

柏木工のベンチを語るうえで外せないのが、飛騨高山の家具づくりの流れをくむブランド背景です。 1943年創業の柏木工は、国内有数の家具産地である岐阜県飛騨地方を拠点とし、オーク材家具を得意とするメーカーとして知られています。 ベンチはすべて受注生産で、量販品というより「工房感覚」に近い精度でつくられている点も、愛好家から支持される理由です。
シリーズとしては、ゆったりとくつろげる「BOSS STYLE(ボススタイル)」や、自由な暮らし方に対応する「ELES(エレス)」、サイズオーダー性に富む「K WINDSOR ORDER BENCH」などがあり、同じベンチでもコンセプトが異なります。 例えばBOSS STYLEベンチは、座面に奥行きを持たせて「あぐらをかける」ほどのゆとりがあり、食事とくつろぎの両方をダイニングで完結させたい人に向いた位置づけです。 一方、ELESベンチは板座と張座が選べる仕様で、家族構成や来客の多さに合わせて長さや座面仕様を決められる、よりフレキシブルなシリーズになっています。
参考)ベンチ - 国産無垢家具は飛騨高山発の家具メーカー KASH…
意外と知られていないのが、K WINDSORのオーダーベンチに見られる「中央2本脚の設計」です。 中央の脚だけ、平らな床に置くと数ミリ浮くように設計されており、床の微妙な高低差を吸収しつつガタつきを抑える構造になっています。 これは一見欠陥のように見えてしまうこともありますが、実は長く使ったときの安定性を高めるための工夫で、量販品にはあまり見られない職人視点のディテールです。
参考)オーダーベンチ 6本脚 - 国産無垢家具は飛騨高山発の家具メ…
ベンチの樹種は主にオークとウォールナットがラインナップされており、ウォールナットは深い色合いでクールな雰囲気、オークはナチュラルで和の空間にも馴染みやすい印象になります。 同じモデルでも樹種と塗装の組み合わせによって見え方が大きく変わるため、床材やダイニングテーブルの材種と合わせて選ぶと統一感が出ます。
参考)ベンチ (板座) - 国産無垢家具は飛騨高山発の家具メーカー…
飛騨高山の家具メーカー柏木工のブランド紹介とシリーズ一覧の一部が公式サイトで確認できます。
柏木工のベンチは、オークやウォールナットの無垢材を使った板座タイプだけでなく、張座仕様やペーパーコード座面のモデルも見られます。 無垢の板座は木の量感がダイレクトに伝わり、経年変化でツヤと色味が深まっていく様子を楽しめることが大きな魅力です。 一方で、クッション性を重視したい場合はウレタン内包の張座タイプを選ぶと、長時間の着座でも疲れにくくなります。
ペーパーコードを使ったベンチは、北欧家具などでも見られる軽やかな座り心地が特徴で、柏木工でもダイニングセットの一部として採用されることがあります。 ペーパーコードは一見華奢に見えますが、適切に編み込まれた座面は荷重をうまく分散し、体圧が一点に集中しないため、板座とは違った快適さがあります。 通気性にも優れているので、蒸れにくく、夏場の着座感が軽いのもメリットです。
参考)https://hanseseed.com/detail/515974554
メンテナンス面では、板座の無垢材ベンチは、普段は乾拭きや固く絞った布での拭き掃除で十分ですが、表面仕上げによって手入れの方法が変わります。 ウレタン塗装仕上げは、汚れや水分に強く日常使いでシミになりにくい一方で、表面がコーティングされているため、自分で削って再塗装するような本格的な補修は難しくなります。 オイル塗装仕上げは、使用とともにツヤが増し、小傷も味わいに変わりやすく、必要に応じて自宅でオイルメンテナンスをしながら育てていくスタイルに向きます。
ペーパーコード座面のベンチは、濡れた布での強いこすり洗いは避け、毛ブラシや掃除機でホコリを落とす程度に留めるのが基本です。 飲み物などをこぼした際は、早めに乾いた布で吸い取り、必要に応じて軽く水拭きをしてしっかり乾燥させると、シミやカビを防ぎやすくなります。 また、直射日光が長時間当たる場所では退色や劣化が早まるため、レースカーテンやブラインドで直射日光を和らげると、座面・木部ともに寿命を延ばしやすくなります。
