

配管サイズと同じmm数の刃を選ぶと、パイプが入らず穴の開け直しで数万円の追加費用が発生します。
収納情報
コアドリルの刃、正式には「コアビット」と呼ばれる工具は、円筒形の金属ボディとその先端に取り付けられた超硬チップで構成されています。通常のドリルビットが芯から削り取っていくのに対して、コアビットは穴の外周部分だけを切削するため、30mm以上の大径穴を効率よく開けることができます。
サイズの表記は「刃先径(外径)×有効長」で示されます。たとえば「φ65mm×有効長150mm」であれば、直径65mmの穴が深さ150mmまで開けられることを意味します。有効長はそのまま穴を開けられる深さの上限ですから、壁の厚みに対して有効長が足りているかを事前に確認することが必要です。
刃先径はミリ単位で製品展開されており、小径では4mmから始まり、DIY用途で頻繁に使われる65mm前後、プロ現場向けの160mm・180mm、大型工事用の400mm超まで幅広くラインナップされています。つまり用途に応じた径が条件です。
収納棚のDIYでよく行われるのが、棚板に配線用の穴や換気口を開ける作業です。この場合、石膏ボードや木板に対してφ50〜80mm程度のコアビットを使うケースが多く、使用する電動工具のシャンクサイズも合わせて確認するのが基本となります。
コアビットは「どんな素材に使うか」によって刃の形状・チップの素材・切削方式が根本的に異なります。間違えると刃が早期摩耗するだけでなく、穴の仕上がりが悪くなります。素材に合った刃を選ぶことが原則です。
代表的な種類と対応素材は以下の通りです。
| コアビットの種類 | 対応素材 | 動作方式 | 代表的なサイズ |
|---|---|---|---|
| 🔵 振動用コアビット | コンクリート・モルタル・レンガ・ブロック | 振動ドリル | φ32〜160mm |
| 🟢 ALC用コアビット | ALC(軽量気泡コンクリート)・石膏ボード | 回転ドリル(回転専用) | φ50〜130mm |
| 🟡 複合材用コアビット | サイディングボード・金属系外壁・木材 | 回転ドリル | φ50〜150mm |
| 🟠 マルチ用コアビット | 石膏ボード・FRP・塩ビ板・ベニヤ板など | 回転ドリル | φ30〜100mm |
| 🔴 ダイヤモンドコアビット | 鉄筋コンクリート・石材・タイル | 湿式/乾式コアドリル | φ25〜400mm以上 |
特にALC(軽量気泡コンクリート)は一般的なコンクリート用の刃では切削効率が著しく落ちるため、ALC専用刃が必須です。マルチ用コアビットはDIY向けに汎用性が高い反面、コンクリートや硬質ALC素材には対応できないので注意してください。これが条件です。
収納棚を壁に取り付ける際に「石膏ボードっぽく見えたからマルチ用を使ったらうまく開かない」というケースもあります。壁の内部がどんな素材で構成されているかを事前に確認することが、失敗しないための第一歩となります。
参考:コアドリルビットの素材別詳細や注意事項はミスミの技術情報ページで確認できます。
DIYで配管穴を開ける際に最もよくある失敗が「配管の外径と同じサイズの刃を選ぶ」というものです。痛いですね。配管外径が50mmなら刃もφ50mmを買えばいい、という発想は一見正しく見えますが、実際には通りません。
配管を壁の穴に通すためには、配管自体の外径よりも余裕が必要です。プロの現場でも使われているモノタロウの技術情報によると、外径が50mm未満の細い配管の場合はプラス2〜5mm、50mmより太い配管にはプラス3〜10mmの余裕をもって穿孔する必要があります。つまり、φ50mmの塩ビ管を通したい場合は、最低でもφ53〜55mmの刃が必要ということです。
さらに重要なのが「一度開けた穴の拡張は非常に困難」という点です。コンクリートや石膏ボードにすでに開いた穴をわずかに大きくしたい場合、中心がずれやすく、きれいに拡張することがほぼできません。そのため最初から適切なサイズを選ぶことが原則で、あとから「5mmだけ大きく開け直す」というのは現実的ではないと考えておくのが安全です。
コア抜き工事を業者に依頼した場合、1箇所あたりの費用相場は約7,000円前後とされており、サイズ選びのミスで開け直しが発生した場合には数万円規模の出費になることもあります。これは使えそうです。
| 配管外径の目安 | 必要な刃径の余裕 | 選ぶ刃径の例 |
|---|---|---|
| φ50mm未満(細い配管) | +2〜5mm | φ32mmの配管 → φ35〜37mm刃 |
| φ50mm以上(太い配管) | +3〜10mm | φ65mmの配管 → φ68〜75mm刃 |
| エアコン配管(一般的) | φ65〜70mm推奨 | 換気機能付きは70〜75mm必要な場合も |
エアコン工事の場合、一般的な家庭用エアコンはφ65mmが標準ですが、換気機能や加湿機能が付いた高機能機種では、配管が太くなりφ70〜75mmが必要なケースもあります。事前にエアコンのメーカー仕様書で配管径を確認してから刃のサイズを決めることが大切です。
参考:配管種別ごとの最適ビット径一覧はビルディの解説ページで確認できます。
ダイヤモンドコアドリルの特徴と選び方・おすすめ機種|ビルディ
