

丸型の圧力計なら何でも同じ精度だと思っていませんか?実は形状によって測定誤差が最大5%以上変わり、選び間違えると設備トラブルで数十万円の損害につながります。
圧力計にはいくつかの測定原理があり、それぞれ得意とする環境が明確に異なります。まず大きく分けると「機械式」と「電気式(デジタル式)」の2系統に分類できます。
機械式の中でも最も広く普及しているのがブルドン管式です。これは1849年にフランスのエドゥアール・ブルドンが考案した方式で、断面が楕円形の金属管(ブルドン管)が圧力を受けて変形する動きを針の回転に変換します。家庭用の水道圧力計から産業用の高圧設備まで、圧力計全体の約70%がこの方式とも言われています。構造がシンプルで耐久性が高い点が強みです。
ダイヤフラム式は、薄い隔膜(ダイヤフラム)が圧力差によってたわむ動きを利用します。測定対象が粘性の高い流体や腐食性の液体・気体である場合に特に力を発揮します。食品製造ラインや薬品工場など、衛生管理が厳しい現場で採用されることが多いです。
デジタル式(電気式)は、圧電素子や半導体センサーで圧力を電気信号に変換して数値表示します。読み取り誤差がゼロに近く、0.1%以下の精度を持つ製品もあります。これは使えそうです。ただし電源が必要なため、設置環境によってはコスト面の検討が必要です。
その他にも、液体を封入したガラス管で圧力を測るマノメーター(U字管式)や、磁気を利用する磁気式なども存在します。用途に応じた種類の選択が、正確な測定への第一歩です。
| 種類 | 主な用途 | 精度の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ブルドン管式 | 一般産業・水道 | ±1〜2.5% | 安価・耐久性高 |
| ダイヤフラム式 | 食品・薬品・粘性流体 | ±1〜2% | 腐食性対応・衛生的 |
| デジタル式 | 精密測定・ラボ | ±0.1〜0.5% | 高精度・電源必要 |
| マノメーター式 | 低圧・差圧測定 | ±1% | 構造単純・視認性高 |
つまり、測定対象の流体の性質と求める精度によって種類を決めるのが基本です。
圧力計の「形状」という言葉は、大きく2つの意味を持ちます。1つは接続口(継手)の形状・方向、もう1つはケース(本体)の外形です。この2つを混同すると、購入後に取り付けができないという事態になります。
接続口の方向による分類としては、以下のパターンが代表的です。
- 💧 下接続型(ボトム型):継手が本体の真下から出るタイプ。配管から直接立ち上がる設置に最適で、最も一般的な形状です。
- ↔️ 後部接続型(バック型):継手が本体の背面から出るタイプ。壁面への取り付けや、パネルへの埋め込みに向いています。
- 🔄 前部接続型:継手が正面側から出るタイプ。特殊な配管ルートに対応します。
ケースの外形については、円形(丸型)が最も一般的で、直径は50mm・75mm・100mm・150mmが標準的なサイズ展開です。直径100mmはハガキの短辺(約100mm)とほぼ同じ大きさをイメージしてください。読み取りやすさのバランスが最も取れているサイズとして現場でも広く使われています。
角型(スクエア型)はパネルへの取り付けを前提とした形状で、取り付けスペースが規格化されている制御盤や計装パネルでよく採用されます。ネジ4本で固定するため、振動がある環境でも安定しています。
収納スペースが限られた場所に設置する場合、接続口の方向と本体のはみ出し量(突出寸法)を事前に確認することが特に重要です。後部接続型であれば本体の前後への突出が最小限になり、省スペース設置に有利です。形状が条件です。
フランジ型は配管との接続部がフランジ(鍔状の板)になっているタイプで、高圧・高温環境や、定期的な取り外しが必要な現場向けです。石油化学プラントや発電所など、JIS規格のフランジ寸法が指定される場所で使われます。
圧力計は「正位置」(メーターの文字盤が垂直になる姿勢)で使うことを前提に校正・調整されています。これを知らずに横向きや逆さまに設置してしまうと、重力の影響で指針がずれ、測定誤差が0.5〜2%程度発生することがあります。
どういうことでしょうか?ブルドン管式の場合、内部の管とその動きを伝えるリンク機構はすべて垂直設置を前提に重力バランスが取られています。横置きにすると、内部機構の自重によってゼロ点が微妙にずれます。1MPaの測定レンジで2%の誤差が出ると、0.02MPaのズレになります。産業用途では許容できない誤差になるケースも少なくありません。
