グリーン調達とは何か、基準とメリットを徹底解説

グリーン調達とは何か、基準とメリットを徹底解説

グリーン調達とは何か、基準とメリットを徹底解説

グリーン調達への対応を後回しにすると、取引先から突然「契約打ち切り」を通告されるリスクがあります。


この記事の3ポイント
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グリーン調達とは何か

環境負荷の少ない製品・サービスを優先的に調達する取り組み。SDGs目標12「つくる責任・つかう責任」と直結し、サプライチェーン全体に関わります。

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グリーン調達の基準と法的背景

2025年改正のグリーン購入法では特定調達品目が22分野288品目に拡大。ISO14001などの認証取得が取引継続の条件になるケースが増えています。

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企業が得られる3つのメリット

①社会・ステークホルダーからの信頼獲得 ②取引拡大・事業成長の機会創出 ③法規制リスクの低減。今すぐ始めるほど競合優位性が高まります。


グリーン調達とは何か:基本の定義と仕組み


グリーン調達とは、企業が原材料・部品・資材・サービスなどを仕入れる際に、環境負荷の小さいものを優先的に選ぶ取り組みのことです。単に「環境にやさしい商品を買う」という消費行動にとどまらず、サプライヤー自体の環境経営への姿勢まで評価対象に含めるのが大きな特徴です。


わかりやすく言うと、同じ価格・同じ品質の部品が2社から購入できる場合、ISO14001を取得していたり、CO₂削減に積極的だったりするサプライヤーを優先して選ぶ、という行動がグリーン調達に当たります。これが一社で終わらず、サプライチェーン全体に広がることで、社会全体の環境負荷が下がっていく仕組みです。


つまり「環境に配慮した買い方」が基本です。


グリーン調達はSDGsの目標12番「つくる責任、つかう責任」とも深く結びついています。製品の原料調達から廃棄まで、ライフサイクル全体で環境負荷を低減する考え方(バリューチェーンマネジメント=VCM)の一環として位置づけられています。重要なのは、グリーン調達の対象が「自社内の活動」ではなく、取引先・サプライヤーの環境活動である点です。自社の工場を改善するだけでは不十分で、調達先まで含めた視点が必要になります。


比較項目 グリーン調達 グリーン購入 CSR調達
主体 企業(生産活動に使う原材料) 消費者・公的機関・企業の間接材 企業
対象範囲 環境負荷低減に特化 環境負荷低減に特化 環境+人権・労働・法令など
法的根拠 直接規定する法律なし グリーン購入法(2001年制定) 直接規定する法律なし
位置づけ CSR調達の一部 グリーン調達に含まれる場面も グリーン調達を内包


グリーン購入との違いは「主体」にあります。グリーン購入は消費者や公的機関が文具・オフィス機器など間接材を買う際の行動であるのに対し、グリーン調達は企業が生産に使う原材料や部品を調達する際の行動です。企業が事務用品を買う場面はグリーン購入、製品を作る部品を仕入れる場面はグリーン調達と覚えておくと整理しやすいです。


グリーン調達が必要な背景:法規制とサプライチェーンの変化

グリーン調達が急速に重要度を増している背景には、法規制の強化とサプライチェーン全体への波及という2つの大きな流れがあります。


まず法規制の面では、2001年に施行されたグリーン購入法(正式名称:国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律)が基盤となっています。この法律は国・独立行政法人に対して環境物品の調達を義務化し、地方自治体には努力義務を課しています。2025年1月の基本方針改正では特定調達品目が22分野288品目に拡大され、カーボンフットプリントの開示要件も新たに設けられました(2001年制定当初は14分野101品目でした)。


参考:グリーン購入法の制定経緯・対象品目の詳細については環境省の公式情報が充実しています。


環境省「グリーン購入法について」(特定調達品目の分野・最新基準値の確認に便利)


さらに2025年5月に成立した改正GX推進法では、CO₂排出量が年間10万トン以上の企業を対象に排出量取引制度(GX-ETS)への参加が義務化されました。脱炭素社会への移行が法的な義務となった結果、大企業がサプライチェーン全体のCO₂削減を求めるプレッシャーが一気に高まっています。


これが重要です。大企業は自社だけでなく、サプライヤーに対しても環境配慮を調達条件として課すようになっているのです。グリーン調達への対応は「自主的な取り組み」から、取引継続の前提条件へと変わりつつあります。


