共同配送事例から学ぶコスト削減と物流効率化の方法

共同配送事例から学ぶコスト削減と物流効率化の方法

共同配送の事例に学ぶコスト削減と物流効率化の全貌

競合他社どうしが「同じトラックに荷物を積む」ことで、コストが4割も下がります。


この記事でわかること
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共同配送とは何か?

複数の荷主企業が1台のトラックを共有して配送する仕組みと、その基本的な手法(配送センター集約方式・ミルクラン方式)を解説します。

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国内の具体的な導入事例

F-LINE(食品大手6社)、大王製紙×サントリー、アサヒグループ食品など、実際に数字で成果が出た事例を紹介します。

導入時のメリット・注意点

積載率向上・CO₂削減・コスト削減のメリットと、料金設定の難しさや柔軟性の低下などの注意点を両面から整理します。


共同配送の事例を理解する前に押さえたい基本の仕組み


共同配送とは、複数の荷主企業が1台のトラックや配送便を共有し、同一または近隣の納品先へまとめて荷物を届ける物流手法です。従来、A社・B社・C社が同じスーパーへ商品を納品する場合、それぞれが別々のトラックを手配していました。しかし、共同配送ではそれらの荷物を1台に積み合わせるため、両台数を大幅に削減できます。つまり、コスト・時間・環境負荷を同時に減らせる仕組みです。


共同配送の代表的な輸送手法には「配送センター集約方式」と「ミルクラン方式」の2種類があります。前者は、複数の荷主の荷物を一度配送センターに集約し、まとめて出荷する方法です。後者は、1台の車両が複数の荷主を順番に巡回して荷物を集荷し、最終目的地へまとめて届ける方法で、もともと牛乳農家を巡回して生乳を回収する仕組みを参考にしたとされています。


これは使えそうです。


どちらの方式もトラックの「積載率」を高めることを目的としており、国内のトラック平均積載率はおよそ40〜50%前後に留まるとも指摘されています。これは車に半分以上の空きスペースを抱えながら走っている状態に相当します。共同配送によってこの空きスペースを埋めることが、コスト削減の核心です。


なお、共同配送は似た言葉の「混載便」「路線便」とは明確に異なります。混載便や路線便では、積み合わせる荷物や配送先の選定を物流事業者側が行うのに対し、共同配送では荷主企業が主体となって配送条件を決定します。この点を理解しておくと、後で紹介する事例の背景がよりクリアになります。


参考:共同配送とは何か、国土交通省の方針も含め基本から解説しています。


共同配送とは?物流におけるメリットや課題、企業事例をわかりやすく解説 | SBフレームワークス


共同配送の事例①:F-LINEプロジェクト(食品大手6社)の成功

国内で最も規模の大きい共同配送の事例として必ず挙げられるのが「F-LINEプロジェクト」です。味の素・カゴメ・日清オイリオグループ・日清製粉ウェルナ・ハウス食品グループ本社・Mizkan Holdingsの食品大手6社が出資し、「F-LINE株式会社」を設立。幹線輸送から納品先への配送まで、食品物流を一体的にカバーする大規模なプラットフォームです。


このプロジェクトが動き出した直接のきっかけは、トラック輸送の需要増加に伴う車両確保の困難でした。個別配送を続ける限り、それぞれの企業が車両を奪い合う構造から抜け出せません。そこで競合他社どうしが協力し合い、共同で物流基盤を整備するという発想の転換が生まれました。


結果は数字が証明しています。事業稼働からわずか3か月後に、平均積載効率が79%から86%へ向上しました。さらにCO₂排出量も16%削減しています。また、2025年8月には北海道の幹線輸送でトラックを鉄道に切り替える「モーダルコンビネーション」の試験運行を発表し、札幌〜帯広間でCO₂排出量を約43%削減できる見込みを公表しています。