刃径だけ正しく選んでも、シャンク(柄)の形状が合っていなければ工具に取り付けることさえできません。コアビットを選ぶ際にはシャンク形状の確認が必須です。
代表的なシャンクの種類は以下の3つです。
- SDSプラスシャンク(シャンク径10mm):マキタ・HiKOKIなどのハンマードリルに広く採用されている規格です。軽量ハンマードリルに対応しており、DIYから現場作業まで最も普及しています。エアコン穴あけ用φ65mmコアビットにもSDS対応モデルが多数あります。
- 六角軸シャンク(6.35mm・13mm等):電動ドリルドライバーやインパクトドライバーで使われる規格です。DIY向けの小径コアビット(φ4〜50mm程度)に多く、収納DIYで石膏ボードに穴を開けるような軽作業向けです。六角軸には6.35mm・13mm・17mm・21mmなど複数のサイズがあるため、工具の仕様書でチャックサイズを確認してから選びます。
- ストレートシャンク(丸軸):チャックで締め付けて固定する旧来の方式です。ドリルチャック式の電気ドリルに取り付けて使います。
「SDSプラスシャンク」と「SDS-maxシャンク」は似た名前ですが全くの別規格です。SDS-maxはシャンク径18mmで、大型のハンマードリル専用です。見た目がよく似ているため混同しがちですが、互換性はありません。これだけは例外です。
ダイヤモンドコアドリル(機械固定式)の場合は、M27・M18・Aロッド・Cロッド・G1/2といった「ネジ式」規格が採用されています。これはビット内部の空間を給水路や集じん路として使うためで、六角軸やSDS軸とは構造が根本的に異なります。ダイヤモンドコアドリルのビットをハンマードリルに流用する、といったことはできません。覚えておけばOKです。
収納に関心がある方がコアドリルの刃を使うシーンは、実は意外と多くあります。代表的な用途は次のような場面です。
- 壁面収納の配線穴:見せる収納棚を作る際、棚の背面に電源コードや配線を通す穴を開ける場合。石膏ボード壁には20〜50mm程度のマルチ用コアビットが適しています。
- エアコン設置時の配管穴あけ:壁に収納スペースを作るリフォームと合わせてエアコンを新設するケースでは、φ65〜70mmの乾式コアビットが必要になります。
- ランドリーラックや棚板への穴開け:ランドリースペースや洗面所に収納棚を設置する際、水道管・排水管を避けつつ棚を固定するためのアンカー穴を開ける場合にも、φ30mm前後のコアビットが役立ちます。
収納DIYで特に注意したいのが「壁の素材の確認」です。一見して同じ白い壁でも、石膏ボード・ALC・コンクリートと素材が異なるケースがあります。素材を誤って選ぶと刃が進まないどころか破損の原因になります。
壁の素材を簡単に調べる方法として、「壁を軽くノックして響くような空洞音がすれば石膏ボード、詰まったような重い音ならコンクリートかALC」という経験則があります。また、ホームセンターで販売されている壁裏探知機(デジタルタイプは2,000〜5,000円程度)を使えば、壁内の素材や下地の位置を確認できます。これは使えそうです。
参考:コアドリルの選び方の詳細はモノタロウのコアドリル情報ページが参考になります。
刃径(穴の太さ)に目が行きがちですが、「有効長」の確認も同じくらい重要なポイントです。有効長とは、コアビットが実際に切削できる深さのことで、この長さが開けたい壁の厚みを下回っていると、壁を貫通させることができません。
一般的な壁の厚みの目安を示すと、石膏ボード一枚は9.5mmまたは12.5mm(名刺の厚みを約50枚重ねたくらい)、ALC壁は75〜150mm、RC(鉄筋コンクリート)造の壁は150〜250mm程度が一般的です。エアコンの配管穴あけに使われる有効長150mmのコアビットであれば、一般的なRC壁(150mm)に対してギリギリ対応可能ですが、余裕はほぼありません。壁が厚い場合は有効長を余裕を持って確認することが条件です。
さらに「三点式コアビット」というシステムを使えば、チューブを継ぎ足すことで有効長を延長できます。一体式コアビットでは対応できない厚壁や深穴を開ける場合には、三点式の使用を検討してください。ただし三点式は両面からアプローチできる薄壁工事より設置工事の手間がかかるため、使う場面を見極めることが大切です。
乾式と湿式の選択も有効長と深さに関係します。湿式(水冷方式)は切削速度が速くビットが長持ちするため、深い穴や穴数が多い現場向きです。一方、乾式(集じん方式)はセットアップが簡単で、天井や逆さまの壁面にも使えますが、摩耗が早くなるため、厚い壁や長い有効長が必要な場合は想定より刃の消耗が速い点に注意が必要です。
| 壁の種類 | 一般的な厚み | 必要な有効長の目安 |
|---|---|---|
| 石膏ボード | 9.5mm〜12.5mm | 30mm以上(余裕あり) |
| ALC壁 | 75mm〜150mm | 100mm以上(確認必須) |
| RC造壁(鉄筋コンクリート) | 150mm〜250mm | 200mm以上(両面アプローチも検討) |
参考:有効長の仕様や三点式コアビットについてはビルディの解説が詳しいです。

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