

お気に入りのニットを毎日ハンガーに吊るして収納すると、1シーズンで首元が2cm以上伸びて着られなくなります。
「ハンガーにかけておけば手軽だし、毎日着るから問題ないはず」と思っている方は多いはずです。実は、この考え方がオンシーズンに一番多いニットのダメージ原因になっています。
ニットは編み目でできているため、伸縮性が非常に高い素材です。普通のハンガーにそのまま吊るすと、ニット自体の重さ(厚手のウールセーターで約500g〜800g、文庫本1〜2冊分の重量)が肩の一点に集中し続け、繊維が引き延ばされていきます。特に袖が垂れた状態でかけると、首回りまで一緒に引っ張られるため、着用したとき首元がダルンと広がってしまいます。これが、しまったはずのニットを次に出したら「伸びていた」と感じる正体です。
ただし、すべてのハンガー収納がNGというわけではありません。基本ルールは以下のとおりです。
| ニットの種類 | ハンガー収納 | 理由 |
|---|---|---|
| 薄手・軽めのニット | ✅ 条件付きでOK | 重さが少なく、伸びにくい |
| 厚手・重めのニット | ❌ 基本NG | 重力で首元・袖が伸びやすい |
| カシミヤ・ウール素材 | ❌ 厳禁 | デリケートで変形が戻りにくい |
つまり、ニットはたたむ収納が原則です。
どうしてもオンシーズン中にハンガーを使いたい場合は、正しいかけ方を守ることが条件になります。代表的な方法が「V字かけ」です。ニットを左右の袖が重なるよう半分に折り、V字型に回転させてから脇の部分にハンガーのフックが来るよう配置し、袖と身頃をハンガーに均等に乗せます。こうすると重さがフック1点に集中せず、生地全体で分散されるため伸びにくくなります。
ハンガーを使う場合は、肩部分がなだらかなアーチ状(ラウンド型)で、かつベロア素材や滑り止めコーティング付きのものを選ぶと、ずり落ちと型崩れを両方防げます。ハンガー選びが大事ですね。
参考:ニットのハンガーかけ方の正解についての詳しい解説はこちら
ニットやセーターの収納保管方法は?オンシーズン・オフシーズン別に解説 – キーピット
オンシーズン中のニット収納の正解は「たたんで、立てて、詰め込まない」の3セットです。それぞれ省いてしまうと、シワ・型崩れ・毛玉のどれかが必ず起きます。
まず「たたみ方」についてです。最もシワがつきにくいたたみ方の手順は次のとおりです。
薄手のニットにはシワ対策として、折り返す間に同系色のタオルを1枚挟む方法が有効です。タオルがクッション代わりになり、折り目のシワを防いでくれます。同系色を選ぶのは、タオルの繊維がついても目立ちにくくするためです。これは使えそうです。
次に「立て収納」についてです。たたんだニットを引き出しに横に積み重ねてしまっていませんか?これが意外と見落とされがちな落とし穴です。積み重ねると、下のニットにどんどん重さがかかり、シワと型崩れが起きます。しかも下から取り出すたびに全部崩れるため、ほかのニットとの摩擦が発生し、毛玉ができやすくなります。
立て収納にするだけで、一覧性が上がり(引き出しを開けた瞬間に全色が見える)、取り出しも1アクションで済み、摩擦も大幅に減ります。文庫本を本棚に立てて並べるイメージで、ニットを縦に立ててスタンバイさせる収納が理想です。
詰め込みすぎも厳禁です。引き出しの中が隙間なくパンパンな状態だと、出し入れのたびに生地が擦れ合い、毛玉が増えます。目安として引き出しの8割程度の量におさえることが条件です。
参考:ニットを長持ちさせる収納のコツ(ディノス公式)
ニット・セーターの収納方法!たたみ方・吊るし方・保管のコツ – ディノス
ニットを着た日の夜、そのままクローゼットや引き出しに直行させていませんか?実はこの習慣が、カビ・ニオイ・毛玉を同時に引き起こす原因になっています。
人は1日に約500mlの汗をかくとされており、目に見える汗をかいていなくても、ニットは見えない湿気を繊維の奥までたっぷり吸収しています。そのまま密閉した引き出しにしまうと、湿気がこもり、カビや嫌なニオイの原因に直結します。湿度60%以上でカビは繁殖しやすくなるため、クローゼット内の環境管理も重要です。
着用後のニットはまず「平干し」で湿気を抜くのが基本です。平干しとは、水平に寝かせて干す方法のこと。ハンガーにかけると重力で伸びてしまうため、平干しネット(100円ショップで購入可)の上にニットを広げ、風通しのよい日陰に1〜2時間置くだけで十分です。
次に「ブラッシング」を行います。着用後のニットを天然毛ブラシ(馬毛・豚毛タイプが理想)で軽くなでると、繊維の表面についたほこりが除去されると同時に、絡まりかけた繊維がほぐれます。これが毛玉の発生を大きく抑える予防ケアです。
