マルチクローゼットとウォークインクローゼットの違いと収納術

マルチクローゼットとウォークインクローゼットの違いと収納術

マルチクローゼットとウォークインクローゼットの違いと正しい選び方

3畳のウォークインクローゼットは、1.5畳のクローゼットと収納できる量がほぼ同じです。


📦 この記事でわかること
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マルチクローゼットとWICの本質的な違い

「人が入れるかどうか」だけでなく、収納効率・間取りへの影響・使い勝手まで、構造から徹底比較します。

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同じ面積でどちらが多く入るか

3畳のウォークインクローゼットと1.5畳のクローゼットの収納量がほぼ同等という驚きの事実を解説します。

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自分の暮らしに合った収納の選び方

家族構成・荷物の量・間取りのタイプ別に、どちらを選ぶと後悔しないかを具体的に紹介します。


マルチクローゼットとは何か?ウォークインクローゼットとの構造的な違い


「マルチクローゼット」という言葉は、建築・インテリア業界では「複数の用途に対応できる壁面型クローゼット」を指して使われることが多い言葉です。衣類の収納をメインとしながら、バッグ・書類・PC周辺機器の充電スペースまでを一体化した多機能タイプのクローゼットを「マルチクローゼット」と呼ぶケースがあります。一般的な壁面クローゼット(CL)の進化版と理解するとわかりやすいでしょう。


ウォークインクローゼット(WIC)はその名の通り、「ウォークイン=人が中に歩いて入れる」構造の収納空間です。間取り図では「WIC」と表記され、1.5畳〜4畳程度の小部屋として設計されます。壁面にハンガーパイプや棚を配置し、中央の通路を使って物の出し入れをするスタイルが基本です。


両者の最大の違いは「人が中に入るかどうか」です。これが収納効率・必要面積・使い勝手のすべてに影響してきます。マルチクローゼットは人が中に入るスペースが不要なぶん、壁面の面積をほぼ100%収納として活用できます。対してウォークインクローゼットは通路スペースを確保しなければならないため、全床面積のうち収納に使えるのは外周部分のみです。


つまり「大きいから収納力が高い」とは限りません。




| 項目 | マルチクローゼット(壁面型) | ウォークインクローゼット |
|------|------|------|
| 間取り図表記 | CL(クローゼット) | WIC |
| 人が入れるか | ❌ 入れない | ✅ 入れる |
| 必要な最低面積 | 0.5〜1.5畳 | 1.5〜2畳以上 |
| 収納効率(面積対比) | ⭐⭐⭐⭐⭐ 高い | ⭐⭐⭐ 通路分が減る |
| 向いている荷物 | 衣類・小物・書類など | 衣類+大型荷物・スーツケース |
| 着替えスペース | ❌ なし | ✅ 確保可能 |


マルチクローゼットの収納効率が高い理由と活用できる間取りの条件

マルチクローゼットが「収納を極めたい人」に注目される理由は、面積あたりの収納量の多さにあります。壁面型クローゼットは人が入るスペースを必要としないため、間口幅いっぱいに棚・ハンガーパイプ・引き出しを配置できます。奥行き45〜60cm程度のコンパクトな設計でありながら、衣類はもちろん、上段には季節外の収納ボックスを置き、下段にはキャスター付きの引き出しボックスを並べるという縦の空間活用も得意です。


収納の専門家が提唱する「350mmの法則」という考え方があります。これは奥行き35cmを基準として、棚の奥行きを揃えることで無駄なスペースを生まず、取り出しやすい収納を実現するというものです。マルチクローゼットはこの法則を実践しやすい構造になっています。


これは使えそうです。


また、寝室にマルチクローゼットを設置する場合、ベッドを壁際に寄せて配置しても折れ戸や引き戸なら開閉を妨げにくい点も実用的なメリットです。東京都内の新築マンションでの施工事例では、幅2,415mm・高さ2,510mmのマルチクローゼットに、フラット扉(横スライド式)を採用したケースがあります。この仕様では扉の前後スペースが不要なため、奥行き400mmでも最大限の収納量を確保できています。