東商工会議所が発行した資料でも「大企業のグリーン調達により中小企業へのISO14001取得要請が高まっている」と明記されており、中小企業であっても対岸の火事ではありません。対応を先送りにするほど、取引リスクが積み上がる構造になっています。


グリーン調達の基準書と認証規格:ISO14001とエコアクション21

グリーン調達を実際に運用するには、自社の基準を文書化したグリーン調達基準書が必要です。環境省が発行する「グリーン調達ガイドライン(暫定版)」を参考にしながら、自社の業種・取り扱い品目に合わせてカスタマイズします。


基準項目 内容の概要
環境経営の評価 ISO14001等の認証取得状況、環境方針の浸透・推進体制の有無
製品含有化学物質管理 RoHS指令・REACH規則に規定される有害物質の含有・使用状況
温室効果ガス削減 製造・物流工程でのCO₂排出量の把握と削減への取り組み
情報開示と透明性 Scope3を含む環境データの開示・共有体制の整備状況


グリーン調達基準が原則です。


認証規格として代表的なのがISO14001です。環境マネジメントシステム(EMS)に関する国際認証規格で、取得することで「環境経営に積極的な企業」として対外的に証明できます。中小企業(従業員100人未満)がコンサルを活用してISO14001を新規取得する場合、一般的に初年度合計80〜150万円前後の費用がかかります(審査費用+コンサル費用の合計)。維持審査は年10〜40万円程度の継続コストが発生します。


費用面が気になる場合は、環境省が策定した国内規格エコアクション21が代替手段として有効です。ISO14001と比較して取得ハードルが低く、従業員100人未満の企業であればコンサル費用なしで30万円程度から取得できます。年間維持費も10万円程度と手軽です。取得後はロゴマークをカタログや営業資料に使えるほか、低利融資制度の利用も可能になります。


また、グリーン調達の国際的枠組みとして近年注目されているのがISO20400です。2017年に発行されたこの規格は、環境だけでなく人権・労働慣行など幅広い社会的責任の標準を定めており、グリーン調達よりも広い視野でサプライチェーン全体の持続可能性を目指します。欧州企業との取引が多い製造業などは、ISO20400への対応も視野に入れておく価値があります。


べんりねっと「グリーン調達とは?3つのメリットやグリーン購入との違いを解説」(基準書の項目例・購買管理システムとの連携方法を参照)


グリーン調達に取り組む3つのメリット

グリーン調達に本腰を入れる理由は、環境への貢献だけではありません。ビジネス面で直結する3つのメリットがあります。


① 社会・ステークホルダーからの信頼獲得


ESG投資が拡大する中、投資家は企業の環境スコアを精査するようになっています。グリーン調達を実践し、その取り組みを開示することは、株価・資金調達・採用活動のいずれにもプラスに働きます。意外ですね。一方、環境配慮に無関心な調達活動を続けると、消費者だけでなく取引先や投資家からの評価が下がり、長期的な競争力が損なわれます。


② 取引増加と事業拡大の機会


グリーン調達の実践とISO認証の取得は、今や多くの大企業が取引先選定の条件として明示しています。つまり、認証を持つ企業は「選ばれやすい企業」になれます。これは使えそうです。逆に言えば、未対応のままでいると競合他社に取引機会を奪われるリスクが高まります。環境配慮型製品の開発を通じて、従来のターゲット外だった新規市場へアクセスできる可能性も生まれます。


③ 法規制リスクの低減


化学物質規制(RoHS・REACH)や温室効果ガス排出規制は年々厳しくなっています。原材料の段階からグリーン調達を徹底していれば、突然の規制強化が発動しても慌てずに対応できます。規制への後手対応は、生産ライン停止や予期せぬコスト発生につながるため、事前対策の価値は非常に大きいです。


  • 💰 コスト:短期的には環境配慮材のコスト増が生じることがあるが、長期的には省エネ・リサイクル性向上によるコスト削減効果が上回るケースが多い
  • ⚖️ 法的リスク:RoHS・REACHなどへの違反は製品回収・販売停止につながるため、グリーン調達による予防効果は金銭的価値が高い
  • 🤝 取引リスク:対応しない場合、親会社・大手取引先からの「取引縮小・停止」通告を受ける可能性がある


