

JIS規格の「標準サイズ」として広まっている1100×1100mmは、実は国内パレット全体のわずか32%しか使われていません。
日本でパレットのサイズを語るときに避けて通れないのが、JIS規格(日本産業規格)です。プラスチック製平パレットについては「JIS Z 0606」として規格が定められており、サイズ・構造・強度などの基準が明文化されています。
その中で「標準サイズ」として最も広く知られているのが、1100mm×1100mm×144mmのT11型パレット(通称:イチイチパレット)です。これはA4用紙を縦に並べると約8枚分の面積に相当し、フォークリフトやハンドリフトとの互換性を考慮して設計されています。つまり物流機器とのかみ合わせを前提にしたサイズということですね。
ただ、ここが多くの人が見落とすポイントです。国内で流通するパレット全体に占めるT11型の割合は、実はわずか32%程度にとどまっています。JIS規格サイズの中だけで見れば約66%を占めますが、業界・用途ごとに異なる多様なサイズが共存しているのが実情です。
収納や倉庫管理に樹脂パレットを導入しようとしている方にとって、「JIS規格=どこでも通用する標準」と思い込むのは危険です。棚・倉庫スペース・運搬機器のサイズとの整合性を確認する、という手順が必須条件です。
JIS規格ではパレットの最大積載質量(耐荷重)についても区分が定められており、0.25tから1.5tまでの幅があります。収納用途で選ぶ際には、サイズだけでなくこの耐荷重の区分を必ず確認しておきましょう。
参考:プラスチックパレットの選び方について詳しく解説されている日本プラパレット株式会社の資料です。
プラスチックパレットの選び方(日本プラパレット株式会社・PDF)
樹脂パレットには、JIS規格に定められた標準サイズのほか、用途に応じた多様な寸法が存在します。以下の表でまとめて確認しておきましょう。
| サイズ(mm) | 通称・型番 | 主な用途・特徴 |
|---|---|---|
| 1100×1100×144 | T11型/イチイチパレット | 国内最多流通サイズ。汎用性が高くフォークリフト対応。 |
| 1200×1000×144 | 12型パレット | 国内2番目に多く流通。自動車・医薬品・冷凍倉庫で多用。 |
| 1100×900 | ビールパレット | ビールケース6箱が積載可能。酒類業界専用サイズ。 |
| 1220×1220 | 化学業界仕様 | ドラム缶4本を積載できるサイズ。化学品輸送に特化。 |
| 600×600/600×800 | 小型パレット | 店舗内や小規模収納に最適。軽量・扱いやすい。 |
| 1400×1100 | 大型パレット | 大型荷物・まとめ積みに対応。重量は約28kg。 |
注目しておきたいのが、600mm×600mmや600mm×800mmといった小型サイズの樹脂パレットです。これらはA4用紙を横に約2枚並べた程度の面積で、家庭の収納スペースや小規模倉庫での活用に適しています。重さも軽量なものが多く、手作業でも取り扱いやすい点がメリットです。
大型の1400mm×1100mmになると本体重量が約28kgになり、一人での移動が難しくなります。収納目的で選ぶ際は、持ち運びのしやすさも判断基準に加えるといいですね。
サイズの幅が広いからこそ、最初から「何を・どこに・どう置くか」を明確にした上で、必要な寸法を逆算して選ぶ流れが基本です。
業界によって取り扱う商品の形状・重量・衛生基準が異なるため、採用される樹脂パレットのサイズにも顕著な違いがあります。この業界別の視点は、収納用途でパレットを選ぶ際の「なぜこのサイズなのか?」を理解する上でとても参考になります。
酒類業界では1100mm×900mmの「ビールパレット」が標準です。このサイズはビールケース(500ml×24本入り)をちょうど6箱積載できる寸法で、物流効率を最大化するために最適化されています。洗浄して繰り返し使うことを前提に、ほぼ樹脂(プラスチック)製一択です。
食品業界・医薬品業界では、衛生面の要件から樹脂パレットが主流です。1100mm×1100mmの標準サイズが広く使われており、食品安全基準や医薬品GMP(Good Manufacturing Practice)への対応を考慮した設計が求められます。木製パレットでは腐食やカビのリスクがあるため、樹脂への置き換えが進んでいます。これは理にかなった選択ですね。
化学業界では、ドラム缶4本を1枚のパレットに効率よく積載できる1220mm×1220mmのサイズが一般的です。標準の1100×1100mmではドラム缶の並びに無駄なスペースが生じるため、業界専用サイズが確立されたという経緯があります。
収納目的でこの知識を活かすなら、「何をパレットに置くか」に応じた寸法の最適解を探す、という発想が参考になります。たとえばガレージ収納で灯油缶や洗剤類をまとめて置くなら、600〜900mmの小型パレットが使い勝手よく収まります。
参考:業界別パレットサイズと物流標準化の詳細はこちらで確認できます。
物流パレットのサイズ一覧を紹介!業界別のサイズも解説(キーフェル株式会社)
サイズと同じくらい重要なのが、耐荷重と本体重量の把握です。この2つを無視して選ぶと、荷物の破損・パレットの変形といった実害につながります。
まず耐荷重には2種類あります。
- 動荷重(フォークリフトなどで持ち上げて運ぶ際の最大積載重量):一般的に300〜1,000kg程度
