

ラップを下から巻いても、天面を覆わないと荷物が崩れます。
パレットラップとは、正式名称を「ストレッチフィルム」といい、倉庫や物流現場でパレットに積まれた荷物を固定するために使う透明な包装フィルムのことです。現場では「ラップ」「ラップ巻き」と呼ばれるのが一般的で、荷崩れ防止・汚れや粉塵の付着防止・防水という3つの役割を同時に果たします。
フィルムには自己粘着性があるため、テープなどを使わなくても端を押し込むだけで固定できます。これが作業のしやすさにつながっています。
厚みの規格はミクロン(μm)単位で表され、一般的な手巻き用は15μm〜18μmが主流です。初心者には18μmが扱いやすく、慣れた人は15μmで十分な強度が出ます。幅は450mm〜500mmが標準的で、1ロールあたり300m前後の長さがあります。フィルムの内側(巻き芯に近い面)が荷物に当たるように巻くと、フィルム同士が密着しやすく、より強固な固定になります。これは意外と知らない人が多いポイントです。
| 厚み | 用途の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 12〜13μm | 軽量・安定した荷物 | コスト安だが切れやすい |
| 15μm | 一般的な倉庫作業(熟練者向け) | 強度と経済性のバランスが良い |
| 18μm | 初心者・重量物・不安定な荷物 | 切れにくく扱いやすい |
18μmは切れにくいのが条件です。フィルムを引っ張りすぎると何μmでも切断リスクが上がるので、張力のかけ方と合わせて選ぶことが重要です。
収納・梱包の効率を高めたい方には、ストレッチフィルムの厚みや規格が詳しく解説されている下記リンクも参考になります。
ストレッチフィルムの選び方(厚み・規格の基礎知識)について詳しく解説されています。
ストレッチフィルムの巻き方と使い方 – モノタロウ
実際のラップ巻き作業は、大きく7つのステップで完結します。一つひとつの手順に意味があり、順番を変えると強度が落ちる場合があるので注意が必要です。
① 先端を細くねじる
フィルムの先端を指でつまんでねじり、細いひも状にします。幅があるままだと差し込みにくいためです。
② 荷物の間に挟み込む
ねじった先端を最下段と2段目の荷物の間に差し込み、固定します。誰かに持ってもらわなくても一人で巻き始められます。重すぎて下段に挟めない場合は、最上段と2段目の間でもOKです(その場合は上から下に巻き始めます)。
③ 一周目は弱めの力で巻く
起点が外れないよう、最初の一周は強く引っ張らずに巻きます。二周目からテンションをかけていきましょう。
④ フィルムの内側を荷物側に向けて巻く
これが強度に関わる重要なポイントです。フィルムの内側(芯側)を荷物に当てると密着力が上がります。
⑤ 1/4ずつ重ねながら下から上へ
フィルム幅の約1/4を重ねながら、下から上へ螺旋状に巻き上げます。重なる部分が下向きになるため、ゴミや雨水が入りにくい構造になります。最下段は特に荷崩れが起きやすいため、3周巻いて強度を確保しましょう。
⑥ 途中でひねりを加える
中段から上段にかけて、フィルムを2〜3回ひねりながら巻くと、フィルムのたわみがなくなりさらに強度が増します。これは意外と実践されていないテクニックです。
⑦ 最上部は2周巻いて、天面を覆うようにカット
最上段まで来たら、2周巻いて強度を固めます。カットは荷物の角を使うと持ち替え不要でスムーズです。このとき、フィルムの端が天面(上面)を覆う形になるようにカットするのが最大のポイントです。天面を覆えると時間が経っても剥がれません。
つまり「天面を覆うカット」だけ覚えておけばOKです。これを怠ると、フォークリフト作業中に他のパレットにフィルムが引っかかり、巻き直しになるケースが頻繁に起きます。
| ステップ | 作業内容 | なぜ重要か |
|---|---|---|
| ①② | 先端を挟んで固定 | 一人作業を可能にする起点づくり |
| ③④ | 内側向き・弱い力で1周目 | 密着力アップ・起点保護 |
| ⑤ | 1/4重ね・下から上 | 雨水防止と均一な強度 |
| ⑥ | 途中でひねり | たわみなし・強度アップ |
| ⑦ | 天面を覆うカット | 時間経過後の剥がれ防止 |
パレット梱包の手順と注意点が体系的にまとまっている参考ページはこちらです。
パレット ラップ巻きの手順とコツ【画像とイラストで解説】 – デバンネット
「何周巻けばいいか?」という疑問は、現場でよく耳にします。結論は荷物の種類と重量次第で変わりますが、目安を押さえておくと迷いがなくなります。
