセットになります。これらをバラバラに収納していると「どこだっけ?」となって弦交換を先延ばしにしてしまいます。先延ばしが続くと、錆びた弦がフレットや指板にダメージを与えることもあります。これは痛いですね。
まとめて収納するための方法として実用的なのが、ジッパー付きの小型ポーチやツールケースに一式を入れることです。ギターケースのポケットに入るサイズのポーチを選べば、自宅でも持ち運び時でも「弦交換セット」がワンアクションで取り出せます。
多機能型のペグワインダー(ニッパー+ブリッジピン抜き一体型)を選ぶと道具の点数が3分の1以下に減ります。点数が減れば収納スペースも小さくて済みますし、「あの道具がない」という紛失リスクも下がります。収納効率とメンテナンスの継続率は比例するので、道具をまとめることはギターを長く弾き続けることにも直結します。
替え弦の保管方法も意外と悩む人が多いです。弦は湿気に弱く、開封後にそのままにしておくと酸化が進みます。ジップロックなどの密閉袋に乾燥剤と一緒に入れておくと品質が長持ちします。弦1セットが袋ひとつにまとまっていれば、ポーチの中で散らばることもありません。
| アイテム | 収納のポイント |
|----------|----------------|
| ペグワインダー(多機能型) | ニッパー・ピン抜き一体型を選ぶと点数を削減できる |
| 替え弦 | ジップロック+乾燥剤で湿気・酸化を防ぐ |
| クリーニングクロス | 小さく折りたためるものを選んでポーチに常駐 |
| 指板オイル | 小分けボトルで量を絞ればかさばらない |
一式をまとめたポーチをギターケースのサイドポケットに収めておけば、弦交換の心理的ハードルがぐっと下がります。「道具を揃える」ところから始めなくていい状態を作るのが、収納好きならではの正しいアプローチです。
ギターの収納方法は?保管時に注意する点を紹介|モノオク(ギターの保管・収納に関する注意点や方法が詳しく解説されています)

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