

ベルベットハンガーを洗濯にも使うと、お気に入りの服が1回で色落ちする場合があります。
ベルベットハンガーとは、ABS樹脂などのプラスチック芯材の表面に、ナイロン製の起毛(フロック加工)を施したハンガーのことです。表面がベルベット(ビロード)のような柔らかい質感になっていて、衣類が滑り落ちにくいのが最大の特徴です。一般的なプラスチックハンガーでは滑り落ちてしまうキャミソールのストラップ部分も、摩擦でしっかりとホールドしてくれます。
ニトリでは「ベルベットハンガー」という商品名ではなく、「すべりにくいハンガー」シリーズとして販売しています。素材はPVCコーティングタイプや起毛タイプなど複数あり、薄型で統一感のあるデザインが収納好きから支持されています。
ベルベットハンガーの仕組みは至ってシンプルです。起毛表面の無数の細かい繊維が衣類の生地と絡み合い、滑りを物理的に防ぎます。その効果は非常に高く、シルクのブラウスや肩紐の細いキャミソールでもずれ落ちないほどです。これが原則です。
ただし、「滑らない」という特性が一部のデメリットにもつながります。後述する注意点もセットで理解しておくことが、失敗しない活用への近道になります。
| 素材タイプ | 特徴 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 起毛(ベルベット)タイプ | 柔らかい質感、強い滑り止め | ほこりがつきやすい、デリケート素材に引っかかりやすい |
| PVCコーティングタイプ | 適度な滑り止め、取り出しやすい | 経年でベタつく可能性がある |
| アーチ型(起毛なし) | 肩の型崩れ防止、ニット向き | スリムさはやや劣る |
ニトリのすべりにくいハンガーシリーズはラインナップが豊富なのも強みです。シャツ・カットソー用の標準型、肩の型崩れを防ぐアーチ型、パンツやスカート用のスラックスハンガー、子ども服向けのベビー・キッズサイズ、スカーフ・バッグ用など、衣類の種類に合わせて選べます。
ニトリのすべりにくいハンガーは複数のサイズと形状があり、何となく選ぶと収納の効率が下がります。ここでは代表的な種類と選び方のポイントを整理します。
メンズ・レディースで幅が違うという点をまず理解しておきましょう。一般的なメンズサイズは幅42cm前後、レディースサイズは幅38〜39cm前後が目安です。ハンガーの幅が肩幅より大きいと、肩の生地が伸びてポコッとした出っ張りができる原因になります。洋服の肩先の縫い目間の距離をメジャーで測り、それより2〜3cm短いハンガー幅を選ぶのが基本です。
次に、形状による使い分けが重要になります。
- 🔹 薄型すべりにくいハンガー(スタンダード型):シャツ、カットソー、ブラウス向き。奥行き約3mmと極薄で、同じパイプにかけられる本数が従来比で大幅に増えます。30本セットや40本セットでまとめ買いすると統一感が出ます。
- 🔹 すべりにくいアーチ型ハンガー:ニットやカットソー、ジャケット向き。肩の位置を広い面積で支えるアーチ形状なので型崩れしにくく、肩に「ポコッ」とした跡がつきにくいです。
- 🔹 すべりにくいスラックスハンガー:パンツ、スカート向き。バーに折りたたんでかけるタイプで、滑り止め加工のバーがボトムスをしっかりホールドします。フックの向きに注意が必要で、パイプにハンガーをかけたままボトムスを取り出せる向きのものを選ぶのが便利です。
- 🔹 すべりにくいオープンネック/省スペースハンガー:首元の広い衣類向き。首元を伸ばさずにスムーズに通せる切り込み(オープンエンド)がついているタイプです。
これが条件です。自分の衣類の種類に合わせて複数タイプを組み合わせることで、クローゼット全体の収納力と管理しやすさが一段上がります。
なお、子ども服が多い家庭では幅33.5cmのベビー・キッズ向けサイズが活躍します。大人サイズのハンガーに子ども服をかけると肩幅が大きすぎて型崩れが起きやすいため、サイズを合わせることが衣類を長持ちさせるコツです。意外ですね。
