

「壁に穴を開けずに収納したい」という考えで突っ張り棚を選ぶと、退去時に8万円超の修繕費を請求されることがあります。
ニトリの突っ張り棚は、一口に「突っ張り棚」といっても、実は用途・設置場所・収納量によって複数のシリーズに分かれています。正しいシリーズを選ばないと、「買ったはいいが収納量が足りない」「設置場所に合わなかった」という失敗につながります。まず代表的なラインナップを整理しておきましょう。
最も人気が高いのが、シリーズ累計販売台数95万台を突破した壁面収納「Nポルダ」です。床から天井まで突っ張るタイプで、幅40cm・60cm・80cmの3サイズ展開。奥行きのバリエーションも「スリム(約20cm)」「レギュラー(約30cm)」「ディープ2(約40cm)」の3種類があります。価格は幅40cmのスリムタイプで約8,990円から、ディープ2の幅80cmタイプで約14,990円(2026年2月時点)と、コストパフォーマンスも申し分ありません。
| モデル名 | 設置タイプ | 主な用途 | 耐荷重(全体) |
|---|---|---|---|
| Nポルダ(レギュラー) | 床→天井 | リビング・書斎・子供部屋 | 約50kg |
| Nポルダ(ディープ2) | 床→天井 | クローゼット・大型収納 | 約50kg |
| つっぱりラック ヒルデ | 床→天井 | リビング・洗面所(幅57〜88cm伸縮) | 記載なし(目安10kg程度) |
| メッシュワイドつっぱり棚 | 壁→壁(横張り) | トイレ・キッチン・洗面所 | 約10kg |
| ポールつっぱり棚(シンク上) | 壁→壁(横張り) | キッチンのシンク上 | 商品による |
もう一つ注目すべき商品が「つっぱりラック ヒルデ」です。床から天井に突っ張るタイプで、幅57〜88cmまで伸縮できる点が特徴。つっぱったまま棚の位置を変えられる設計は、収納物が増えたときも便利です。組立時間の目安は約30分で、Nポルダの60分と比べて手軽に設置できます。
洗面所やトイレには「メッシュワイドつっぱり棚(MW73-112)」が活躍します。壁と壁の間に横向きで張るタイプで、片方ずつポール長さを調節できるため、左右の壁に段差がある場所でも使える設計です。これは意外と知られていません。対応幅は73〜112cm、耐荷重は約10kgです。
つっぱりラックは大きく分けて「床→天井」タイプと「壁→壁(横張り)」タイプの2種類が基本です。
参考:ニトリのNポルダシリーズ公式特集ページ(各モデルの仕様・価格の最新情報はこちらから確認できます)
つっぱり壁面収納Nポルダ|ニトリネット公式
「壁に穴が開かないから賃貸でも安心」と思って設置した突っ張り棚が、退去時に思わぬ修繕費を生む場合があります。実際に、賃貸の浴室内で突っ張り棚が落下し、壁の石膏ボードが変形して8万5千円の修繕費を請求されたというケースがYahoo!知恵袋に報告されています。これは決して他人事ではありません。
設置前に確認すべきことは3点です。
① 天井高を正確に測る
NポルダをはじめとするニトリのNポルダシリーズは、設置可能な天井高さが220〜260cmが基本の対応範囲です(追加パーツを使えば200〜270cmまで対応可能)。天井高が219cm以下または261cm以上の場合は、追加拡張パーツの購入が必要になるか、最悪設置できないこともあります。購入前に必ずメジャーで実測しておきましょう。
② 壁の素材を確認する(これが最重要)
突っ張り棚は「壁を傷つけない」と思われがちですが、石膏ボードの壁では突っ張り圧力が一点に集中し、ボードが陥没・割れることがあります。石膏ボードは外壁から約5〜10mmほどの薄い板材で、試しに軽くノックするとコンコンと空洞のような音がするのが特徴です。賃貸住宅の多くがこの構造で、ここに強い圧力がかかると修繕費が数万円になるリスクがあります。
石膏ボード壁への対策として有効なのが「当て板(板材)」をポールのキャップ部分に挟む方法です。100円ショップで売られているMDF板や木材片を使うだけで、圧力が分散され、損傷リスクを大幅に下げられます。これだけ覚えておけばOKです。
③ 耐荷重を守る(「7割ルール」を意識する)
Nポルダの場合、棚板1枚あたりの耐荷重は約10kg。文庫本約40冊分に相当します。1連全体では最大50kgです。ただし耐荷重いっぱいに荷物を積むのは危険です。荷重は耐荷重の6〜7割以内に抑えるのが安全の基本と言われています。「50kgまで大丈夫なら50kg載せてもいい」という考えは禁物です。
参考:賃貸物件での突っ張り棒使用と原状回復義務についての詳細情報
突っ張り棒で賃貸に穴やヒビが起きてしまったらどうするべき?|こここやる.com
突っ張り棚は設置場所の「デッドスペース」を徹底的に活用することで、収納力を何倍にも引き上げることができます。以下に場所別のアイデアを紹介します。
🍳 キッチン:シンク上のデッドスペースを棚に変える
キッチンのシンク周辺は、縦方向にスペースが余っていることが多いにもかかわらず、活用されずに終わっているケースが多いです。ニトリの「ポールつっぱり棚(幅73〜112)」は、シンク上部の壁と壁の間に渡せる横張りタイプ。調味料・スポンジ・洗剤類などを収納すれば、調理台がすっきりします。