ペーパーコード座面の手入れや特徴については、北欧家具などを扱う専門店の記事もあわせて参照すると、実践的なメンテナンス方法を把握しやすくなります。
柏木工ダイニングベンチ(ペーパーコード仕様)の商品説明ページ(座面仕様とサイズ)
ダイニングにベンチを取り入れる最大の利点は、省スペースでありながら「座れる人数を柔軟に増やしやすい」ことです。 背付きベンチなら壁付けに配置して背もたれ代わりにしつつ空間をすっきり見せることができ、背なしベンチならテーブルの下に収めて動線を広く取ることが可能です。 柏木工のBOSS STYLEベンチは奥行きが約535〜645mmとゆったりしており、ソファに近い座り方ができるため、ダイニングで食事後もそのままくつろぎたいライフスタイルと相性が良いとされています。
住賓館の比較記事では、柏木工のBOSS STYLEベンチを含む3種類の背付きベンチを並べて検証しており、ワイド幅1400mmで大人3人が座れるサイズ感ながら、デザインの抜け感のおかげで空間を圧迫しない点が指摘されています。 背板が腰から背骨下部を支える形状になっているため、浅く座っても深く座っても姿勢が安定し、長時間座っても疲れにくい座り心地がレビューされています。 ベンチをテーブル片側に置き、反対側をチェア2脚にする「ベンチ+チェア」の組み合わせにすると、来客時は子どもを含めて4人がけのように詰めて座ることもでき、ふだんはチェア側を主に使うといったメリハリをつけることもできます。
参考)https://www.jyuhinkan.co.jp/style_web/style0067.html
意外な使い方として、ロングベンチをエントランスホールや廊下のアクセントに置く例も見られます。 幅2100mmクラスのロングベンチは、それ自体が存在感のあるオブジェのようになり、座る家具であると同時にディスプレイ台としても機能します。 ダイニングテーブルセットとして使わなくなった後も、寝室の足元や窓辺に移して使い続けられるため、ライフステージが変わっても活躍の場を変えやすいのがベンチの強みです。
参考)https://item.rakuten.co.jp/underground/10007745/
日本の住空間では、ベンチの奥行きが深すぎると動線を圧迫しがちなので、ダイニングテーブルのサイズと通路幅を事前に採寸しておくことが重要です。 通常、テーブル端から壁まで80〜100cm程度確保できると、人がすれ違いやすくなりますが、BOSS STYLEのような奥行きの深いベンチを選ぶ場合は、テーブルを若干コンパクトにする、もしくは片側だけをベンチにするなどレイアウトでバランスを取ると快適です。
背付きベンチ3種(うち1つが柏木工)の比較レビューは、ダイニングレイアウトや座り心地の違いを把握するのに参考になります。
住賓館「背付きベンチ3種比較」(BOSS STYLEベンチの座り心地とサイズ感)
柏木工のベンチは新品でも長く使える品質を備えていますが、中古市場やアウトレット品を狙うことで、手が届きやすい価格で導入できるケースも増えています。 楽天市場やユーズド家具専門店では、WILDERNESS(ウィルダネス)ベンチやオーク材のダイニングベンチが出品されており、無垢材ゆえの小傷はあるものの、使い込むほどに味わいが出ると評価されています。 また、価格改定前セールのタイミングでは、BOSSベンチが値上げ前価格で提供されるなど、タイミング次第で新品でもお得に購入できることがあります。
中古でチェックすべきポイントは、木部の割れ・反り・大きな打痕の有無と、座面のへたり具合です。 無垢材の小さなキズや擦れはオイルケアやサンディングである程度目立たなくできる一方で、脚の接合部のぐらつきや座面の大きな割れは修理コストがかさみやすい部分です。 ペーパーコード座面の場合は、コードの切れや大きなたわみがないか、座ったときに極端に沈み込まないかを確認すると安心です。 なお、柏木工のベンチは構造がしっかりしているため、表面的な傷があってもフレーム自体の耐久性が保たれていることが多く、長く使える前提で中古を選びやすいブランドと言えます。