収納を極めたい人がベルベットハンガーに注目する最大の理由は、クローゼットのパイプに掛けられる服の本数が大幅に増えることです。数字で確認してみましょう。
一般的なプラスチックハンガーの奥行き(厚み)は約15mm前後。一方、ニトリの薄型すべりにくいハンガーの奥行きは約3mm。つまり単純計算で、同じパイプの長さに約5倍の本数が掛けられることになります。例えば、60cmのパイプに従来のハンガーが10本しか掛けられなかった場合、薄型ハンガーなら約25〜30本まで増やせます。これは使えそうです。
ただし、単に本数を増やせばいいわけではありません。クローゼットの収納は「8割収納」が理想とされています。パンパンに詰め込むと衣類同士が密着し、通気性が悪くなってカビや臭いの原因になります。またシワがつきやすく、クリーニング代という余計な出費につながることも。薄型ハンガーで生まれたスペースを「服を増やすため」ではなく「ゆとりのある収納」に活かすのが、賢い使い方です。
収納本数を整理するときの計算式は次の通りです。
例えばパイプが90cmなら、90÷3=30本が限界。その8割=24本が理想の掛ける本数です。24本というのは、だいたい衣装ケース1段分の衣類に相当します。
つまり「薄型ハンガーへの切り替え+服の見直し」の2ステップが、本当の収納改善につながるということですね。
ハンガーを統一するメリットはもう一つあります。見た目のスッキリ感です。バラバラな色・形のハンガーが混在しているクローゼットは、たとえ空間があっても雑然として見えます。ニトリのハンガーをホワイト系やグレー系で統一するだけで、クローゼットを開けたときの印象が大きく変わります。
ニトリのベルベット(起毛)ハンガーには、実はいくつかの重要な使用上の注意があります。知らずに使い続けると、お気に入りの服が傷んでしまう可能性があります。
最大のNG行為は「濡れた服をかけること」です。ニトリの薄型すべりにくいハンガーの商品説明には「屋内でご使用ください」と明記されており、洗濯用・外干し用としての使用は想定されていません。濡れた衣類を起毛ハンガーにかけると、起毛に含まれた水分が衣類と長時間接触し、ハンガーの染料が衣類に色移りするリスクがあります。特に赤や紺などの濃色ハンガーを使っている場合、白いシャツに薄く色がついてしまう事態になりかねません。
また、湿気が多い環境で継続使用すると起毛部分にカビが生える可能性もあります。梅雨の時期は特に注意が必要です。洗濯用のハンガーと収納用のハンガーは必ず分けて使い分けましょう。これが原則です。
もう一つの注意点はデリケートな素材との相性です。起毛表面の摩擦力は非常に強く、シルクやサテン素材の衣類をかけると、取り外しの際に繊維が引っかかって毛羽立ちや傷みの原因になります。ニット類も同様で、繊維がひっかかって毛玉が発生しやすくなります。シルクやサテンのブラウス、高級ニットには木製ハンガーか布張りハンガーのほうが適しています。
さらに、ほこりがつきやすい点も覚えておきましょう。起毛素材は静電気でほこりや衣類の毛くずが絡まりやすいという性質があります。クローゼットを清潔に保ちたいなら、月に1回程度、粘着ローラーや濡れタオルでハンガーを拭くメンテナンスが必要です。放置すると起毛が汚れてグレー色になり、衛生面でも見た目でも気になってきます。痛いですね。
まとめると、ニトリのベルベットハンガーを長く快適に使うためのルールは以下の通りです。
これだけ覚えておけばOKです。
収納好きの間でよく比較されるのが、ニトリのすべりにくいハンガーと、ドイツ製のMAWAハンガー(マワハンガー)です。両者はどちらも「滑らない薄型ハンガー」として人気ですが、特性の違いを理解しておくと選び方がクリアになります。
MAWAハンガーはPVCコーティングを採用しており、表面がラバーのようにしっとりとした質感で滑りを防ぎます。洗濯後の濡れた衣類をかけても使えるタイプがあり(公式QAで確認)、乾燥から収納まで1本で完結できるのが強みです。ただし価格は1本あたり200〜400円程度と、ニトリのハンガーより高め。20本そろえるだけで4,000円前後かかります。
