

アイロン台を「隠して収納する」ほど、実際のアイロンがけ回数が週1回以上減るというデータがあります。
アイロン台の収納場所を決めるとき、多くの人は「見えない場所」や「スペースが余っている場所」を基準にしがちです。しかし、収納のプロが口を揃えて言うのは「使う場所の近くに収納する」という原則です。
これが基本です。
アイロン台は、取り出して広げて使い、使い終わったら畳んで収納するという一連の動作を伴います。この動作の往復距離が長ければ長いほど、無意識にアイロンがけを後回しにする行動につながります。整理収納コンサルタントの本多さおりさんも、「収納は動線が9割」と語っており、アイロン道具は「使う場所から2歩以内が理想」とされています。
場所を決める際に意識すべき3つの基準があります。
- 🏠 「使用場所との距離」 :リビングでアイロンがけをするなら、リビング内か隣接するクローゼットが最適です。洗面所で使うなら洗濯機上の棚や扉裏が候補になります。
- 🚪 「取り出しのしやすさ」 :引き戸や棚の奥深い場所は避けましょう。アイロン台のサイズ(一般的な折りたたみ時:横約110cm×縦約33cm)は意外と大きく、手前に引き出すだけで取れる構造が理想です。
- 👁️ 「視界に入るかどうか」 :「視界に入ると出しっぱなしに見える」と気にする方も多いですが、実際には視界に入ることで「やろうか」という気持ちが生まれます。生活感が気になる場合は、後述する「見せる収納」に切り替えると解決します。
つまり「隠せる場所」ではなく「すぐに手が届く場所」が正解です。
この3つの基準を頭に入れながら、自宅のどこが最適かを見直してみましょう。1〜2メートルの動線短縮でも、毎週のアイロン作業の心理的ハードルがぐっと下がります。
参考:家事動線とアイロン収納の考え方について詳しく解説されています。
時短家事コーディネーター|アイロンがけと収納・家事動線の実例
壁掛け収納は、アイロン台収納のアイデアの中でもっとも「空間効率が高い」方法のひとつです。床面積を一切使わずに収納できるため、狭い部屋やクローゼット内でも有効です。
これは使えそうです。
壁掛け収納を実現する方法は大きく3パターンあります。
- 🪝 フック1個で完結するシンプル方式 :市販の壁用フック(ニトリやセリアなどで200〜500円)を扉裏や壁面に取り付け、アイロン台の脚部分をひっかけるだけです。ニトリのフック付きアイロン台「軽量ペアプレス」(税込1,490円前後)は最初からフックが付いており、クローゼットのパイプにも掛けられるように設計されています。
- 🧲 賃貸向け:穴あけ不要のマグネット・粘着フック :ダイソーの「壁紙用フック」(110円)は特殊接着剤を使い、剥がしても壁紙に跡が残りにくい仕様です。耐荷重は約1〜2kgのものが多いため、軽量タイプのコンパクトアイロン台と組み合わせるのがポイントです。重量が2kg以内に収まるミニアイロン台(幅80cm前後)であれば問題ありません。
- 🔩 DIYで突っ張り棒+フック方式 :クローゼット内の側面や洗面所の扉裏に突っ張り棒を渡し、S字フックでアイロン台を吊るす方法です。突っ張り棒は2本使いにすると安定感が増します。セリアやダイソーの太径突っ張り棒(耐荷重5〜10kg)が適しています。
「壁に穴をあけたくない」という悩みが出てくる場面ですが、前述の粘着フックやかもいフック(扉の枠に引っ掛けるタイプ)を使えば賃貸でも対応できます。かもいフックはダイソーで110円から販売されており、耐荷重5kgほどあれば標準サイズのアイロン台も対応可能です。
壁掛け収納が条件です。つまり「取り出しがワンアクションで済む」という点が最大の強みで、使う気になりやすい収納スタイルといえます。
参考:RoomClipのアイロン台収納実例写真が豊富で、壁掛けアイデアの参考になります。
クローゼットや押し入れをアイロン台の定位置にする方法は、見た目をすっきりさせたい人にとって定番の選択肢です。ただし、「ただしまい込む」だけでは出し入れが面倒になり、アイロンがけの先延ばしを招きます。
この点に注意すれば大丈夫です。
クローゼット内収納を成功させるポイントは「アイロン一式をまとめてセットにする」ことです。アイロン・アイロン台・霧吹き・シワ取りスプレーをひとつのカゴや無印良品のポリプロピレンファイルボックス(幅10〜15cmサイズ)にまとめておくと、使うときはそのカゴごと移動できます。整理収納アドバイザーのインスタグラマー・Rumiさんも、クローゼット内に無印のファイルボックスを並べてアイロン一式を収納する方法を実践・紹介しています。
また、押し入れを活用するなら「キャスター付きワゴンDIY」のアイデアも効果的です。押し入れのサイズに合わせた収納ワゴンにキャスターをつけることで、引き出すだけでアイロンエリアが完成します。ワゴン上にアイロン台をそのままセットできる高さにすれば、座ってアイロンがけをしたい人にも適しています。
クローゼット内でアイロン台を立てかける場合は、転倒防止のために滑り止めシートを底面に敷くひと工夫が必要です。アイロン台は折りたたんだ状態でも幅約110cmほどになるため、丈の短い衣類(ジャケットやシャツ)をかけているゾーンの下の空きスペースを使うとうまく収まります。
一般的なクローゼットの奥行きは約60cmですので、アイロン台の奥行き(約35cm前後)はほとんどの場合スムーズに収まります。これなら問題ありません。
参考:アイロン周辺グッズをまとめてクローゼット収納する実例が掲載されています。