積載率79%→86%が「ピンとこない」方のために補足しますと、例えばトラック100台で運んでいた荷物が91台強で済む計算になります。約9台分が削減できれば、燃料費・人件費・維持費のすべてに直接影響します。


これが原則です。共同配送の効果は「積載率の改善」という1点に集約されます。積載率が1ポイント上がるごとに、物流コスト全体が少しずつ圧縮されていく構造です。


参考:F-LINE株式会社の取り組みや、食品物流における共同配送の詳細はこちら。


共同配送を導入した企業事例(大手食品会社6社) | SBフレームワークス


共同配送の事例②:大王製紙×サントリーによる異業種間連携

共同配送は同業種だけのものではありません。製紙メーカーの大王製紙株式会社と飲料メーカーのサントリーグループによる異業種間の共同配送事例は、その代表例として物流業界で広く知られています。


この連携が生まれた背景には、サントリーグループが抱えていた構造的な問題がありました。飲料品は重量が大きい一方で、積載重量の上限に縛られるため、トレーラー上部に物理的な空きスペースが生じていたのです。それに対して大王グループの紙製品は「軽くてかさばる」という特性を持ちます。この「重い×軽い」の組み合わせが、積載効率を最大化する黄金のマッチングとなりました。


さらに特筆すべきは輸送方式の工夫です。関東・中部・関西の3エリアに分割し、3人のドライバーがリレー形式で荷物を引き継ぐ「スイッチ輸送」を採用しています。これは1人のドライバーが長距離を運転し続けるのではなく、区間ごとに担当を交代することで、2024年問題で注目されるドライバーの労働時間規制にも対応した設計となっています。


異なる業界の企業が荷物の「特性の差」を逆手に取り、積載の相互補完を実現した点は独自の発想です。この視点は「競合でなければパートナーになれる」という物流の新しい常識を示しています。


厳しいところですね。ドライバー不足と労働時間規制という二重の制約のもとで、それでも配送ネットワークを維持するためには、こうした創意工夫が不可欠になっています。収納用品や日用品を扱う企業にとっても、取り扱う商品の「重量・容積比」を見直すことが、共同配送パートナー探しの第一歩になります。


共同配送の事例③:アサヒグループ食品が配送コスト40%削減を実現した方法

アサヒグループ食品が実現した「グループ内共同配送による配送コスト40%削減」は、同様の課題を抱える企業にとって非常に参考になる事例です。


同社がこの取り組みを始めた背景には、グループ内の一部企業で長距離運行が常態化していたこと、さらに運送会社からリードタイムの延長要請があったことが挙げられます。バラバラに動いていたグループ各社の物流を一本化することで、コストと効率の両面を改善する余地が大きかったのです。


具体的な施策は2点です。まず九州と北関東に物流の新拠点を設置し、グループ内共同配送を開始しました。次に、既存の物流拠点を8か所から5か所へと集約(約37%削減)しました。この「集約」こそが共同配送の核心です。拠点が多いほど管理コストと移動距離が増え、拠点が少ないほど積載率が上がり効率が増します。


結果として配送コストを40%削減しただけでなく、配送品質の向上も実現し、品質事故の件数も減少したと報告されています。コスト削減が品質向上を損なわなかった点は重要です。


40%削減というのは、例えば月100万円の配送費が60万円になる計算です。年間換算では240万円のコストダウンに相当します。この規模の改善は、多くの中小企業にとっても現実的な目標として映るはずです。


参考:アサヒグループ食品の事例含む厚生労働省の共同配送事例集。


事例紹介(共同配送)| 厚生労働省 宮城労働局


共同配送の事例に見る「収納・日用品」分野での意外な活用ポイント

収納用品や日用雑貨・生活雑貨は、実は共同配送との相性が非常に高い商材です。意外に思われるかもしれませんが、この分野は共同配送の「条件」をほぼすべて満たしています。


