

収納に興味がある人なら「どの工具をどこにどう収めるか」は毎日の作業効率を左右する大問題です。ウォーターポンププライヤーは全長160〜200mm前後ある工具の中でも「腰袋の中で場所を取りすぎる」と敬遠されがちですが、電気工事の現場では手放せない万能工具です。正しい使い方と収納のコツを知っておくと、作業効率が一気に上がります。
「ウォーターポンププライヤーは水道工事の工具なので電気工事には不要」と思っていると、試験本番で詰みます。
収納情報
ウォーターポンププライヤーはもともと水道管工事用に開発された工具ですが、現在は電気工事の現場でも欠かせない存在です。通常のペンチとは異なり、ジョイント部分をスライドさせることで口幅を最大5段階に調整できる構造が最大の特徴です。
電気工事での主な使用場面は以下の3つです:
通常のプライヤーやペンチと比べて柄が長く、咥え部が斜め方向についているのがウォーターポンププライヤーの構造上の特徴です。壁面や床面で作業するときに「ちょうど良い角度」で物を挟めるため、狭いアウトレットボックス内での作業性が格段に向上します。つまり角度設計そのものが電気工事向けということです。
咥え部の先端(ストレート部分)は小さなモノを掴むのに向いており、湾曲した部分(クロー部分)は丸い金属管にしっかり食いつかせる用途に使います。1本で2通りの掴み方に対応できるのが、腰袋の収納スペースを節約できる理由でもあります。
電気工事士試験公式解説:ウォーターポンププライヤーの使い方(写真付き)
正しく使えている人が意外に少ない、口幅調整の操作手順はここが基本です。
口幅調整の正しい手順(4ステップ):
柄を閉じたまま無理やりジョイントをずらそうとする人が多いですが、これは構造上できない操作です。まず柄を全開にするのが前提条件です。一般的なウォーターポンププライヤーは5段階の調整が可能で、E-19のネジなし電線管のボックスコネクター用ロックナットの場合、3段目あたりの溝に合わせるとベストなフィット感になります。
口幅が狭すぎると対象物をしっかり掴めず、作業中に滑って怪我の原因になります。これは危険ですね。一方で口幅が広すぎるとテコの力が十分に伝わらず、ロックナットを締め切れないことになります。「ちょうど接触面に力がかかる幅」に調整するのが正解です。
ネジなし電線管をアウトレットボックスに取り付けるとき、プライヤーでナットを締め込む際に空いた手はボックス本体ではなく、必ずボックスコネクターか電線管を押さえてください。ボックス本体を押さえると、コネクターごと空回りして「締まっているようで締まっていない」状態になります。これは現場でよくある失敗パターンです。
アウトレットボックスの内側壁にプライヤーを当てつけながら回すと安定して締め込めます。ボックスの内側に固定ネジが2か所突き出している場合は、そのネジがプライヤーの邪魔になることがあります。そのときは固定ネジを一時的に外すと作業しやすくなります。
第二種電気工事士工具レビュー(プライヤー編):ネジなし電線管の取り付け実践解説
「技能試験では出番がほぼない」と油断すると本番で詰みます。
ウォーターポンププライヤーは第二種電気工事士の技能試験において、必ずしも全問に登場するわけではありません。しかし候補問題No.11(金属管工事)が出題されたときは必須の工具になります。出題確率は1/13(約7.7%)と低めですが、練習なしで本番に臨むのはリスクが大きいです。
技能試験でプライヤーが登場する主なシーン:
止めネジのネジ切り作業は、経験のない人には「ネジを壊してしまった」と感じるかもしれませんが、これが正しい施工手順です。ネジ切りは「しっかり締め付けた証拠」として機能します。ただし、ネジを無理にプライヤーで掴む際に管の端面バリで手を切るリスクがあります。安全グローブを着用して作業するのが原則です。
万一ネジ切りに失敗した場合でも、ネジの首下部分にギザギザが付いているため、そのギザギザ部分をプライヤーで掴んで回せばネジを抜き取ることができます。練習のときに一度体験しておくと、本番で落ち着いて対処できます。技能試験の練習では、部品が比較的安価に入手できるため、ネット通販でアウトレットボックスやボックスコネクターを入手して繰り返し練習するのがおすすめです。
第二種電気工事士 指定工具7点解説(ウォーターポンププライヤーのサイズ選びも詳述)
「プライヤーがあれば何でもできる」は危険な考え方です。
ウォーターポンププライヤーのサイズは全長150mm・200mm・250mmなどが一般的で、電気工事士の技能試験では「全長200mm程度」が標準として推奨されています。狭いアウトレットボックスの中で作業しやすい長さがこのサイズ感です。一方、現場での日常使いには全長160mm前後の小型タイプが腰袋への収まりがよく人気があります。
代表的なメーカーと特徴:
一方で、プライヤーは「汎用工具」であって「専用工具」ではないことを必ず理解しておく必要があります。ナットを締める作業にはスパナが、全ねじボルトを締め込む作業には全ねじレンチが、それぞれの専用工具があります。プライヤーで代用すると咥え部の溝がナットやボルトの山を傷つけるリスクがあります。一度ボルトの山(ねじ山)が潰れると、ナットが通らなくなり部材が使い物にならなくなります。痛いですね。
専用工具を持っている場面では専用工具を優先し、プライヤーは「専用工具がない緊急時」または「専用工具では掴めない形状のもの」に使う、というのが現場のプロが守っている原則です。
MonotaRO:ウォーターポンププライヤーの用途・使い方・活用法(詳細解説)
工具は「取り出しやすい収納」にしなければ、現場での時間ロスが積み重なります。
電気工事士の腰道具一式の総重量は平均2.5〜3.5kgにもなります。体感的には「1Lのペットボトル2〜3本分を常に腰に吊るしている状態」です。ウォーターポンププライヤーはそれ自体が150〜200g前後あるため、腰道具の重量配分を意識した収納が腰への負担軽減に直結します。
収納・保管に役立つアイテム:
腰道具の収納で特に意識したいのが「よく使う工具を利き手側の取り出しやすい位置に配置する」という原則です。ウォーターポンププライヤーは毎日頻繁に使うわけではないため、腰袋の少し奥側や側面のポケットに収めるのが合理的です。それよりも頻度が高いドライバーやペンチを前側や右側の取り出しやすい位置に配置すると、作業全体のリズムが整います。これは使えそうです。
また、現場仕事では工具の「呼び名」が職種や会社によって大きく異なります。ウォーターポンププライヤーには「プライヤー」「アンギラ」「カラス」「わに口」「ポンプラ」「ウォーポン」など6種類以上の呼び名が存在します。別会社の職人さんとやり取りする際は相手に伝わる言葉を選ぶのが基本です。「アンギラ取って」と言っても通じないケースがあるため、初対面の現場では「ウォーターポンププライヤー」とフルで言うのが無難です。
ベストツール:ウォーターポンププライヤーケースS-614(専用収納ホルダーの詳細)

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