

重ね着しすぎた服装が、逆にあなたの体を冷やして低体温症を招くことがあります。
チルド倉庫とは、一般的に「冷蔵温度帯(チルド帯)」で商品を保管する倉庫のことを指します。倉庫業法施行規則では、保管温度帯によってC級(チルド)とF級(フローズン)に区分されており、さらにC級はC1〜C3の3段階に細分化されています。具体的には、C3級が+10℃〜−2℃、C2級が−2℃〜−10℃、C1級が−10℃〜−20℃です。
つまり、一口に「チルド倉庫」といっても、環境は大きく異なります。
一般的な食品チルド倉庫では、−5℃〜+5℃程度の温度管理が行われているケースが多く、乳製品・精肉・総菜などを扱う現場がこれに該当します。一方、同じ「C級」でもC1級になると−20℃近くまで下がるため、服装選びの基準も変わってきます。
まず服装を選ぶ前に「自分が働くチルド倉庫の正確な温度帯」を確認することが第一歩です。求人票や入社前の案内書類に記載されていることが多いので、確認しておきましょう。
温度帯によって、防寒着の性能を変えるのが原則です。+5℃前後の環境ならウィンドブレーカー+ヒートテックで対応できますが、−10℃を下回るC1級相当の現場では専用の防寒ブルゾンが必要になります。「とりあえず何でも重ね着すれば大丈夫」という発想は、のちほど説明する「汗冷え」の原因になりかねません。
▶ 倉庫の3温度帯・4温度帯とは?温度帯の分け方を詳しく解説(吉南株式会社)
チルド倉庫の作業でよくある誤解が「厚く着込めば安全」という考え方です。実際には、重ね着しすぎることで体が汗をかき、その汗が冷えて体温を急速に奪う「汗冷え」が起きやすくなります。これは健康上のリスクです。
特に注意が必要なのは、綿100%素材のインナーです。
綿素材は吸水性が高い反面、一度汗を吸うとなかなか乾かない特性があります。汗を溜め込んだ綿のインナーがチルド倉庫の冷気にさらされると、体温を急速に奪われる仕組みです。産業医や作業服メーカーも、倉庫内作業における綿100%インナーの着用を推奨していません。
代わりに選ぶべきなのは、吸湿速乾性に優れたポリエステルやナイロン素材のインナー、あるいはコンプレッションタイプのインナーです。これらは汗を素早く外側に逃がしてくれるため、肌が濡れたままになるリスクを大幅に減らせます。
また、「ヒートテックの重ね着」も注意が必要です。ヒートテック自体は優秀なアイテムですが、複数枚重ねて着用すると汗をかいたときに放熱しにくくなり、逆に体温調節を難しくすることがあります。基本的には1枚のヒートテック+速乾性ミドルレイヤーの組み合わせが条件です。
NGアイテムをまとめると次の通りです。
「着込めば安心」ではなく、「素材と枚数を正しく選ぶ」ことが大切ですね。
▶ 失敗しないサイズ選びとレイヤリング術 — 冬の作業着の正解(東京ユニフォーム)
チルド倉庫での作業は大きく「動く作業」と「座り・静止作業」の2種類に分かれます。それぞれで必要な服装が異なるため、作業内容に合わせたコーディネートを組むことが重要です。
動く作業(ピッキング・仕分け・台車での運搬)では、体が発熱しやすいため、着脱しやすいレイヤリングが基本です。以下のような組み合わせがおすすめです。
ファスナー付きブルゾンは温度調節できるため非常に便利です。
一方、座り・静止作業(検品・ラベル貼り・データ入力)では体が温まりにくいため、より保温性を重視した服装を選ぶ必要があります。
静止状態では足元からの冷えが特に深刻です。靴下は二重履きを心がけましょう。
夏場にチルド倉庫で動く作業をする場合は、外気温との温度差が20℃を超えることがあります。外での作業後すぐ庫内に入ると自律神経が乱れやすくなるため、庫内に入る前に薄手のウィンドブレーカーを羽織り、体をワンクッション慣らしてから入るのがおすすめです。これが条件です。
防寒対策で見落とされやすいのが、足元・手元・顔回りのケアです。特に足元はチルド倉庫の床が常に冷えているため、直接的な冷えを受け続けます。これは痛いですね。
足元の防寒については、靴の選択が最も重要です。一般的なスニーカーや薄底の安全靴は、チルド倉庫での作業には向いていません。以下の3つのポイントを満たした靴を選ぶことが重要です。
冷凍倉庫用防寒安全長靴(サンエス NR041など)はマイナス40℃対応のものもあり、価格は1万5,000円〜2万円程度が相場です。C級チルド倉庫(+5℃前後)であれば、6,000〜8,000円台の防寒作業靴(シモン KB38など)でも十分対応できます。
靴下は最低でも「ひざ下まで覆う丈のもの」を選んでください。くるぶし丈は厳禁です。靴下二重履きも効果的ですが、その場合は靴のサイズに余裕があるものを選ばないと血行が悪くなります。靴下の締め付けで逆に冷えやすくなることもあるため、注意が必要です。
手元の防寒では、内側に薄手のインナーグローブ+外側に滑り止め付き防寒軍手の「二重手袋」が定番です。ネオプレン素材の手袋は保温性が高い反面、汗が逃げずに蒸れて冷えやすくなるため、動く作業には不向きです。
顔回りの保温は、マスクが最も効果的です。−5℃以下の環境では特に必須で、冷たい空気を直接肺に吸い込み続けると呼吸器系にダメージが蓄積されます。マスクは口と鼻を温めるとともに、乾燥した庫内での喉の保護にもなります。
ニット帽や耳あて付きのキャップも、頭頂部と耳からの熱損失を防ぐ重要なアイテムです。人間の体は頭部からの熱放散が非常に大きいため、帽子一枚で体感温度が2〜3℃変わることもあります。これは使えそうです。
▶ 冷蔵倉庫の服装は夏と冬で違う?条件別におすすめの服装を詳しく解説(委托運送)
チルド倉庫で働く人のほとんどが悩むのが「防寒着の管理・収納」です。一般的な記事ではあまり触れられていませんが、防寒着の保管状態が服の保温性能に直接影響することがあります。
例えば、使用後の防寒ブルゾンをそのまま圧縮して保管すると、中綿(フィル素材)がつぶれてしまい、保温力が最大30%低下するケースがあることが知られています。中綿入りの防寒ブルゾンは、ハンガーに吊るして形を保ったまま保管するのが原則です。
収納のポイントをまとめます。
また、「夏用と冬用で衣装ケースを分ける」という基本的な収納術も、チルド倉庫勤務者には特に役立ちます。季節の変わり目に何を入れ替えるかを明確にしておくと、「必要なときにアイテムが見つからない」という事態を防げます。
防寒着は高価なものが多く、バートルの防寒ブルゾンは1着1万〜2万円台、専用の防寒安全靴も1万5,000円前後するケースがあります。こうした投資を守るためにも、日々の収納と管理が大切です。
使用後は汚れを拭き取り、乾燥させてから収納する。これだけで寿命を数年単位で延ばすことができます。
▶ 冷蔵庫・冷凍庫の寒さに耐える防寒着とは?おすすめの服装も詳しく紹介(l-m.co.jp)

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