一方のニトリのすべりにくいハンガーは30本セットで約700〜1,000円前後と、1本あたり約30円という圧倒的なコストパフォーマンスです。クローゼットのハンガーを全部入れ替えても2,000〜3,000円程度で完結します。収納専用として使い、洗濯用は別のハンガーを用意する運用にすれば、デメリットも最小化できます。
| 比較項目 | ニトリ すべりにくいハンガー | MAWAハンガー |
|---|---|---|
| 価格(1本あたり) | 約30〜50円 | 約200〜400円 |
| 素材 | スチール+起毛加工 or PVCコーティング | スチール+PVCコーティング |
| 洗濯兼用 | ❌ 収納専用 | ✅ 一部対応モデルあり |
| 薄さ | 奥行き約3〜4mm | 奥行き約5〜6mm |
| カラーバリエーション | ホワイト・グレーなど | シルバー・ホワイト・ブラックなど |
結論は明確です。コスパ重視でクローゼットを統一したいならニトリ、洗濯から収納まで1本で完結させたいならMAWAハンガーが向いています。家族4人分のクローゼットを全面的に切り替えるなら、ニトリで揃えるほうが現実的な出費で収まります。
なお、ニトリで購入する場合は店舗での購入のほかニトリネット(公式通販)でも取り扱いがあります。30本・40本のまとめセットは単品より割安なことが多く、一気に揃えるならまとめ買いがおすすめです。
ニトリネット公式:すべりにくいハンガー一覧ページ(各種サイズ・セット数の確認に)
ここでは、ベルベットハンガーを使って収納を本当の意味で「極める」ための実践的な活用術を紹介します。単にハンガーを変えるだけでなく、クローゼット全体の設計を変えるという視点が重要です。
まず取り組むべきは「ハンガーの完全統一」です。クローゼット内のハンガーをニトリのすべりにくいハンガーシリーズで揃えると、見た目の統一感が生まれます。ハンガーの色をホワイトまたはグレーの単色に揃えるだけで、服の色が際立ち、どこに何があるかが一目でわかるクローゼットになります。
次に効果的なのが「衣類カテゴリ別のゾーニング」です。クローゼットのパイプを左から「アウター→トップス→ボトムス→ワンピース」のように用途別に並べ、それぞれ適したハンガーを使い分けます。アウターは木製ハンガー、トップスは薄型スタンダードハンガー、ボトムスはスラックスハンガーというように組み合わせると、どこに何があるかが直感的にわかります。
さらに上級の活用法として、「ワンアクション収納」ルーティンを作ることがあります。洗濯後に乾いた衣類を取り込む際、洗濯用ハンガーからニトリのすべりにくいハンガーにその場で掛け替え、そのままクローゼットに収納する流れを習慣化します。畳む作業をゼロにできるので、家事の時間が週あたり30〜60分程度削減できる場合もあります。
クローゼットの奥行きや高さを活かした多段収納との組み合わせも有効です。ニトリでは吊り下げ式の多段スカートハンガー(5段タイプなど)も販売しており、1本のパイプスペースにスカートやパンツを5枚まとめて収納できます。通常の収納と比べると同じスペースに5倍の収納量を実現できます。これは使えそうです。
最後に、収納を維持するためのポイントもあります。ハンガーの本数を決め打ちにして、「ハンガーが満杯になったら服を1枚処分する」というルールを設けると、自然と服の総量がコントロールされます。収納は「整える」だけでなく「維持する仕組みを作ること」が本質です。
クローゼットの「見た目」と「使い勝手」の両方を整えることが、収納を極めるということですね。
収納に関する権威ある情報として、整理収納アドバイザーの実践情報が参考になります。
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