ただし、横型設置に対応した専用モデルも存在します。横置き対応品は内部機構の重量バランスを補正した設計になっており、JIS B 7505-1(ブルドン管圧力計)では取り付け方向の許容誤差についても規定されています。
JIS B 7505:ブルドン管圧力計の規格(日本産業標準調査会)
設置方向の自由度が必要な現場では、ジンバル式(万能継手付き)の取り付けアダプターを使う方法もあります。これにより配管向きに依存せずに正位置設置が可能になります。設置前に「取り付け角度の許容範囲」を仕様書で確認する一手間が、長期的な測定精度を守ります。
意外ですね。形状と設置方向はセットで考えるのが原則です。
圧力計の形状や材質は、使用環境の過酷さに合わせて選ぶ必要があります。特に「高温」「振動」「腐食性流体」の3つは、機器の寿命と測定精度に直結する重要な条件です。
高温環境では、内部に充填されたグリセリンやシリコンオイルなどのダンピング液(充填液)の膨張が問題になります。通常、圧力計の使用温度上限は60〜70℃程度ですが、高温対応品では100℃以上に対応したものもあります。配管が高温になる場合はサイフォン管(凝結管)というU字型の冷却配管を接続口に挟んで温度を下げる手法が一般的です。これは必須です。
振動が多い環境(コンプレッサー周辺・車両・建設機械など)では、グリセリン封入型(リキッド充填型)の圧力計が推奨されます。グリセリンが内部の動きを減衰させ、針のブレを抑えます。振動対策を施さないと、内部のリンク機構が早期に摩耗し、2〜3年で交換が必要になるケースもあります。通常品の寿命が8〜10年とされることを考えると、大きなコスト差です。
腐食性流体(酸・アルカリ・塩水など)が測定対象の場合は、接液部(流体に触れる部分)の材質選定が重要です。標準品はSUS304(ステンレス鋼)ですが、強酸環境ではハステロイC合金やチタン製の接液部を持つ製品が必要になります。材質が条件です。
さらに、屋外設置では保護等級(IP規格)も確認が必要です。IPX4(飛沫防水)以上のモデルを選ぶと、雨水の浸入による内部腐食を防げます。形状がコンパクトでも、環境適合性が不足していれば短命に終わります。
限られたスペースへの設置を考えるとき、圧力計の「外形寸法」だけでなく「接続口の向きと配管の取り回し半径」まで含めたトータルの占有スペースで判断することが重要です。これは見落とされがちなポイントです。
最も省スペースに貢献する形状は後部接続・小径ケース(φ50mm)の組み合わせです。直径50mmはクレジットカードの短辺(54mm)よりわずかに小さいサイズです。壁面や制御パネルにフラットに収まり、前方への突出が最小限になります。ただしケースが小さいほど目盛りも細かくなるため、読み取り距離が1m以上ある現場では視認性が落ちます。
配管の引き回しに柔軟性を持たせたい場合は、スワジロック社やParker社製の圧力計継手アダプター(ロータリーコネクター付き)を使うことで、接続口の向きを後付けで変更できます。これにより既存の配管レイアウトを変えずに圧力計を追加設置できる場合があります。これは使えそうです。
また、複数の計測点をまとめて管理したい場合は、マニホールドゲージブロックに複数の圧力計をまとめて設置する方法もあります。個別に配管を引き回すよりも省スペースになり、メンテナンス時の作業性も向上します。工場の計装盤や、実験室のガス系統管理でよく採用される手法です。
収納スペースに圧力計を設置する際の確認リスト。
- 📏 本体の外径・奥行き(突出寸法)の確認
- 🔩 接続口の方向(下接続・後部接続など)の確認
- 🌡️ 周辺温度・湿度の確認(環境対応品が必要か)
- 🔧 配管の最小曲げ半径の確認(スペース内での配管取り回し可否)
- 👁️ 読み取り距離に合ったケース径の確認
必要な情報を事前にリストで整理しておくと、現場での「サイズが合わない」「配管が届かない」というミスを防げます。省スペース設置の成功は、事前の寸法確認にかかっています。
圧力計の形状・取り付け寸法については、各メーカーのCADデータを活用する方法が効率的です。例えば長野計器株式会社や、アズビル(旧山武)はWebサイトで圧力計の寸法図・CADデータを公開しています。
アズビル(旧山武):圧力計・差圧計製品一覧(設置環境別製品選定に活用)
形状だけでなく寸法図まで確認することが、スムーズな設置への近道です。

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