スラットコンベヤ マキテック の種類と収納活用ガイド

スラットコンベヤ マキテック の種類と収納活用ガイド

スラットコンベヤ マキテック の種類と収納・搬送活用の全知識

スラットコンベヤは「重いものしか運べない」と思っていませんか?実はBPS型なら1条あたり最大30kgの小物まで対応し、収納レイアウトを劇的に変えられます。


📦 この記事の3ポイント
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マキテックのスラットコンベヤとは?

1946年創業・売上260億円のコンベヤパイオニア企業。BRS・BFB・BPS・SPZなど豊富な型式が揃い、搬送物や環境に合わせた選択が可能です。

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アキューム機能で収納効率が変わる

ローラスラット(BRS型)はアキューム機能付きで、搬送物をライン上に一時ストレージ(一時貯留)できます。倉庫の収納スペース削減につながります。

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スラット1枚単位の交換でコスト節約

スラットが破損しても全体を交換する必要はなく、破損した1枚だけを個別交換できます。長期運用のランニングコストを大幅に抑えられます。


スラットコンベヤとは何か:マキテック製品の基本構造

スラットコンベヤとは、アタッチメント付きのコンベヤチェーンに「スラット(平板)」を連続的に取り付け、その上に搬送物を載せて運ぶ搬送装置です。ベルトコンベヤがゴムや樹脂の帯状ベルトを使うのに対し、スラットコンベヤは個々の板(スラット)をチェーンで繋いだ構造をしています。これが大きな違いです。


マキテック(株式会社マキテック)は1946年に創業し、ローラコンベヤの製造を1971年から開始した搬送機器のパイオニアです。現在の売上高は約260億円(2025年3月期)で、従業員数は712名(2024年4月末時点)。国内外に多数の製造拠点を持つ大手コンベヤメーカーです。


スラットコンベヤの基本的な構造ポイントは次のとおりです。


- 搬送面:スチール製・木製・樹脂製・ローラ付きのスラットを連結して搬送面を形成
- 駆動方式:チェーン駆動が基本(ホローピンチェーンやRSチェーンを採用)
- フレーム:アルミ押し出し成形フレームを採用(軽量かつ堅牢)
- 最大機長:マキテック製では最大10,000mm(10メートル)まで対応


スラット1枚の幅は約250〜800mm程度。これはA4用紙の長辺(297mm)から、ちょうどノートパソコンの横幅(約360mm)程度をイメージするとわかりやすいです。板を繋ぎ合わせた「動く棚板」と思えば、その仕組みが直感的に理解できます。


つまり「板の上で物を運ぶ装置」です。


この構造上の特徴から、ベルトコンベヤでは搬送が難しい底面形状が不規則なもの・鋭利なエッジがあるもの・油分を含んだ搬送物にも対応できる点が、スラットコンベヤが選ばれる主な理由のひとつになっています。


参考:マキテック公式・BRS/BFBスラットコンベヤの仕様詳細
BRS ローラスラットコンベヤ / BFB 板スラットコンベヤ - マキテック公式


マキテック スラットコンベヤの主要型式と特徴の比較

マキテックのスラットコンベヤには複数の型式があり、用途に応じて使い分けられます。これは使えそうです。それぞれの型式の違いを把握しておくことが、収納・搬送設備の最適化につながります。


BRS型(ローラスラットコンベヤ)は、連続走行するホローピンチェーンにローラが付いたタイプです。アキューム機能(後述)を備えており、搬送物をライン上に一時ストレージできるのが最大の特徴です。アルミフレーム採用で中量機種に分類され、搬送速度は最大20m/min、搬送能力は最大50kg/mです。


BFB型(板スラットコンベヤ)は、BRS型では搬送が困難な搬送物を対象にした板スラットタイプです。アタッチ付きRF2060A2チェーンを使用し、角パイプ製作にも対応しています。スラット幅は最大600mm(新聞紙の縦幅がほぼ545mmなので、それよりやや大きいサイズ)で、BRS型と同じく最大機長10,000mmです。


