

見せる収納にしたはずなのに、なぜか部屋が散らかって見える。そんな経験、ありませんか。実は、オープン棚に服を飾る「見せる収納」は、やみくもに始めると追加コストが3万円以上かかることもある、準備が必要なスタイルです。
見せる収納を始める前に、まず「飾る」という意識に切り替えることが最初のステップです。多くの人は「収納スペースを作る」感覚でオープン棚を導入しますが、それだと服が詰め込まれて雑然とした印象になりがちです。アパレルショップのディスプレイを思い浮かべてみてください。商品と商品の間には必ず余白があり、色や丈が揃えられています。見せる収納も、まったく同じ考え方が必要です。
ルール1:棚に飾る服を厳選する。 全部の服を見せようとすると、必ず失敗します。棚に出すのは「今シーズン着る服」かつ「お気に入りの服」だけに絞るのが原則です。オフシーズンのアイテムや冠婚葬祭用の礼服は、クローゼット内や引き出しにしまう「隠す収納」に分けましょう。見せる収納と隠す収納の比率は、インテリアの専門家の間では「見せる3割・隠す7割」が理想とされています。
ルール2:インテリアの配色を3色以内に抑える。 棚まわりの収納グッズ(ハンガーラック・バスケット・ボックス類)の色は、部屋全体の色と合わせて3色以内にまとめるのが基本です。4色以上になると統一感がなくなり、服がどれだけきれいに並んでいても雑多な印象になります。ベースカラー(床・壁の色)に合わせて、ブラック系またはナチュラル木製系のどちらかに統一すると失敗が少なくなります。
ルール3:棚には余白を意図的に作る。 服や雑貨で棚を隙間なく埋めてしまうと、ショップ感はゼロになります。棚1段につき、全体の2〜3割は空きスペースを残すよう心がけましょう。余白があることで、飾られている服や小物が引き立ちます。
つまり「選ぶ・統一する・余白をつくる」が基本です。
参考:見せる収納と隠す収納の使い分けについては、ディノスの収納コラムが詳しく解説しています。
ハンガーがバラバラだと、棚全体が安定しません。これが原則です。どれだけおしゃれな服を揃えても、プラスチック製・木製・針金ハンガーが混在していると、SNSで見るような美しいクローゼット写真にはなりません。収納のプロが口を揃えて言うのが「ハンガーを統一するだけで、見栄えは格段に上がる」という点です。
ハンガーの素材は、部屋のテイストに合わせて選びましょう。インダストリアル・モノトーン系の部屋にはブラックのスリムハンガー、ナチュラル・木製家具が多い部屋には天然木のハンガーがよく合います。ニトリの「すべりにくい省スペースハンガー」はスリムで統一感が出やすく、1本あたり数百円台から揃えられます。IKEAの「BUMERANG(ブメラング)」は木製で丸みがあり、厚みのある服でも型崩れしにくい設計です。
服の並べ方には2つのアプローチがあります。ひとつは丈の長さで並べる方法です。左からコート・ワンピース→ジャケット→シャツ→Tシャツの順に丈が短くなるよう配置すると、ラック全体がきれいな階段状のシルエットになります。もうひとつは色のグラデーションで並べる方法で、白→アイボリー→ベージュ→グレー→ブラックと明度順に並べるだけで、棚が一気にショップらしくなります。どちらの方法も、習慣にしてしまえば服を戻すときのルールが明確になるため、散らかりにくい状態が続きます。
注意したいのは、ラックにかける服の量です。ハンガーラックの耐荷重はおよそ10〜20kgが一般的ですが、服の枚数に換算すると10〜15着が目安です。それ以上かけると服同士が密着してしわになるだけでなく、見た目の清潔感も失われます。「ラックにかける服は多くて15着まで」が条件です。
参考:ハンガーラックの活用方法と選び方については以下を参考にしてください。
「クローゼットがない」「洋服が入らない」にはハンガーラック収納 | Qualial
窓際や日当たりのよい場所にオープン棚を設置すると、服が日焼けして色あせします。これは見せる収納の代表的な失敗例のひとつです。特に黒・紺・濃いブルーなどの濃色系の服は紫外線ダメージを受けやすく、長期間オープンに飾っていると色落ちが目立ちます。