また、1回着たニットは最低でも2〜3日休ませることが重要です。毎日着ると着用時の摩擦によって繊維が毛羽立ち、毛玉が一気に増えます。特にバッグとの接触が多い脇や袖の内側は摩擦が集中しやすい部位です。お気に入りのニットほど意識して着用間隔を空けると、見た目の寿命が2〜3倍に伸びます。
参考:ニットのお手入れと正しい保管方法(ユニクロ公式)
洋服のお手入れ方法や工夫(ニット)– UNIQLO
「たたみ収納」が原則のニットですが、クローゼットのスペースや生活スタイルによっては、吊り下げ収納(クローゼット用吊り下げラック)が有効なケースもあります。これはほとんどの記事が触れていない、少し踏み込んだ視点です。
吊り下げラックとは、ハンガーパイプに引っかけて使う多段式のポケット付きラックのことで、たたんだニットをポケットに縦向きに差し込んで保管できます。この方法のメリットは3つあります。ひとつ目はニット同士が「重なる」構造ではなく「並ぶ」構造になるため摩擦が最小限になること、ふたつ目は引き出しのように奥が深くなく、一覧でニットを確認できること、みっつ目は着用する頻度の高いオンシーズン中に取り出し・収納が1アクションで済むことです。
ただし、1段に詰め込みすぎるのは禁物です。1段あたり2枚までを目安にしましょう。隣のニットと密接に接触すると、毛玉の原因になります。
引き出し収納が向いている人と、吊り下げラック収納が向いている人の違いは以下のとおりです。
| 収納スタイル | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 引き出し立て収納 | ニットの枚数が多い・タンスがある | 詰め込みすぎに注意(8割まで) |
| 吊り下げラック収納 | クローゼットメインでタンスがない | 1段2枚まで、重ねすぎない |
| たたんで棚置き収納 | 枚数が少ない・カシミヤなど高級ニット | 間に和紙や不織布を挟むとなお良し |
どの方法でも共通するのは「重ねない・詰めすぎない」です。これが大原則です。
ニットを棚置き収納にする場合は、衣類同士の間に不織布や和紙を1枚挟む方法がおすすめです。摩擦を物理的にゼロに近づけられるうえ、不織布は通気性があるため湿気もこもりにくくなります。ニット専用の収納バッグ(無印良品やニトリでも展開)を使うのも、形を保ちながら複数枚をスッキリまとめられる便利な選択肢です。
収納方法ばかりに目が向きがちですが、実はニットを保管する「場所の環境」がとても重要です。いくら正しい収納をしていても、クローゼット内が高温多湿であれば、カビ・虫食い・嫌なニオイのリスクは消えません。
クローゼット内の理想環境は「温度20〜25℃、湿度50〜60%未満」です。特に日本の秋冬は暖房の影響でクローゼット内の温度が上がりやすく、脱いだばかりのニットを入れると一時的に湿度が急上昇します。これが繰り返されることで、徐々にカビのリスクが高まります。
まずクローゼット内の「除湿」が最初の対策です。引き出し型除湿剤(「水とりぞうさん」など)をクローゼット内に1〜2個置くだけで、湿度の急上昇を抑えられます。除湿剤は水がいっぱいになったら交換するサインです。交換を忘れると逆に湿気の温床になるため注意が必要です。
次に「換気」です。クローゼットの扉を週に1〜2回、15〜30分程度開けて空気を循環させるだけで、こもりがちな湿気と雑菌の増殖を大きく抑えられます。掃除機で床のホコリも吸い取ると、虫のエサとなる有機物が減り、虫食いリスクも下がります。
また、オンシーズン中でもウール・カシミヤ素材のニットには防虫剤を一緒に保管することをおすすめします。ウールやカシミヤはウール蛾やヒメマルカツオブシムシなどの虫にとって非常に魅力的なエサです。気温が15〜25℃の時期(ちょうど秋冬シーズンと重なる)に活動が活発になるため、シーズン中だからといって油断は禁物です。
ホコリを最小化するもう一つの方法として、クローゼット内でニットを保管する際に「不織布製の収納ケース」を使うことも有効です。布製のケースは通気性がありながらホコリを通しにくく、ニットの長期保管にも適しています。プラスチック製の密閉ケースは湿気がこもりやすいため、オンシーズン中の毎日出し入れする収納としては不向きです。
参考:クローゼットの除湿と環境管理の方法(東急ハンズ)
クローゼットの除湿方法を伝授!シートや置き型など – ハンズ

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