定期発注と定量発注の違いと使い分けを徹底解説

定期発注と定量発注の違いと使い分けを徹底解説

定期発注・定量発注の違いと収納への活かし方

定量発注を使い続けると、年間2万円以上の余剰ストックが収納を圧迫します。


この記事の3ポイント要約
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定期発注は「いつ買うか」固定

月1回・週1回など発注タイミングを固定し、そのとき必要な量を計算して補充する方式。需要の変動に柔軟に対応できる。

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定量発注は「いくつ買うか」固定

在庫が発注点(決めた最低ライン)を下回ったら一定量を発注する方式。手間がかからず、需要が安定しているものに向く。

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使い分けがコスト削減のカギ

高価・需要変動が大きいものは定期発注、安価・需要が安定しているものは定量発注が基本。ABC分析で品目を整理すると使い分けが明確になる。


定期発注・定量発注の違いとは何か:基本の仕組みをわかりやすく比較

「定期発注」と「定量発注」という言葉は、どちらも在庫を補充するための発注方式を指します。一見似ているように見えますが、何を固定するかという点が根本的に異なります。


定期発注方式は、「いつ発注するか」を固定する方式です。たとえば「毎月10日」「毎週月曜日」というように、発注する日を決めておき、その日に現在の在庫量を確認して必要な量を計算して注文します。発注量は毎回変わります。


定量発注方式は、「いくつ発注するか」を固定する方式です。在庫が一定の水準(発注点)を下回った瞬間に、あらかじめ決めた量を注文します。タイミングは不定期になりますが、注文する量は毎回同じです。


つまり定期が「タイミング固定・量変動」、定量が「量固定・タイミング変動」という整理です。


| 項目 | 定期発注方式 | 定量発注方式 |
|------|------------|------------|
| 発注のタイミング | 一定間隔(固定) | 在庫が発注点を下回ったとき(不定期) |
| 発注量 | 毎回計算して変動 | 毎回同じ量(固定) |
| 向いている品目 | 高価・需要変動が大きい | 安価・需要が安定している |
| 管理の手間 | やや大きい | 少ない |
| 欠品リスク | 適切な計算で低減 | 発注点設定で低減 |


収納にあてはめて考えると、トイレットペーパーやシャンプーのように毎月ほぼ一定の量を消費する日用品には定量発注が向いています。一方で、季節によって使用頻度が変わる日焼け止めや暖房用品などは定期発注の考え方が役立ちます。


どちらが優れているという話ではありません。品目の特性に合わせて使い分けることが大切です。


定期発注方式の特徴:発注量の計算式とメリット・デメリット

定期発注方式では、毎回以下の計算式で発注量を算出します。


発注量 =(発注間隔 + 調達期間)× 使用予定量 + 安全在庫 — 現在の在庫量 — 現在の発注残


少し複雑に見えますが、要するに「次の発注日までに必要な量を補充する」という考え方です。


たとえば家庭用のシャンプーで考えると、発注間隔が30日・調達にかかる日数が2日・1日あたり使用量が約0.03本(月1本換算)・安全在庫として0.5本確保・現在の在庫が1.2本の場合、発注量を計算して補充量を決めることができます。日用品でここまで細かく計算する人は少ないかもしれませんが、この考え方は「買いすぎず・足りなくならない収納」を実現するための基本になります。


定期発注方式の最大のメリットは、需要変動に柔軟に対応できる点です。先月よりたくさん消費した場合でも、発注日に在庫を確認してその分多く注文できます。余剰在庫になりにくいというのも大きな強みです。


また、発注日と納品日があらかじめ固定されるため、スケジュールを立てやすくなります。これは使えますね。


デメリットとしては、毎回発注量を計算する手間が発生することです。在庫数の正確な把握も必要になるため、管理の手間は定量発注より大きくなります。収納スペースの在庫を「なんとなく目視」するだけでは正確な発注量が出せないため、少なくとも発注日には棚を確認する習慣が必要です。


定量発注方式の特徴:発注点と安全在庫の考え方

定量発注方式を運用するうえで最重要の概念が「発注点」と「安全在庫」です。この2つを混同するケースが多いのですが、役割が異なります。


発注点は「この在庫量になったら注文する」というトリガーとなる在庫数です。発注点の計算式は次のとおりです。


発注点 =(1日の平均使用量 × 調達リードタイム)+ 安全在庫


安全在庫は、予期せぬ需要の増加や納品遅延に備えるための最低限の在庫量です。安全在庫が尽きると在庫切れになります。つまり発注点は「行動のトリガー」、安全在庫は「欠品を防ぐ最後の砦」というイメージです。