グリーン調達を社内で進める実施ステップ

グリーン調達の導入は「一度やれば終わり」ではなく、PDCAを回し続けるプロセスです。大きく5つのステップで進めます。


ステップ1:グリーン調達基準書の策定


自社の環境方針・経営戦略に基づき、基準書を作成します。業種によって重視すべき基準が異なります。製造業では「製品含有化学物質管理」が最優先になることが多く、観光・サービス業では「温室効果ガス削減」が中心となるでしょう。基準書は定期的な見直しが前提であるため、「完璧に作ろうとしすぎない」ことが現実的な出発点です。


ステップ2:社内共有と実施体制の構築


経営層の承認を得て、全従業員に周知します。担当部署・責任者を明確にし、設計・調達・営業など関連部門が横断的に連携できる体制を整えることが重要です。サプライヤーに対しては説明会を開催し、新基準の目的・背景・具体的な要求事項を丁寧に伝えます。


ステップ3:サプライヤー評価


既存のサプライヤーを新しい基準で評価します。基準を満たさないサプライヤーに対しては、即座に取引停止とするのではなく、環境経営の改善を支援しながら段階的に対応レベルを引き上げる協働アプローチが長期的な関係構築につながります。


ステップ4:運用開始と継続的改善


実際に運用を始めたら、定期的に実施状況を評価し、法令改正・技術動向を反映して基準を更新します。PDCAサイクルを組み込み、形骸化を防ぐ仕組みを作ることが定着の鍵です。


ステップ5:システム活用による効率化


調達品目が多い製造業では、サプライヤーの環境評価情報・化学物質情報を手作業で管理するには限界があります。購買管理システムを導入すれば、エコマーク適合品・グリーン購入法適合品の判別を自動化し、エコ商品購買比率の可視化も可能になります。グリーン調達の進捗を経営層と共有しやすくなるため、組織全体への浸透が進みやすくなります。


ビズネット「グリーン調達の目的・基準とは?取り組むメリットや流れ、規格をわかりやすく解説」(実施ステップ・サプライヤー評価フォーマットの参考に)


収納ビジネスと意外につながるグリーン調達の視点

「グリーン調達は製造業の話」と思いがちですが、収納関連製品・サービスに関わる事業者にも無関係ではありません。これが収納好きな方にとっての隠れたチャンスです。


たとえば、収納グッズやオフィス収納システムを購入・発注する企業バイヤーの視点で考えると、グリーン購入法の特定調達品目にはオフィス家具等(第3分野)が含まれています。官公庁や自治体、国立大学、独立行政法人向けに収納製品を販売・提案する場合、グリーン購入法への適合は受注の可否を左右する条件になります。エコマーク認定を受けているかどうかが、入札参加の実質的なハードルになるケースもあります。


また、住宅・インテリア分野でも、再生材料の使用率・VOC(揮発性有機化合物)の含有量・耐久性(長寿命化)などがグリーン調達基準の評価項目になり得ます。消費者向けの収納用品ブランドとして、エコマークや第三者認証の取得を検討することは、BtoB取引での商機拡大に直結します。


さらに、収納スペースの設計・施工を手がける会社であれば、木材・金属・プラスチック素材の調達においてグリーン調達基準を策定することで、環境意識の高い企業クライアントへのアピールになります。SDGs対応を求める企業は、オフィスリノベーションの発注先にも「環境配慮」を要件として加え始めており、中小の内装業者・家具メーカーにとっても今後の差別化ポイントになるでしょう。


  • 📦 収納用品メーカー・ブランド:エコマーク認定取得でグリーン購入法適合品として公共調達市場に参入できる
  • 🏢 オフィス内装・家具業者:木材・金属の調達にグリーン調達基準を設けることで環境対応型サプライヤーとして評価される
  • 🛒 企業の購買担当者:間接材(文具・収納用品等)のグリーン購入から着手するのがSDGs推進の最も始めやすいステップ


「間接材からグリーン購入を始める」というアプローチは、実は多くの企業で推奨されています。事務用品や収納アイテムといった身近な物品は、従業員全員が関わるため社内の環境意識を高めやすく、社外への発信もしやすいというメリットがあります。エコマーク製品への切り替えはそのまま、社内SDGs推進活動の可視化に使えます。


HELLO!GREEN「グリーン購入法とは?中小企業への影響や求められる対応などを解説」(オフィス家具等の特定調達品目詳細・中小企業の対応手順の参考に)




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