荷物の種類別・巻き数の目安
- 💡 1個5kg以下の段ボール:1段あたり2〜3周
- 💡 紙袋・不安定な形状の荷物:1段あたり4〜6周
- 💡 重量物・長尺物:下段を5周以上、中段3〜4周
強度の確認は巻き終えた後に行います。上から2段目あたりを軽く手で押してみて、荷物がぐらつかなければ十分です。動いてしまうようなら周数が不足しています。
フィルムを引っ張りながら巻くこと自体は正しいですが、引っ張りすぎると指の当たった箇所からフィルムが切れます。これは手が傷つく原因にもなります。コツは「ある程度のテンション」をかけつつ、荷物の角を回るときに力を集中させることです。角の部分は最も荷崩れが起きやすいため、角を巻き締めるイメージで力を入れましょう。
また、巻いている途中でフィルムが切れてしまったときの対処も覚えておきたいポイントです。切れた端を探すのに手間取ることがありますが、切断直前にフィルムを引っ張りながら切ると、切断面が広がらず端が見つけやすくなります。
強度確認・巻き数の考え方については、下記の実務解説が参考になります。
パレットのラップ巻き よくある質問 – デバンネット
天面(荷物の上面)の巻き方は、実は多くの人が省略しがちな工程です。しかし天面処理の有無で、輸送中の荷崩れリスクが大きく変わります。
天面巻きの基本は、最上段まで巻き終えた後にフィルムを十字またはX字に折り返し、上面を覆うように何周か引き回すことです。ポイントはフィルムに十分なテンションをかけながら引き回すことで、たるみがあると荷物の形が崩れやすくなります。
雨が降る屋外での作業や、トラックの荷台に積む場合は天面巻きが必須です。天面を巻かないと、荷物上面から雨水やほこりが入り込み、段ボールがふやけて底抜けするリスクがあります。
次に「パレット部分まで巻くべきケース」も整理しておきましょう。
- ✅ 荷物全体が軽く、フォークリフト作業時に荷物がずれやすい場合
- ✅ 紙袋など特殊な形状で、より強固な固定が必要な場合
- ✅ 湿気・粉塵・雨水からパレットごと保護したい場合
パレットまで巻く場合は、一番下の段でパレット脚をフィルムでまたぐように巻き込むことで固定力が増します。その分フィルムの使用量は増えますが、荷物の安全性が格段に上がります。
パレット部分まで巻く必要があるか判断が難しい場面では、「巻き終わりに軽く押したときに荷物全体が動かないか」をチェックするだけで十分です。動く場合はパレットまで巻くことを検討しましょう。
ラップ巻き作業は、収納や梱包が好きな人でも繰り返すうちに「腰が痛くなる」「手首が疲れる」と感じることがあります。実は、巻き方の姿勢次第で身体への負担は大幅に変わります。
最も腰に負担がかかる姿勢は、前傾みのまま腕だけを動かして巻く動作です。パレットの下段を巻くときに特にこうなりがちですが、腰をかがめる代わりに膝を曲げて腰の高さを下げるスクワット姿勢にするだけで、腰への集中負荷が分散されます。
手首についても注意が必要です。フィルムを強く握り続けると摩擦熱でやけどを負うリスクがあります。作業前に軍手またはストレッチフィルム用エンドキャップ(ロール両端に差し込む保護キャップ)を必ず装着してください。これは安全確保の基本です。
道具の面では、ストレッチフィルム用ディスペンサー(ホルダー)を使うと劇的に楽になります。ディスペンサーにフィルムをセットすると、適切なテンションを保ちながらフィルムが引き出されるため、手首や指への負担が格段に減ります。1,000円〜3,000円程度で購入できるものが多く、コストパフォーマンスは非常に高いです。
さらに大量のラップ巻き作業が続く現場では、ストレッチ包装機(自走式・ターンテーブル式)の導入も選択肢になります。装置がパレットの周囲を自動で巻いてくれるため、作業者は立っているだけでよく、腰痛の大きな原因を根本から解消できます。
- 🧤 軍手またはエンドキャップ:摩擦熱・やけど防止(数百円〜)
- 🛠️ ストレッチフィルムディスペンサー:手首・指の負担軽減(1,000〜3,000円)
- 🤖 自走式包装機(MAKiMAKiくんなど):腰痛対策・人手不足解消(大量作業向け)
作業量が多い環境に身を置く場合は、ディスペンサーの導入から検討してみましょう。Amazonやモノタロウで「ストレッチフィルムホルダー」と検索すれば複数の選択肢が見つかります。

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