注意点があります。引き出し付きのキャビネット上に設置する場合、引き出しの中に背の高いものを入れると棚板に干渉することがあります。設置前に引き出しの最大開口高さを確認してから選ぶのが安全です。
🚽 トイレ:狭くても高さ方向に収納を作る
トイレはもっとも縦方向の空間が余っている場所のひとつです。ニトリのメッシュワイドつっぱり棚は、幅73〜112cmの壁間に設置でき、トイレットペーパーの予備10ロール分(約2kg相当)を軽々収納できます。メッシュ構造のため下から見て何がどこにあるか一目でわかります。
🧴 洗面所:タオル・コスメを効率よくしまう
洗面所は収納が少ない場所の筆頭です。床→天井タイプのヒルデを洗面台脇に設置すると、タオルや洗剤のストック、スキンケア用品をまとめて収納できます。幅57〜88cmの伸縮幅があるため、洗面台と壁の隙間など「中途半端な幅」にもフィットしやすいのが特徴です。
📚 リビング・子供部屋:Nポルダで壁一面収納を実現する
NポルダはNポルダ同士を連結して最大3連(幅240cm)まで拡張できます。これは横幅が約3畳分の壁面に匹敵します。本・おもちゃ・書類をすべて壁面に集約すれば、床がすっきりして部屋が広く見える効果があります。
これは使えそうです。収納を床から壁方向に切り替えるだけで、体感の部屋の広さが変わります。
Nポルダを実際に設置した人のレビューでよく見かけるのが、「何も載せていない状態ではグラグラする」という声です。これはNポルダに限らず床→天井突っ張りタイプ全般の特性で、荷物を入れてはじめて安定する構造になっています。つまり荷物を載せる前に「不安定に見える」のは仕様の範囲内です。
組み立ての際にグラつきを最小限に抑えるポイントは以下のとおりです。
- 電動ドライバーを用意する:Nポルダはネジ止め箇所が多く、手回しドライバーだけでは手が疲れて途中で力が抜け、ネジが緩くなりやすい。電動ドライバー(充電式で2,000〜3,000円台のもので可)を準備するだけで仕上がりが段違いになります。
- 2人以上で組み立てる:支柱を立ち上げる工程は重さがあり、1人では床や壁を傷つけるリスクがあります。組立推奨人数は2名以上と取扱説明書にも明記されています。
- 棚板はすべて水平に設置する:棚板が1枚でも斜めだと重心がズレて全体のバランスが崩れます。100円ショップで販売されている水平器(スマホアプリでも可)で確認しながら進めると確実です。
- 定期的に突っ張りの強さを確認する:使用中に振動や気温変化でポールが緩むことがあります。月に1回程度、ポールを手で回してみて緩みがないか確認するのを習慣にしましょう。
厳しいところですね。ただ、これらの対策は知っているかどうかで結果が大きく変わります。
Nポルダの組み立て難易度を懸念している場合には、組立時間の目安が約30分の「つっぱりラック ヒルデ」から始めるのも一つの方法です。シンプルな構造で工具不要で組み立てられるため、突っ張り棚を初めて使う方に向いています。
多くの人がやっていないのが、Nポルダを「買ったまま」で使うことへの疑問を持つことです。標準付属の棚板をそのまま使うだけでは、実は収納できるはずのスペースの5〜6割しか活用できていない可能性があります。
棚板を追加して収納密度を上げる
Nポルダは棚板を別途購入して追加できます。付属の木製棚板の耐荷重は1枚約10kgですが、「Nポルダ用スチール棚板」に変えると1枚あたり約20kgまで対応できます。重い調理家電や教科書をまとめて置くなら、このスチール棚板への切り替えが有効です。価格は幅80cm用で約3,290円(2026年2月時点)。
収納ボックスとの組み合わせで「見た目」も「探しやすさ」も両立する
オープン棚のNポルダはそのままでは埃が積もりやすく、散らかって見えがちです。ニトリの「ソフトNインボックス」や「NインボックスW」をサイズ違いで組み合わせると、棚板の上に均等にボックスが並び、すっきりとした見た目になります。ボックスの前面にラベルを貼れば中身も一目でわかります。
コーナースペースをサイドパーツで活用する
2023年に追加されたNポルダ用コーナーパーツを使えば、部屋の角(コーナー)にも棚を接続できます。これは壁面2面分の収納を一体化できるため、部屋のコーナーが最大の収納エリアに変わります。見落とされがちなポイントです。
「Nポルダを買ったら終わり」ではなく、「Nポルダはベースに過ぎない」という考え方に切り替えると、収納の可能性が広がります。つまりカスタマイズ次第で収納力は変わります。
収納に困っている具体的な場所(例:キッチンの調味料、洗面所のドライヤー収納など)が決まっているなら、まずその場所の幅・奥行・天井高を測り、それに合うNポルダのサイズと必要追加パーツをニトリの公式サイトで確認するのが最短ルートです。
参考:ニトリ公式のNポルダシリーズ累計販売95万台突破プレスリリース(カスタマイズパーツの詳細情報含む)
【ニトリ】壁に穴をあけないつっぱり壁面収納「Nポルダシリーズ」に新パーツ追加|PRtimes