収納を極めたい人ほど「きちんと隠す」ことに執着しがちですが、実は整理収納の専門家たちが近年こぞって推奨しているのが「アイロン台の出しっぱなし収納」です。
意外ですね。
AllAboutの整理収納記事(2004年公開、現在も参照数が多い)では、アイロン台を常に出しておいた結果「全然苦にならなくなった」という体験が紹介されています。毎回しまう手間がなくなることで、1回あたりのアイロンがけにかかる総時間が大幅に短縮されます。「毎週1時間まとめてかける」より「毎日5分こまめにかける」スタイルに切り替えられるのが最大のメリットです。
出しっぱなし収納を成功させるための条件は、以下の2点です。
- 🎨 デザイン性の高いアイロン台を選ぶ :「見せる収納」として機能させるには、アイロン台自体のデザインが重要です。山崎実業(tower)やニトリでは北欧風・スチール脚デザインのおしゃれなアイロン台が税込3,000〜6,000円前後で販売されており、インテリアの一部として機能します。
- 📍 使う場所の近くに「定位置」を決める :洗濯物を畳むリビングの隅や、衣類を収納するクローゼット前など、アイロンがけをする動線上に「ここが定位置」と決めることがポイントです。置き場所が毎回変わると、結局「邪魔な存在」になってしまいます。
出しっぱなし収納が原則です。「アイロンがけをすぐ始められる環境」を整えることで、億劫だった家事が日常の一コマに変わります。家事時間を減らしたいという気持ちで「隠す収納」にこだわっている場合は、一度この方向性も検討してみる価値があります。
参考:出しっぱなし収納が家事ストレスを大きく減らす理由が詳しく書かれています。
AllAbout|アイロン台は出しっぱなしにしたら楽になった
収納に悩んでいる人の多くは「アイロン台をどこにしまうか」を考えます。しかし、そもそもアイロン台を持たないという選択肢があることを知っている人は多くありません。
これは使えそうです。
「アイロン収納マット(アイロン収納バッグ)」は、収納バッグとして使うときは巾着型やトートバッグ型の形状で、広げるとアイロン台代わりのマットになるという1台2役のアイテムです。山崎実業(tower)の「アイロン収納マット」(税込3,000〜4,000円前後)はその代表格で、楽天やAmazonでも高評価を受けています。
このアイテムが特に向いているのは以下のような方です。
- 📦 収納スペースが極端に少ない一人暮らしや狭小住宅に住んでいる方
- 🧳 アイロン台をどこにしまっても「邪魔」と感じている方
- ⏱️ アイロンがけの頻度が週1〜2回以下と少ない方
ただし、アイロン収納マットにはデメリットもあります。立体的なシャツや厚手のスーツにしっかりプレスをかけたい場合は、マットの厚みが不十分でアイロン台に劣ることがあります。また、使用時にはテーブルや床に直接置くため、耐熱性の保護マットをあわせて1枚用意しておくと安心です。
ダイソーにも「アイロンクッションシート」(税込110円)が販売されており、くるくる丸めてカゴに入れたり棒状にしてクローゼットに吊るしたりと保管がきわめてコンパクトです。アルミコーティングで熱効率が高く、シャツの肩などに芯として差し込んで使うことも可能で、台なしアイロンがけの選択肢として試しやすい商品です。
つまりアイロン台を「どこに置くか」ではなく「そもそも必要か」を一度見直すことで、収納の悩みを根本から解消できる場合があります。
参考:アイロンマットのおすすめランキングと選び方が詳しく解説されています。
アイロン台の収納アイデアをいくら知っていても、「自分の家のどこに置くべきか」が決まらないと実行に移せません。そこで役立つのが「アイロン動線マップ」という考え方です。これは収納雑誌や整理収納の専門書では取り上げられることがほとんどなく、独自の実践的アプローチです。
どういうことでしょうか?
アイロン動線マップとは、1週間のアイロンがけを行いながら「どこで・何分かけたか・取り出し→片付けに何歩かかったか」を紙にメモしていくシンプルな記録です。具体的には以下のような記録をつけます。
| 確認ポイント | 記録内容の例 |
|---|---|
| 取り出し場所 | 寝室クローゼット奥(扉2回開閉が必要) |
| アイロンがけ場所 | リビングのダイニングテーブル前 |
| 往復の歩数 | 約12歩 |
| 「面倒だ」と感じた瞬間 | クローゼットの扉が閉じていたとき |
1週間(3〜5回分)のデータを取ると、「どの場面でストレスを感じているか」が可視化されます。
このマップを作ることのメリットは明確で、「感覚で決めた収納場所」ではなく「行動データをもとにした収納場所」を設計できる点です。整理収納の専門家が家庭訪問の際に行うヒアリングの核心も、実はこの「どこで・どんな動作をしているか」の把握にあります。
記録が条件です。1週間後にデータを見返すと「もっとリビング寄りに置くべきだった」「壁掛けにすれば歩数が8歩減る」など、具体的な改善点が明確になります。
また、アイロンがけをする時間帯も収納場所に関係します。朝の出勤前にワイシャツのシワを伸ばす習慣がある家庭では、クローゼット(衣類を取り出す場所)の近くに収納するのが最短動線です。夜にまとめてかける習慣がある家庭なら、テレビの近くのリビングに出しっぱなし収納にする方が続きやすくなります。
アイロン動線マップは、紙1枚とペンがあれば今日から始められます。お金をかけずに収納の質を上げる方法として、ぜひ取り入れてみてください。

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