- 静荷重(静止した状態で積載できる最大重量):一般的に1,000〜4,000kg程度
動荷重の2〜4倍が静荷重の目安です。収納目的で使う場合は動かさずに置いておくことが多いため、静荷重が直接的な基準になります。ただし、棚に段積みする場合は一番下のパレットに全重量がかかるため、静荷重を超えない使い方が必須です。
JIS規格で定められたT11型パレット(1100×1100×144mm)の耐荷重は、動荷重で1t(1,000kg)とされています。これは乗用車1台分に近い重さです。
次に本体重量です。一般的な樹脂パレットは木製(15〜40kg)よりも軽い傾向があり、同じ1100×1100mmサイズでも軽量タイプで約6〜12kg、通常タイプで12〜25kg程度と幅があります。手作業で移動させる収納シーンでは、10kg以下の軽量タイプを選ぶと作業負担を大きく減らせます。
破損した場合も注意が必要です。木製パレットは部分修理ができますが、樹脂パレットは損傷した場合に補修が難しく、基本的に交換が必要となります。耐久性が高い分、破損時の費用が一度にかかる点は覚えておきましょう。
参考:パレットの耐荷重(動荷重・静荷重)の違いについて詳しく解説しています。
木製・プラスチックパレットの耐荷重と重量の目安(キーフェル株式会社)
収納目的で樹脂パレットを選ぶ際には、物流用途とは少し異なる視点が必要です。ここでは実際の使用シーンに則した選び方を3ステップで解説します。
ステップ1:設置スペースとの寸法合わせ
まず収納場所の床面積・高さを測り、パレットを置いたときのはみ出しや間口のふさがりが生じないかを確認します。棚の下段に置く場合は棚板下の高さ(クリアランス)もチェックが必要です。よくある失敗は「パレット本体は収まったが上に置いた荷物が棚板に当たった」というケースです。
標準的な樹脂パレットの高さ(厚み)は144〜150mm程度。これはコンビニのA4コピー用紙の束約3冊分に近い厚さです。この高さ分、床から荷物が浮くことになります。床面との間に空間が生まれるため、掃除や通気性の確保という副次的なメリットもあります。
ステップ2:積載物の重量・サイズに合った規格を選ぶ
次に何を置くかに合わせて、耐荷重と天面サイズを選びます。
| 収納用途の例 | おすすめサイズ | ポイント |
|---|---|---|
| 灯油缶・洗剤・日用品のストック | 600×600mm〜600×800mm | 小型・軽量で扱いやすい |
| ガレージの重工具・タイヤ保管 | 1100×1100mm(T11型) | 耐荷重が高く安定感がある |
| 倉庫内の資材・段ボール積み | 1100×1100mmまたは1200×1000mm | フォークリフト使用も視野に |
収納物の重量が明確でない場合は、動荷重1t以上の標準タイプを選んでおくと安心です。
ステップ3:繰り返し使うかどうかを考える
長期的に使い続けるなら、耐久性・耐水性に優れた樹脂パレットはコストパフォーマンスの高い選択です。一方、短期間・一度きりの使用や引越し時などの用途なら、リサイクル樹脂製のワンウェイパレット(1枚あたり数百円〜)という選択肢もあります。
長く使う場合の目安として、樹脂パレットは適切に使えば10年以上の耐久性が期待できます。正しいサイズと規格を選べば、それだけの投資価値があると言えます。
参考:収納・物流それぞれのパレット活用術と種類の違いを詳しく解説しています。
物流業界では1100×1100mmへの標準化が国土交通省主導で進んでいます。2024年6月、官民物流標準化懇談会の「パレット標準化推進分科会」が最終とりまとめを発表し、T11型(1100×1100mm・高さ144〜150mm)が正式に「標準仕様パレット」として位置づけられました。
ところが、収納・DIY用途ではむしろこの動きとは逆に「規格外の小型サイズ」への需要が伸びています。意外ですね。
その背景にあるのは、家庭や小規模倉庫での省スペース収納ニーズです。1100×1100mmは大きすぎて家庭の収納環境には不向きであることが多く、代わりに600×800mmや900×900mm程度の中型・小型パレットが収納ラック・押し入れ・ガレージ床に使いやすいとして注目されています。
さらに近年は、押し出し成形技術の進化によって「1mm単位で寸法対応可能なオーダーメイド樹脂パレット」が登場しています。これにより、既存の棚や収納スペースのサイズに合わせた完全カスタムのパレットを導入する企業・個人も出てきています。
収納スペースの無駄ゼロを目指したい場合、このカスタムサイズという選択肢を調べてみる価値があります。製造メーカーや専門商社(例:日本プラパレット株式会社、三甲株式会社など)に問い合わせることで、対応可能なサイズ範囲を確認できます。
樹脂パレットは「物流専用品」という先入観を持たれがちです。しかし実際には、防湿・防虫・耐水性を兼ね備えた収納台として、倉庫・ガレージ・屋外収納などに幅広く応用できる素材です。規格サイズを起点にしながらも、自分のスペースに合わせた選び方を探ることが、収納効率を上げる近道になります。
参考:国土交通省によるパレット標準化の最終とりまとめ全文はこちらで確認できます。
官民物流標準化懇談会 パレット標準化推進分科会 最終とりまとめ(国土交通省・PDF)

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