BPS型(樹脂スラットコンベヤ)は、2条のRS50チェーンに樹脂製のスラットカバーを取り付けた「キャタピラベルト」搬送タイプです。単列(250mm幅)・2条(500mm幅)・3条(750mm幅)の3バリエーションがあり、条数を増やすことで幅を柔軟に拡張できます。外観が上品で、ベルトコンベヤと同様の感覚で使用できます。


SPZ型(Z型板スラットコンベヤ)は傾斜搬送に特化した型式で、R部での板同士の隙間を極力小さくする設計により、小物でも嚙み込みにくい構造になっています。機長2,500〜10,000mm、機高1,000〜2,000mmで45度の傾斜角に対応。産業廃棄物搬送・リサイクル業界向けの用途に強い型式です。


| 型式 | 特徴 | 搬送能力 | アキューム機能 |
|------|------|----------|------------|
| BRS | ローラ付きスラット・アキューム対応 | max50kg/m | ✅ あり |
| BFB | 板スラット・不規則形状対応 | max50kg/m | ❌ なし |
| BPS | 樹脂スラット・ベルトコンベヤ感覚 | max50kg/m(3条) | ❌ なし |
| SPZ | Z型・傾斜搬送・小物嚙み込み防止 | max200kg/m(1.5kw時) | ❌ なし |


SPZ型だけが突出して大きな搬送能力を持つ点は意外ですね。傾斜搬送においては、SPZ型(1.5kW)の搬送能力は200kg/mと、他型式の4倍に相当します。これは傾斜という条件でも力強く搬送できるよう、専用設計されているためです。


参考:マキテック公式・SPZ型スラットコンベヤの仕様
SPZ Z型板スラットコンベヤ - マキテック公式


スラットコンベヤのアキューム機能が収納効率を高める理由

アキューム機能とは何でしょうか?これはコンベヤ上に搬送物を「一時的に停止・貯留させる機能」のことです。アキュームは「accumulate(蓄積する)」の略語で、物流業界では一時ストレージとも呼ばれます。


BRS型ローラスラットコンベヤに搭載されているこの機能は、収納・物流の現場において特に重要な役割を果たします。通常のコンベヤではラインが止まると搬送物が詰まってしまいますが、アキューム機能があれば搬送物がコンベヤ上で間隔を保ちながら待機できます。これが基本です。


具体的な活用場面は以下のとおりです。


- 🏗️ 出荷前の一時保管:ピッキングが完了した商品をコンベヤ上に並べて待機させ、トラックの到着に合わせてまとめて流す
- 📦 工程間のバッファとして使う:前工程と後工程の処理速度が違う場合、スラットコンベヤ上でバッファ(緩衝)として搬送物を一時的に貯める
- 🔄 省スペース化:棚や仮置き台を置く代わりに、コンベヤ上に一時保管することで床面積を削減


収納の観点から特に注目したいのは「床面積の削減」です。例えばマキテックの移動棚システム「アイルセーバー」では、通路1本化により収容能力を最大2倍にできるとされています。アキューム機能付きスラットコンベヤを組み合わせることで、仮置きスペースをコンベヤライン上に吸収し、さらに床面積を有効活用できます。


コンベヤ上のストレージは「動く棚」として機能します。つまり収納と搬送を同時に実現できるということです。


固定棚では物を置いたら取り出すまでスペースが占有され続けますが、コンベヤ上の一時貯留はラインの流れに沿って自動的に搬送物が動くため、滞留時間を管理しやすいという優れた特徴があります。倉庫や工場の入出荷バッファゾーンに導入するケースが多いのはそのためです。


参考:マキテックの収納・移動棚システムについての詳細
アイルセーバー(電動式移動棚)- マキテック公式


スラットコンベヤとベルトコンベヤ:収納現場で選ぶべき理由

収納や物流の現場でコンベヤを選ぶとき、「スラットコンベヤとベルトコンベヤのどちらが適しているか」という疑問は多くの担当者が持ちます。これはよくある選択の悩みです。それぞれの特徴を正しく比較することで、設備投資の失敗を防げます。