マルチクローゼットが特に向いているのは以下のような間取り条件です。


  • 🛏️ 寝室が8〜10畳程度で、居室スペースを広く確保したい場合:ウォークインクローゼットにすると居室面積を2〜3畳損するが、マルチクローゼットなら損失を最小限に抑えられる。
  • 👤 1〜2人暮らしで荷物の量がそれほど多くない場合:幅180cm程度のマルチクローゼットで、成人1人分の衣類(約27〜45着)を余裕を持って収納できる。
  • 🏢 マンションなど専有面積に制限がある住戸:収納率8%以上が理想とされるマンションで、面積効率の高いマルチクローゼットは特に有効な選択肢となる。




LIXILが提供するクローゼット収納術など、空間を縦分割して活用するプロの知見も参考になります。


LIXILのプロが教えるクローゼット収納術(デッドスペース解消・350mmの法則)


ウォークインクローゼットが本当に必要になる条件と収納量の目安

ウォークインクローゼットが有利に働くのは、荷物の種類と量がある一定以上のラインを超えたときです。衣類・バッグ・靴・帽子・アクセサリーといったファッションアイテムをすべてまとめて管理したい場合、スーツケース・ゴルフバッグ・スキー用品といった大型用品もまとめて収納したい場合は、ウォークインクローゼットが圧倒的に向いています。これらはマルチクローゼットの奥行き45〜60cmには収まらないものが多いからです。


ウォークインクローゼットの広さの目安は、家族1人あたり約1畳とされています。夫婦2人なら2畳〜3畳、子どもが2人いる4人家族なら3畳〜4畳が目安です(通路幅は最低60cm、着替えも行うなら80cm以上の確保が理想)。


収納量だけで比べると、クローゼットの面積が約1.5畳・ウォークインクローゼットの面積が約3.0畳のケースで、収納可能な面積がほぼ同じという試算があります。これはウォークインクローゼットの通路スペースが、そのまま「収納に使えない面積」になるためです。つまり収納量だけが目的なら、ウォークインクローゼットが必ず有利とは言えません。


ウォークインクローゼットならではの価値は「中で着替えができること」「大きな荷物を一元管理できること」「衣替えが不要になること」にあります。これらのメリットを活かせる生活スタイルかどうかが、選ぶ基準になります。


収納量だけなら壁面クローゼットで十分なケースが多いです。




また、ウォークインクローゼットにはウォークインとウォークスルーという2つのタイプがあります。ウォークスルークローゼットは出入り口が2か所あり、部屋同士をつなぐ動線にもなる設計です。洗面所〜寝室のような生活動線上に設置することで、洗濯後の収納がワンアクションで完了する動線設計が可能になります。


  • 🚪 ウォークインクローゼット(WIC):出入り口1か所。小部屋型の収納として独立している。通路幅60cm〜確保。
  • 🔄 ウォークスルークローゼット(WTC):出入り口2か所。部屋をつなぐ動線を兼ねる。収納量はWICよりやや少なくなるが、生活動線が短縮できる。


ウォークインクローゼットの盲点:湿気・カビ・収納の乱れによる出費リスク

ウォークインクローゼットを採用した人の後悔事例として最も多いのが、湿気とカビによる問題です。窓がないケースが多く、空気がこもりやすい構造のため、特に北側に配置した場合は結露が発生しやすくなります。衣類にカビが発生すると、クリーニング費用だけでなく、場合によっては衣類そのものを廃棄することになり、1点あたり数千円〜数万円の損害が発生します。


対策は必須です。


具体的な対策として有効なのは次の3点です。まず「換気扇の設置(年間約1,000〜2,000円の電気代)」、次に「除湿剤の設置(スリム型で月200〜500円程度)」、そして「調湿建材(珪藻土・桐材など)を内装に使用する」ことです。換気扇のない密閉型ウォークインクローゼットを北側に設置した場合、湿度が70%を超える日が続くと、衣類へのカビ発生リスクが急上昇します。


またウォークインクローゼットのもう一つの落とし穴が「収納の乱れ」です。広い空間はしまえるものが多い反面、定位置を決めずに収納していると、あっという間に物があふれて使い物にならなくなります。収納専門家の間では「広さに油断してモノが増えるウォークインクローゼット問題」と呼ばれており、広さに比例して所持品が増えてしまう認知バイアスに注意が必要です。




湿気やカビのリスクが心配な場合、収納空間の湿度を自動管理してくれる除湿機や、珪藻土クロスの採用が有効です。住宅設計段階であれば、LDK・洗面室に近い生活動線上への配置を検討することで換気問題を軽減できます。