日光が直接当たる環境では、数ヶ月〜1年程度で色あせが始まることが報告されています。染料が紫外線によって分解されるため、クリーニングでも元には戻りません。大切な服が棚に飾ったまま「気づいたら色が薄くなっていた」という状況は、出費として考えると決して小さくないダメージです。意外ですね。
対策は3つあります。まず棚の設置場所を窓際から離すこと。これが最も根本的な解決策です。次に、どうしても窓の近くに置く場合はUVカットカーテンまたはブラインドを活用すること。UVカットフィルムを窓ガラスに貼るだけで、室内に届く紫外線量を大幅に削減できます。3つ目は衣類カバーをかける方法で、不織布製(ノンウォーブン素材)のカバーを使えば通気性を保ちながらほこりと紫外線の両方を防げます。100円ショップやニトリで数百円から購入できます。
日焼けリスクに注意すれば大丈夫です。飾る服は「今シーズンのヘビロテアイテム」に絞り、オフシーズンの服は必ず隠す収納に移す習慣をつけると、色あせのリスクを大きく下げられます。
参考:衣類の日焼けメカニズムと対策については、クリーニング専門サイトが詳しく解説しています。
衣類の日焼けにご用心!収納時に気を付けたいこと | S-CLEANING
オープン棚の最大の弱点は、ほこりがつきやすいことです。扉がない分、室内の空気中に浮遊するほこりが服に直接落ちます。特に乾燥する秋〜冬は静電気でほこりが服に吸着しやすく、お気に入りのニットやウールのジャケットを棚に飾っていると、1〜2週間でうっすらほこりがかぶります。
ほこり対策として有効なのは、週1回のハンディモップがけです。棚板・服・収納グッズをまとめてひと拭きするだけで十分で、2〜3分もあれば完了します。ポイントは「専用のハンディモップを棚の近くに置いておく」こと。取りに行く手間をなくすだけで、継続のハードルが大きく下がります。
これは使えそうです。
さらに一歩進んだ対策として、空気清浄機の配置があります。オープン棚の近くに空気清浄機を置くと、空気中のほこりが棚に到達する前にフィルターで吸着されます。花粉の季節は特に効果が高く、窓を開けられない時期でも室内のほこり量を抑えられます。
頻繁に着る服ほどほこりの影響は少なくなります。着用と洗濯のサイクルが自然なメンテナンスになるためです。反対に、「見せてはいるが実はほとんど着ていない」服は、着用頻度が低いぶんほこりが積もりやすいので注意が必要です。月に一度は棚の服全体を見直し、ほとんど着ていないものは隠す収納に移すか、思い切って手放す判断をするのも、見せる収納を美しく保つ重要な管理術です。
参考:オープンクローゼットのほこり・日焼け対策の詳細はこちら。
オープンクローゼットはデメリットだらけ?メリットや後悔しないコツ | HOME4U
多くの収納記事では触れられていませんが、見せる収納を長期間おしゃれに維持できる人の多くは「季節ローテーションシステム」を持っています。年間を通じて同じ服を棚に出しっぱなしにしていると、使用頻度が低い服が場所を占領し、棚全体が停滞した印象になります。また、日焼けやほこりのリスクも積み重なります。
具体的には、棚に出す服を「3ヶ月ごとに入れ替える」ルールです。春夏用・秋冬用・その他(冠婚葬祭・スポーツ等)で服を3グループに分け、現在のシーズンのグループだけを棚に出します。オフシーズンのグループは、蓋つきの布製ケースや圧縮袋に入れてクローゼット上段に収納します。この仕組みを作ると、棚に出ている服は常に「今着る服だけ」になるため、毎朝の服選びも格段に速くなります。
季節の変わり目の入れ替え時が、服の整理のタイミングにもなります。前シーズンの服をケースから出したとき「去年一度も着なかった」と気づいた服は、その場で手放す判断がしやすくなります。服の総量が適切に保たれると、棚に余白が生まれ、見せる収納の完成度がさらに上がります。
棚の奥行きを活用した「前後2列管理」も、独自の視点として取り入れる価値があります。奥行きが30cm以上ある棚であれば、手前にヘビロテアイテム、奥に出番が少し少ないアイテムを置くことで、棚の面積を倍に活用できます。
結論は「棚は生きた状態で管理する」です。季節ごとに棚の中身を動かし続けることで、服も棚も、いつも新鮮な見せる収納が保てます。

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