ウォークスルークローゼットの間取りで動線と収納を両立する全知識
通気性が高いウォークスルークローゼットに防虫剤を置いても、密閉空間と比べて効果が最大7割以上薄れることがあります。
📌 この記事のポイント3つ
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4タイプの間取りを理解する
I型・Ⅱ型・L型・U型、それぞれの収納力と必要スペースの違いを把握して、自分の家に合ったタイプを選ぶのが成功の第一歩です。
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動線ありきで配置場所を決める
玄関→寝室、ランドリー→クローゼットなど、実際の生活の流れに沿った位置に置かないと、せっかくの通り抜け機能がまったく活きません。
⚠️
通路幅と収納量のバランスが命
通路幅は最低60cm、着替えもするなら80〜90cm必要です。広さを確保しすぎると収納が減り、狭くすると使えなくなる。この数字を起点に設計を考えましょう。
ウォークスルークローゼットの間取り4タイプと特徴を比較する
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ウォークスルークローゼットには、大きく分けて「I型」「Ⅱ型」「L型」「U型」の4タイプがあります。見た目は似ていても、収納量・必要スペース・使い勝手がそれぞれ大きく異なるため、タイプ選びを間違えると「広さのわりに物が入らない」という後悔につながります。
I型は、通路の片側だけに棚やハンガーパイプを配置するシンプルなレイアウトです。必要な幅は最小1.2m(収納60cm+通路60cm)で、廊下を少し広げて収納を兼用するイメージに近く、コンパクトな間取りでも取り入れやすいのが特徴です。ただし片側しか収納がないため、収納量は控えめになります。
Ⅱ型は、通路の左右両側に収納を設けるタイプです。必要幅は1.8m以上(収納60cm+通路60cm+収納60cm)となり、ちょうどキッチンと通路の関係に似た構造です。収納量がI型の約2倍になる反面、床面積も必要になります。見た目もアパレルショップのような雰囲気に仕上げやすく、人気の高いレイアウトです。
L型は、L字型に折れ曲がった通路に沿って収納を2面設けるタイプです。住宅の角スペースやデッドスペースになりがちな場所を活用しやすく、家族ごとに収納エリアを分けたい場合にも向いています。U型はさらに進化して3面収納を実現したタイプで、大容量化できますが設計の難易度は高めです。
以下に各タイプの概要を整理します。
タイプ |
最低必要幅 |
収納面数 |
向いている世帯・用途 |
I型 |
1.2m〜 |
1面 |
1〜2人・省スペース重視 |
Ⅱ型 |
1.8m〜 |
2面(両側) |
夫婦・ファミリー共用 |
L型 |
角スペース活用 |
2面(L字) |
分類収納・コーナー活用 |
U型 |
広め(要設計) |
3面 |
大家族・大容量重視 |
つまり、家族の人数と設置可能なスペースの2つを先に決めてからタイプを選ぶのが基本です。「おしゃれだからⅡ型にしたい」という考え方は、床面積とのバランスが崩れる原因になるため注意が必要です。
参考:ウォークスルークローゼットの幅・配置タイプ別の詳しい解説はこちらで確認できます。
リノベる。JOURNAL「ウォークスルークローゼットとは?機能的な間取りの事例を紹介」
ウォークスルークローゼットの間取りで「動線」が最優先な理由
ウォークスルークローゼットの最大の魅力は「通り抜けができる」という点ですが、その恩恵を受けられるかどうかは、設置場所と動線の組み合わせ次第です。いくら内部の棚が充実していても、日々の生活の流れと無関係な場所に置いてしまうと、ただの広いクローゼットになり下がります。これは使い勝手の悪さにつながるだけでなく、「無駄な床面積を取った」という後悔に直結します。
特に人気の高い配置パターンは以下の3つです。
- 🚪 玄関〜寝室(またはLDK)の間:帰宅後に上着や鞄をすぐしまえる。外出前の身支度も短い動線でこなせる。
- 🧺 ランドリールーム〜寝室の間:「洗濯→乾燥→収納」の動線が一直線になり、家事時間が大幅に短縮できる。
- 🛁 洗面・脱衣室〜寝室の間:入浴後の着替えがスムーズになる。朝のルーティンを最短距離でこなせる。
これが使えそうですね。注文住宅の設計事例でも、「洗濯動線を一直線にするためにランドリールームの隣にウォークスルークローゼットを配置した」という間取りが多く見られます。実際に『replan』のリポートでは、脱衣室→ウォークスルーのファミリークローゼット→ランドリールームと一直線に並ぶ動線を実現したケースが紹介されており、収納と家事の両方の効率が飛躍的に改善されたとの声が上がっています。
逆に失敗しやすいのは、「なんとなくおしゃれだから」という理由で、動線とは無関係な場所にウォークスルークローゼットを作るケースです。例えば、出入り口の一方が使わない部屋につながっていたり、クローゼットを通る必然性がない間取りになっていたりすると、日常的に通り抜けない「意味のない通路」になってしまいます。
動線が原則です。まず「誰が・いつ・どのルートで通り抜けるか」を先に決めてから配置を考えましょう。
参考:実際の間取り実例付きで動線設計を解説しています。
クレバリーホーム「ウォークスルークローゼットの間取り実例|失敗や後悔を防ぐポイントも解説」
ウォークスルークローゼットの間取りで必要な広さと通路幅の正解