わかりやすく例えると、クルマの燃料計で「残量20%でガソリンスタンドに立ち寄る」というルールにしているとします。この「残量20%」が発注点にあたり、「エンジンが止まらないための最低限の燃料」が安全在庫に相当します。


定量発注のメリットは、管理がシンプルで発注の手間が少ない点です。「残りが3個になったら6個注文する」という明確なルールさえ決めてしまえば、誰でも同じように管理できます。収納の観点では、棚に「ここより少なくなったら補充」というラインシールを貼るだけで発注点管理が実現できます。


デメリットは、需要の急変に対応しにくいことです。たとえば来客が増える時期に急にトイレットペーパーの消費量が増えても、発注量は固定のまま変わりません。結果として在庫が早く底をつくリスクがあります。需要が安定しているものに使うのが原則です。


発注点と安全在庫の詳細な計算方法・違いについて(スマートマットクラウド)


定期発注と定量発注の使い分け:ABC分析で収納品目を仕分ける独自視点

ここが多くの解説記事では触れられない、収納に特化した実践的な視点です。


ビジネスの在庫管理でよく使われる「ABC分析」は、実は家庭の収納管理にもそのまま応用できます。ABC分析とは、管理対象の品目を重要度や消費頻度・金額などでABCの3グループに分類する手法です。


- Aグループ:消費頻度が高く、単価もそれなりに高いもの(例:スキンケア用品、洗剤の詰め替え大容量品)
- Bグループ:消費頻度・単価ともに中程度のもの(例:歯磨き粉、食器用洗剤)
- Cグループ:単価が安く、需要も安定しているもの(例:トイレットペーパー、ラップ)


このように分類すると、発注方式の使い分けが自然と決まります。AグループやBグループには定期発注的な考え方(定期的に量を見直す)を、Cグループには定量発注的な考え方(発注点ラインを決めてルールで補充する)を適用するのが合理的です。


たとえばスキンケア用品は、季節や肌の状態で使用量が変わりやすく、かつ1本2,000〜5,000円と高価なものも多いです。これを毎回同じ量だけ補充(定量発注)していると、余らせて期限切れにしてしまうリスクがあります。実際に「定量管理していたら残り3本あるのにまた注文してしまった」という経験をした人は少なくないはずです。


一方でトイレットペーパーのように毎週ほぼ一定量を消費するものは、「12ロール以下になったら24ロール補充」という定量発注ルールを一度設定してしまえば、あとはほぼ自動的に管理できます。


ABC分析で品目を分けてから発注方式を当てはめる。この一手間で、収納の「溢れ」と「切れ」を同時に防げます。


定期発注・定量発注を家庭の収納に実践するためのステップと注意点

理論を理解したあとは、実際に家庭の収納へ落とし込む手順が大切です。以下のステップで始めると整理しやすくなります。


ステップ1:収納品目を書き出す


まず収納しているすべてのストック品をリストアップします。食品、日用消耗品、衛生用品などのカテゴリ別にまとめると管理しやすくなります。


ステップ2:各品目をABC分類する


価格・消費の安定性・重要度の観点から、AとCの2グループだけに大別するだけでも十分です。


ステップ3:発注方式を決める


- Aグループ(高価・変動あり)→ 定期発注的に「月1回など定期的に在庫を確認して必要量だけ補充」
- Cグループ(安価・安定)→ 定量発注的に「○個以下になったら△個補充するルール」を設定


ステップ4:発注点ラインを可視化する


棚やボックスにマスキングテープなどで「補充ライン」を貼っておくと、在庫量が一目でわかります。在庫管理のアプリ(「Zaico」「stocky」など)を活用すれば、スマートフォンで在庫数を記録・管理することも可能です。これは使えそうですね。


注意点として、定量発注で設定した発注点と発注量は「一度決めたら変えない」ものではありません。季節の変わり目や生活スタイルの変化に合わせて、3〜6ヶ月に1回程度の見直しが必要です。


また、定期発注の「発注間隔」は長すぎると安全在庫を大きく持つ必要が生じ、収納スペースを圧迫します。週1回の買い物タイミングに合わせて「週次で在庫確認・必要なら補充」という定期発注ルーティンを組み込むのが現実的です。


定期か定量かを品目ごとに意識するだけで、無駄なストックも在庫切れも大幅に減らせます。まず手元の収納から一品目だけ試してみるのが、最もハードルの低い始め方です。


定期発注方式と定量発注方式の違いと使い分け(アスプローバ株式会社)