カビ発生後の対応は費用がかかるため、設計段階での対策が重要です。カビ対策に関する実態情報は以下で確認できます。


ウォークインクローゼットのカビ臭の原因と今すぐできる対策法(カビ改革ブログ)


マルチクローゼットをウォークインクローゼット代わりに使う!独自視点の収納最大化レイアウト術

多くのブログや住宅情報サイトでは「ウォークインクローゼットか壁面クローゼットか」という二択で語られがちです。しかし実は、マルチクローゼットを複数組み合わせることで「ウォークインクローゼット以上の収納量」を確保できることは、あまり知られていません。


たとえば寝室の2面の壁にそれぞれ幅180cmのマルチクローゼットを設置すると、総収納間口は360cmになります。3畳のウォークインクローゼット(通路スペース込み)と比較したとき、収納面積は同等か、むしろ広くなるケースがあります。しかも居室内に収まるため、ウォークインクローゼット用に別途2〜3畳の面積を確保する必要がありません。


つまり「部屋の2壁をクローゼット化する」という設計思想です。


この方法は特に以下のケースで有効です。


  • 🏠 新築・リノベーションで間取りの自由度が高い場合:壁面全体を収納設計にすることで収納率を一気に上げられる。
  • 💡 既存の部屋に後付けで収納を増やしたい場合:市販のシステム収納(ニトリの「クロゼット」シリーズや無印良品の「スタッキングシェルフ」等)を壁面に沿って並べることで同様の効果を得られる。
  • 👔 衣類の量が多く、カテゴリー別に分けて管理したい場合:「トップス専用」「ボトムス専用」「アウター専用」と棚を機能別に分けることで、ウォークインクローゼットより取り出しやすい環境を作れる。




また、マルチクローゼットを「見せる収納」として扉なしで設計するスタイルも近年注目されています。Instagram・PinterestなどでもNO DOOR CLOSETと呼ばれるスタイルが広まっており、収納を見せることでコーディネートがしやすくなるメリットがあります。ただし埃がたまりやすくなるため、空気清浄機の活用や定期的な棚拭きのルーティン設定が必要です。


収納を「見せる」か「隠す」かも、選び方の重要な判断基準になります。


マルチクローゼットとウォークインクローゼットの選び方まとめ:収納を極める判断基準

どちらを選ぶかは「収納したいものの種類と量」「住宅の面積的制約」「生活動線」の3つで判断するのが基本です。


収納したいものがメインで衣類・小物程度であれば、面積効率の高いマルチクローゼットが有利です。理想的な収納率は戸建てで延床面積の10〜15%、マンションで8%以上とされています。専有面積75㎡のマンションなら最低でも6㎡(約3畳)の収納スペースが目安ですが、これをウォークインクローゼット1か所で賄おうとすると居室スペースが圧迫されます。マルチクローゼットを各部屋に分散配置することで、収納率を確保しながら居室の広さも守れます。


一方、スーツケース・ゴルフバッグ・子供のおもちゃなど嵩張るものをひとまとめに管理したい場合や、家族全員の衣類を一か所に集約したい(ファミリークローゼットとして使いたい)場合は、ウォークインクローゼットが圧倒的に便利です。洗面室や脱衣所に隣接した間取りにすると、「洗濯→収納」の動線が一直線になり、毎日の家事時間を大幅に短縮できます。


結論は「目的別に使い分ける」です。




こんな人には おすすめの収納タイプ
🧥 衣類だけをコンパクトに収納したい マルチクローゼット(壁面型)
👨‍👩‍👧‍👦 家族全員の荷物を一か所にまとめたい ウォークインクローゼット(WIC)
🏠 居室の広さを最大限確保したい マルチクローゼット(壁面型)
🧳 スーツケースや大型荷物が多い ウォークインクローゼット(WIC)
🔄 洗濯動線を短くしたい ウォークスルークローゼット(WTC)
💰 コスト・スペースを抑えたい マルチクローゼット(壁面型)




間取り計画の段階で迷った場合、SUUMOカウンターのような無料相談窓口に収納プランを相談すると、専門家から具体的なアドバイスを得られます。新築・リノベーションの場合は設計士に「収納率を10〜15%確保したい」と明示して相談することで、後悔のない収納設計につながります。


収納に関する正確な数値や間取り事例の参考として、以下のサイトも活用してください。


LIFULL HOME'S:クローゼットとウォークインクローゼットの違いとメリット・デメリット比較




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