収納を極めたい人ほど陥りがちな罠が、「広さ=収納量」という思い込みです。ウォークスルークローゼットは通路スペースを必ず確保しなければならないため、同じ面積の
ウォークインクローゼットと比べると、純粋な収納量は少なくなります。この特性を理解せずに設計すると「思ったより物が入らなかった」という後悔が生まれます。
通路幅の目安は以下のとおりです。
- 🔹 最低60cm:人が通り抜けるだけなら確保できる最低ライン。ただし窮屈に感じることも多い。
- 🔹 80cm以上:引き出しを引き出したり、両腕を広げて服を選んだりする動作が快適にできる。
- 🔹 90〜100cm:着替えも余裕でできる。2人が同時に使う場合はこの幅が理想的。
I型レイアウトなら幅1.2m以上、Ⅱ型(両側収納)なら1.8m以上が設計の基準です。ちなみに1.8mはちょうど大人が両腕を広げたくらいの長さに相当します。この数字は実際の生活感覚でイメージしやすいので、覚えておくと役立ちます。
広さについては、一般的に「2畳以上」が最低ラインとされています。2畳(約3.3㎡)はおよそ一般的な浴室1畳分の約2倍の広さです。夫婦2人分の衣類を収納したいなら3畳前後を確保できると余裕が生まれます。ただしウォークスルータイプは通路が占める割合が多いため、同じ3畳でもウォークインより収納量が1〜2割程度少なくなることを念頭に置いておく必要があります。
また、引き出し付きの衣装ケースを使う場合は注意が必要です。引き出しを手前に全開にするには、通路側に約60cm以上の余白が必要になります。ただ通れるだけの幅しか確保していないと、引き出しが開けられないという問題が起きます。これは見落としがちなポイントです。
収納量が条件です。「何着収納したいか」を先に計算し、そこから逆算して必要な面積を決めるのが正しい順序です。
ウォークスルークローゼットの間取りで見落とされる「衣類ケア」の問題
ここは検索上位の記事には詳しく書かれていない独自視点です。ウォークスルークローゼットを採用する際、収納力や動線ばかりに目が向きがちですが、実は「衣類をどう守るか」という観点が非常に重要です。
ウォークスルークローゼットは出入り口が2か所あるため通気性が高いのが魅力ですが、この「通気性の高さ」が防虫剤の効果を大きく薄めます。防虫剤は密閉空間で揮発成分が充満することで初めて効果を発揮します。オープンな空間や出入り口が多い環境では、成分が外部に拡散してしまうため、ウールやシルクなどの動物性繊維の衣類が虫食いのリスクにさらされやすくなります。
これは痛いですね。高価なニットやコートを収納している場合、知らずに防虫剤を置いておくだけでは十分に守れていないかもしれません。
対策としては次の方法が有効です。
- 🧥 ウールやシルクなどの天然素材の衣類は、密閉できるケースに入れてから収納し、その中に防虫剤を入れる。
- 🌬️ ドアなしの場合は特に対策が重要。
引き出し式の衣装ケースを活用してセクションを密閉する。
- 💧 クローゼット内の理想湿度は50〜60%。これを超えるとカビのリスクが高まるため、除湿剤も併用する。
ドアの有無と防虫対策はセットで考えるのが原則です。「ドアなしにしてスムーズに通り抜けたい」という場合は、衣類ケアの手間も増えると事前に理解しておきましょう。
また、人が頻繁に通ることでホコリも舞いやすい環境になります。ホコリはダニの温床にもなるため、定期的な掃除を前提とした収納計画が必要です。シーズンオフの衣類にはカバーをかけておくと、余計な手間が減ります。
ホコリ・虫・湿気の3つに注意すれば大丈夫です。この3点を意識した収納ルールを最初に作っておくことが、長く快適に使えるウォークスルークローゼットの条件と言えます。
ウォークスルークローゼットのリフォーム費用と間取り変更の注意点
新築でウォークスルークローゼットを検討している方だけでなく、今の住まいにリフォームで追加したいという方も増えています。費用感を正確に把握しておかないと、予算オーバーで計画が頓挫するリスクがあります。
リフォームでウォークスルークローゼットを新設する場合の費用相場は、
20万〜50万円程度が一般的です。内訳の目安はこうなります。
- 📦 既存スペースを活用する場合(間仕切り変更のみ):20〜30万円前後
- 🔨 新たに部屋を確保・間取り変更が必要な場合:40〜50万円以上
- 🚪 通路両面に可動棚を設置する場合:材料費だけで40万円前後になることも
扉を設置しないオープンタイプにするとコストを抑えられますが、前述の衣類ケアの問題が増えます。コストとメンテナンスのバランスを考えた選択が必要です。
マンションの場合は、構造体(耐力壁)の位置によって設置できる場所が制限されることがあります。「ここに通路を作りたい」と思っても、壁を抜けない構造になっているケースがあるため、必ずリノベーション専門会社に構造チェックを依頼する必要があります。費用が発生しますが、後から「できませんでした」となるよりはるかにリスクが小さいです。
費用の見積もりは複数社比較が条件です。工事内容が似ていても業者によって20万円以上の差が出ることがあるため、最低2〜3社から見積もりを取ることをおすすめします。リフォームの一括見積もりサービス(例:ホームプロ、リショップナビなど)を活用すると、手間なく比較できます。
参考:リフォーム費用と施工事例の詳細はこちらで確認できます。
ゼロリノベ「リノベーションでウォークスルークローゼットを作る4つのメリット」
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