参考)https://item.rakuten.co.jp/rocca-clann/1493886/
アウトレットや展示品の場合は、日焼け跡や展示中についた小傷が値引きの理由になっていることが多く、構造的な問題がないかどうかを店舗スタッフに確認するとよいでしょう。 メーカー直営や正規販売店経由のアウトレットであれば、型番や仕様がはっきりしているので、後から張地を張り替えたり、オイルメンテナンスを施したりといったケアの相談もしやすくなります。
中古・アウトレット品を検討する際は、事前に公式サイトで現行モデルの仕様(サイズ・材種・塗装)を確認しておくと、掲載写真だけではわかりにくい部分もイメージしやすくなります。 たとえば、幅2100mmのロングベンチなど大型サイズは、新築時の図面を見返しながら搬入経路も含めて検討しておくと、購入後の「置けなかった」を防ぎやすくなります。
柏木工製ベンチの中古情報や仕様をチェックする際には、各ショップの詳細ページと合わせて、公式のスペック表を見ると安心です。
飛騨高山 柏木工 WILDERNESS ベンチ(楽天・中古商品ページ例)
柏木工のベンチは「ダイニングで座る家具」としてだけでなく、暮らしのなかで役割を変えながら長く付き合えるのが大きな魅力です。 例えば、子どもが小さい時期はダイニング側にベンチを置くと、親子で横並びに座って食事や宿題ができ、成長してライフスタイルが変わったら、ベンチをワークスペースや窓際に移動させて読書用シートとして使う、といった転用がしやすくなります。 背付きベンチであれば、クッションやブランケットを加えて簡易ソファのように使うこともでき、来客時には玄関ホールや客間に一時的に移動しても絵になるのが、デザイン性の高い飛騨家具ならではの強みです。
無垢材のベンチを長く楽しむうえで、意外に効くのが「季節ごとのファブリックの掛け替え」です。 夏場はリネンやコットンの薄手クッションを少なめにして木のひんやり感を楽しみ、冬場はウールのブランケットや厚手クッションで体への当たりを柔らかくしつつ、木部への直触れを減らすことで乾燥によるひび割れリスクも緩和できます。 また、経年でできた小傷を「味」として生かすために、あえて一点の傷を起点に家族でメモリーを刻んでいく、という楽しみ方もあります。たとえば、子どもの成長記録をベンチの underside(裏面)に日付だけ小さく鉛筆で書き込むといった工夫は、第三者からは見えない「家族だけの履歴」として機能し、家具への愛着を高めてくれます。これは、長く同じ家具を使う家庭ならではの楽しみ方です。
さらに、K WINDSORのオーダーベンチのようにサイズバリエーションが豊富なモデルでは、将来のレイアウト変更を見越してあえて短めサイズを選ぶ、という考え方もあります。 大きめのテーブルに対してややコンパクトなベンチを組み合わせると、端にサイドテーブルや観葉植物を置く余白が生まれ、ダイニングにくつろぎのコーナーをつくりやすくなります。 無垢材家具は一度購入すると何十年単位で使えるため、「今の生活にぴったり」ではなく「数年後の自分たちにもフィットしそうか」という視点でサイズやシリーズを選ぶことが、結果的に満足度の高い買い物につながります。
国産無垢家具を長く使うための基本的な考え方や手入れのポイントは、木製家具メーカー各社のコラムでも紹介されています。 柏木工のような飛騨家具メーカーは、公式サイトやカタログでメンテナンスの考え方に触れていることも多いため、購入前後に目を通しておくと、日常の扱い方の指針として役立ちます。
参考)https://www.mdpi.com/1996-1944/16/8/2987/pdf?version=1681030749