共同配送に向く商材の条件は次の通りです。「形状が比較的均一で積みやすいこと」「定期的・継続的に配送されること」「配送量の変動が少ないこと」「重量が大きくない一方で容積が一定していること」。収納ボックス・整理棚・クローゼット収納グッズ・日用雑貨といった商品群は、これらの条件に合致します。


さらに近年注目されているのが「住宅資材の共同配送」です。住友林業グループのホームエコ・ロジスティクス株式会社は、2024年1月より首都圏一都三県で住宅資材の共同配送サービスを開始しました。2025年8月には関西にも拡大しています。配送センターを半径10〜20kmの範囲内に配置し、異なる仕入れ先の資材を混載する形で共同配送を実施した結果、従来比で配送便を約60%削減し、配送コストも約10%削減したと発表しています。


住宅資材と収納用品・家具の物流は構造が似ています。配送先が個人宅や店舗に分散していること、商品ごとにサイズが異なること、定期補充よりもスポット配送が多いことなどが共通点として挙げられます。


いいことですね。この住宅資材の事例は、「収納・インテリア」関連企業にとって共同配送を検討するうえで非常に参考になるロールモデルです。特に「配送センターを生活エリア内に分散配置する」という設計思想は、ラストワンマイル配送の効率化という現代物流の最難関課題に直接アプローチしています。


収納・インテリア分野で共同配送を検討する場合、最初のステップとして自社の配送実績データを可視化することが有効です。どのエリアに・どの頻度で・どのくらいの量を届けているかを把握することで、パートナー候補の絞り込みが現実的になります。Hacobuが提供する「MOVO Fleet」のような動態管理サービスを活用すると、こうした配送実績の可視化をスムーズに進められます。


参考:共同配送に向く商材の詳細や導入の考え方についてはこちらも参考になります。


共同輸配送とは?メリット・デメリットや課題、向いている商材を解説 | Hacobu


共同配送の事例から学ぶ導入時の注意点と成功のポイント

共同配送が多くのメリットをもたらす一方で、導入時に必ず直面する課題もあります。事例から得られる知見をもとに、現実的な注意点を整理します。


まず「料金設定の複雑さ」が最初の壁になります。共同配送では、複数の荷主が1台の車両を共有するため、コストをどう分担するかを事前に協議しなければなりません。荷物の重量・容積・距離・頻度によって各社の負担が異なり、全員が納得できる料金体系をつくるには時間がかかります。F-LINEプロジェクトでは、事前に6社合同の部会やワーキングチームを編成し、関連用語・品質管理KPIを統一するところから始めたとされています。これが基本です。


次に「急な変更への対応が難しい」という制約があります。共同配送は複数社のスケジュールを前提に組み上げられているため、1社の都合で配送時間や荷物量を変更することができません。個別配送では当日対応できた案件も、共同配送では対応不可になるケースがあります。この制約は特に季節品や突発的な需要変動が多い商材では顕著に現れます。


また「共通システムの整備コスト」も無視できません。各社が独自のシステムを持っている場合、荷物の追跡・管理を統一するための共通プラットフォームが必要になります。大企業ならコストを分担できますが、中小企業にとっては初期投資が負担になることもあります。


これらの課題を踏まえた成功のポイントは、実例から3点に絞られます。第一に「小規模パイロット導入から始めること」です。特定のエリアや商品カテゴリーに限定して試験的に導入し、課題を洗い出してから拡張するアプローチが有効です。第二に「競合よりも補完関係にある企業とパートナーを組むこと」です。大王製紙×サントリーの事例のように、荷物の特性が補い合う相手を見つけることが成功率を高めます。第三に「KPI・用語・品質基準を事前に統一すること」です。F-LINEの事例が示すように、運用の標準化こそが共同配送の持続性を支える土台となります。


参考:共同配送の成功事例や導入ポイントの詳細はこちらが参考になります。


【最新事例】共同配送で物流効率化を実現!大手企業の取り組みと成功のポイント | Aidiot




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