スラットコンベヤの主なメリットとして挙げられるのは次の点です。まず、スラット(板)の上に搬送物を載せるため、ベルトコンベヤのように搬送物の鋭利な部分でベルトが傷つくリスクがありません。次に、スラットが破損した場合は破損した1枚だけを個別交換できるので、ベルト全体を交換するベルトコンベヤに比べてメンテナンスコストが低く抑えられます。


さらに、スラットコンベヤはチェーン駆動により高い強度と耐久性を備えており、重量物や油脂分を含む搬送物にも対応できます。高温・低温環境にも強く、食品加工工場から産業廃棄物処理施設まで幅広い環境で稼働できます。


一方、スラットコンベヤのデメリットも把握しておく必要があります。設置やメンテナンスの初期コストは比較的高い傾向にあります。また、一般的にベルトコンベヤと比べて搬送速度はやや低速で、マキテック製品の場合は最大20m/minが標準仕様です。高速大量搬送には向かない点に注意すれば大丈夫です。


ベルトコンベヤとの使い分けの目安は以下のとおりです。


- 📌 重量物・油分含む搬送物 → スラットコンベヤ(BRS・BFB)
- 📌 軽量・小物で高速搬送が必要 → ベルトコンベヤ
- 📌 底面が不規則・傾斜搬送 → スラットコンベヤ(SPZ型)
- 📌 衛生管理が必要な食品搬送 → ステンレスベルトコンベヤ(マキテック・アラエール)
- 📌 収納・一時バッファが必要 → スラットコンベヤ(BRS・アキューム機能付き)


スラットコンベヤは「運ぶ」と「保管する」を同時に担える、という点がベルトコンベヤとの本質的な差別化ポイントです。収納効率の改善を目的として導入するなら、アキューム機能付きのBRS型を軸に検討することを推奨します。


参考:コンベヤ種類ごとのメリット・デメリット比較
【コンベヤの種類】メリット・デメリットを合わせて解説! - 石川商事


マキテック バーチカルコンベヤで実現する垂直搬送と収納スペースの最大化

マキテックのスラットコンベヤ製品群の中で、収納効率という観点から見落とされがちな製品があります。それがバーチカルコンベヤ(垂直スラットコンベヤ)です。


バーチカルコンベヤは、工場や倉庫の生産設備・搬送設備として、人が搬出入に直接介入することなく垂直方向(上下)に搬送できる設備です。荷受台の呼び出しや扉開閉などの待ち時間がない点が最大の強みで、従来の垂直リフターと比較して最大2倍の搬送能力を実現します。垂直リフターの2倍というのは大きな差ですね。


なぜ垂直搬送が収納効率につながるのでしょうか?


倉庫や工場では、フロアの平面スペースには限界があります。しかし、天井までの高さ(垂直スペース)は多くの施設で十分に活用されていないケースが少なくありません。バーチカルコンベヤを導入することで、複数フロア間の搬送を自動化し、各階の収納スペースを有効活用できるようになります。


たとえば、1階の出荷ゾーンから2階・3階の保管ゾーンへ自動搬送するレイアウトを構築することで、1フロアに集中しがちな入出荷作業を分散させられます。これにより、現場の混雑を解消しながら保管スペースを縦方向に拡張できます。


マキテックのバーチカルコンベヤはクリーン環境型モデルも用意されており、プラスチックプレートチェーンとプラスチックチェーンの採用により無給油を実現しています。さらにスプロケットもプラスチック製を採用し、環境負荷を低減しつつ食品・医薬品関連施設での運用にも対応しています。


既存のコンベヤラインとバーチカルコンベヤを同期させると、完全自動化ラインの構築が可能です。これが条件です。担当者は、マキテック公式サイトのバーチカルコンベヤ製品ページで詳細仕様を確認し、既設レイアウトとの適合性を検討することをおすすめします。


参考:マキテック公式・バーチカルコンベヤの特長と仕様
バーチカルコンベヤ(連続垂直搬送機)- マキテック公式