

カッシーナ・イクスシー LC2(ソファ)は、近代建築の三大巨匠と呼ばれるル・コルビュジエ、その従兄弟ピエール・ジャンヌレ、そしてシャルロット・ペリアンの3名によって1928年にデザインされたソファです。
当時としては先進的だったスチールパイプをフレームに用い、かご状の骨格の中に革張りの立方体クッションをはめ込む構造は、クラシックな木製ソファとは一線を画すモダニズムの象徴となりました。
ニューヨーク近代美術館(MoMA)のコレクションにも選定されていることから、単なる実用品ではなく20世紀デザイン史に刻まれた「オブジェ」であることが分かります。
「Grand Comfort(グランコンフォート、大いなる快適)」という愛称は、無駄のない直線的な造形と、厚みのあるクッションによる座り心地のギャップを象徴する言葉として定着しました。
また、コルビュジエが建築で用いた寸法体系「モデュロール」の思想が、LC2のプロポーションにも反映されているとされ、身体寸法と黄金比を意識したバランスが座ったときの安心感につながっている点は、意外と知られていないポイントです。
ル・コルビュジエ LC2 が作り出す美の構造(デザインコンセプトの参考)
ル・コルビジェ LC2 が作り出す美の構造
LC2の視覚的な特徴は、何よりもまず細く直線的に伸びるスチールフレームです。
ステンレスやスチールにクロムメッキを施したフレームは、正面から見るとほぼ線の集合に見え、ソファそのものを「構造だけを残した骨格」として表現しているかのような印象を与えます。
溶接部分は凹凸を極力排した滑らかな仕上げが求められ、光の反射が均一に美しく見えるよう研磨されているため、近くで見たときほど職人技が際立つという、ハイエンド家具らしい側面もあります。
クッションは、厚みのあるウレタンフォームやポリエステルパッディングを芯材とし、その上にフルグレインレザーや上質な本革を張り込んだ構成が基本で、適度な反発と沈み込みを両立させるダブルクッション構造が採用されています。
一般的なソファが柔らかさや包み込むような形状に向かうのに対し、LC2は硬めの座り心地とホールド感を重視しているため、短時間の着座でも姿勢が崩れにくく、応接室や社長室などフォーマルな場に選ばれてきた背景があります。
LC2ソファの特集ページ(構造・クッション性の参考)
ル・コルビジェの代表作 LC2ソファの特集
カッシーナ・イクスシーは、イタリアCassinaの正規輸入代理店として30年以上にわたり独占販売権を持ち、LC2を含むLCシリーズのライセンス生産と輸入を手がけています。
日本市場で「本物のLC2」として流通している多くは、このカッシーナ・イクスシーを経由しており、フレームの仕上げやレザーのグレード、クッションの硬さなどがオリジナル仕様に極めて忠実であることが特徴です。
モデルルーム展示品の中古市場では、ほとんど使用感のない「展示超美品」として流通するケースもあり、クッション内部材にポリウレタンフォームとポリエステルパッディングを採用した仕様など、スペックが詳細に記載されている点も、コレクターやマニアから重視されています。
また、カッシーナ・イクスシーは自社工場でのライセンス生産だけでなく、オリジナルアイテムも企画・開発しているため、ショールームに行くとLC2と他のモダン家具を組み合わせたコーディネート提案を一度に確認できるのも、購入前の大きなメリットといえます。
さらに、2025年にはiMaestriコレクションの復刻60周年として、LC2に相当するモデルにサステナブルな素材やモヘアベルベットを組み合わせた特別仕様が発表されており、名作でありながら環境配慮型プロダクトへと進化し続けている点は、今後の価値維持の観点からも見逃せない動きです。
カッシーナ・イクスシー 公式情報(ブランド・ライセンス背景の参考)
【ニュースリリース】カッシーナ・イクスシー、iMaestri復刻60周年
カッシーナ・イクスシー LC2(ソファ)は、直線的でコンパクトなプロポーションのため、一般的な3人掛けソファに比べて設置スペースを圧迫しにくく、ワンルームやミニマルなリビングにも取り入れやすい点が実用面で高く評価されています。
スチールフレームの視覚的な軽さから、ガラス天板のローテーブルやメタル脚のサイドテーブルとの相性がよく、床材がフローリングの場合はウールやコットンのラグを敷くことで、金属とレザーのクールさを程よく中和できます。
応接室やオフィスでは、LC2を2台対面させ、間にシンプルなテーブルを挟むレイアウトが定番で、着座者同士の距離が近すぎず遠すぎないため、会議や商談の場でも安心感のある距離感をつくりやすいとされています。
カラー選びについては、ブラックレザーが最もアイコニックですが、最近ではグレーやホワイト、ファブリック仕様なども展開されており、インテリア全体をモノトーンでまとめるか、あえてカラフルなアートやクッションを合わせてコントラストを楽しむスタイルも人気です。
意外なポイントとして、LC2は背もたれがそこまで高くないため、背後に大きなアートやシェルフを置いても圧迫感が出にくく、「低めのソファ+背後の壁面ディスプレイ」で空間に奥行きを出すテクニックに向いているという声もあります。
デザイナーズ家具とオフィスコーディネート(応接室での活用イメージの参考)
デザイナーズ家具の代名詞であるル・コルビジェ。応接室や社長室にマッチするコルビジェLC2ソファ
近年のカッシーナ・イクスシー LC2(ソファ)には、従来の本革仕様だけでなく、モヘアベルベットや高耐久レザーなど、環境負荷や耐久性に配慮した新素材の採用が進んでいます。
iMaestri復刻60周年モデルでは「durable(持続可能)」をキーワードとしたシリーズが展開され、LC2に相当するモデルにもサステナブルな張地が組み合わされている点から、名作家具の世界においてもエコデザインが重要テーマになっていることがうかがえます。
また、中古市場ではモデルルーム展示品や短期間使用品が多く流通しており、フレームが頑丈で張り替えも可能という構造上、張地をアップサイクル素材に変更して長く使うという楽しみ方も、今後ますます広がると考えられます。
LC2のようなデザイナーズソファは、新品購入時の価格こそ高価ですが、長期にわたる使用とリセールバリュー、さらには環境配慮型のリペアや張り替えを前提にしたライフサイクルを考えると、「長く使うこと自体がサステナブルな選択」になり得ます。
そう考えると、カッシーナ・イクスシー LC2(ソファ)を選ぶことは、単なるインテリアのアップグレードではなく、暮らし方やモノとの付き合い方を見直すきっかけにもなり得るのではないでしょうか。