

チェーンカッターを一度でも間違った方向に押し込むと、ピンが曲がってチェーン全体が使えなくなります。
収納情報
チェーンカッターには大きく分けて「ピン抜き専用タイプ」と「カシメ(リベット)機能付きタイプ」の2種類があります。ピン抜き専用タイプは安価で3,000円前後から入手できますが、チェーンを繋ぐときには別途「カシメ工具(リベットツール)」が必要になります。一方でカシメ機能付きの多機能タイプは1万〜2万円前後と価格が上がりますが、1本でカット・接続の両方をこなせるため、作業効率が大幅に上がります。
バイクチェーンにはサイズ規格があり、主に以下の種類が流通しています。
チェーンカッターの「コマ溝(アンビル)」はサイズ別に幅が異なります。これが重要です。例えば428チェーン用のカッターに530のチェーンを無理にセットしようとすると、工具が破損するだけでなく、アンビルが割れてピンが飛ぶ危険があります。購入前に自分のバイクのチェーンサイズをオーナーズマニュアルやスイングアームのステッカーで必ず確認しましょう。
工具選びで迷ったら、ダイドー(DID)やRKジャパンといったチェーンメーカーが販売している純正チェーンツールキットを選ぶと、対応サイズが明記されていて安心です。1セット7,000〜15,000円程度で、チェーンカッター・リベットツール・スタンドが揃ったものも販売されています。これは使えそうです。
チェーンのカット作業は手順が基本です。段階を追って丁寧に進めることで、失敗率をグッと下げられます。
まず、古いチェーンをカットしたい位置のコマをチェーンカッターの溝(アンビル)にしっかりとセットします。このとき、チェーンのピンの中心とカッターのドライブスクリューの先端が一直線に揃っていることを確認してください。ズレたまま押し込むとピンが曲がり、アンビルを破損させる原因になります。
次に、スクリューをゆっくり回してピンを押し出していきます。ここで絶対に守りたいのが「ピンを完全に抜ききらない」というルールです。ピンをチェーンの反対側まで完全に押し出すと、プレートのガイド穴が変形してチェーンがバラバラになり、再利用が不可能になります。目安は「残り1〜2mm、つまりコンタクトレンズ1枚分の厚さを残す」感覚です。この段階で一度スクリューを緩め、チェーンを曲げるとコマが外れます。
作業中のポイントをまとめると以下のとおりです。
つまり、力任せに回すのが一番の失敗パターンです。チェーンカッターは精度を要する工具なので、焦らず確認しながら進めることが最大のコツになります。
チェーンを新しいものと繋ぐ「接続作業」は、実はカット作業よりも難易度が高いです。接続方法には「クリップ式(クリップジョイント)」と「カシメ式(リベットジョイント)」の2種類があり、どちらを使うかはチェーンの種類と用途によって変わります。
クリップ式はクリップ(Cクリップ)を専用プライヤーで差し込むだけで接続できるため、作業は簡単です。しかし、クリップが走行中の振動で外れるリスクがゼロではなく、特に高回転・高出力なスポーツバイクでは推奨されません。一方のカシメ式は、ピンの先端をリベットツールで潰して「きのこ型」に変形させることで固定します。この形状が抜け止めになり、クリップ式より高い強度を発揮します。
カシメ接続の手順は以下のとおりです。
かしめ幅の確認はノギスを使って行います。ノギスがない場合は、隣の正常なコマのピン径と比較して目視で確認する方法もありますが、精度面ではノギス使用が原則です。かしめが足りないと走行中にピンが抜け、最悪の場合チェーンが走行中に脱落してリアタイヤをロックさせる危険があります。慎重に確認することが条件です。
カシメ後は必ずチェーンの動きをコマ単位で手で曲げて確認し、固着しているコマがないかをチェックしてください。固着があるとチェーンが振動の原因になり、スプロケットの摩耗を早めます。
チェーンカッターを使って交換したばかりの新品チェーンも、保管方法が悪ければ劣化が急速に進みます。これは見落とされやすいポイントです。
バイクを長期保管する場合(1ヶ月以上乗らないケースなど)は、チェーンに専用の「長期保管用チェーンルブ」を塗布してから収納することが推奨されています。一般的な走行用ルブは揮発しやすい成分を含むため、長期保管には不向きです。ワコーズのチェーンルブ(CH-L)やDIDのチェーンオイルなど、防錆成分を含む製品を選ぶと効果的です。
収納場所も重要です。直射日光や雨が当たる屋外保管では、新品チェーンでも3〜6ヶ月でサビが目立ち始めることがあります。バイクカバーを使うだけでこの劣化速度を大幅に抑えられますが、理想はガレージや物置などの屋根付き環境での保管です。収納スペースに余裕があるなら、チェーン周りにも風雨が当たらない環境を意識しましょう。
また、交換で取り外した古いチェーンを「予備として保管しておく」という方もいますが、一度伸びたチェーンは再使用すると新品スプロケットを急速に摩耗させるため、基本的には廃棄を推奨します。チェーンとスプロケットは同時交換が原則です。交換サイクルの目安は以下の表を参考にしてください。
| 使用状況 | チェーン交換目安 | スプロケット交換目安 |
|---|---|---|
| ツーリング中心(月500km以下) | 約15,000〜20,000km | チェーン2〜3回交換ごと |
| 通勤・街乗り中心(ストップ&ゴー多め) | 約10,000〜15,000km | チェーン2回交換ごと |
| サーキット走行・スポーツ走行 | 約5,000〜10,000km | チェーン1〜2回交換ごと |
意外に思われるかもしれませんが、チェーン交換の必要性を見誤ると、本来不要だった作業コストが数千円〜1万円以上余計にかかることがあります。チェーンのたるみ(スラック)は、実はチェーンが伸びたのではなくアクスルシャフトのズレで発生しているケースも多く、この場合は張り調整だけで解決します。
チェーンの「伸び」を正確に診断するには、チェーンチェッカー(インジケータープレート)を使います。工具は500〜1,500円程度で購入でき、チェーンの溝に差し込むだけで伸び量をパーセントで確認できます。0.5%以上の伸びが確認された場合は交換のサインです。この確認を怠ると、スプロケットの歯先が尖り始めて「鮫の歯」状態になり、新品チェーンでもすぐに摩耗が進む悪循環に陥ります。
チェーンのたるみ量(スラック量)の正しい調整値は車種によって異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。
チェーンカッターを使う前に、まずチェーンチェッカーで本当に交換が必要かどうかを確認することが大切です。「交換が必要か否かの判断」→「カット作業」の順番で進めることで、工具も時間も無駄にせずに済みます。これだけ覚えておけばOKです。
チェーンの状態診断で迷ったときは、バイクのサービスマニュアルに記載された「チェーンスラック値」と「リンク測定値(規定伸び量)」を確認するのが最も正確です。メーカー公式の情報は、ホンダのサービスサイトやヤマハのFAQページでも一部公開されています。
ホンダ公式:バイクのメンテナンス基礎知識(チェーン調整・交換の基準値について)
DID(大同工業)公式:バイク用チェーンの種類・規格・選び方の詳細ページ

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