

フランスベッドの介護向けリクライニングチェアは、「くつろぎ用のリクライニングチェア」と「自立支援を目的とした福祉用具」の中間に位置するような設計思想を持っています。 一般的な家具店のリクライニングチェアは背もたれを倒し足を上げてリラックスすることを主眼にしていますが、介護向けモデルでは立ち上がりをサポートするリフトアップ機構や、狭い日本の住宅にも置きやすい寸法設計が重視されています。
近年のモデルでは、座面が前方かつ上方へ「せり上がる」リフトアップ動作により、利用者の膝や腰に負担をかけず、ほとんど立位に近い姿勢まで持ち上げる構造が採用されています。 これにより、従来は介助者が腰を深く曲げて引き上げていた動作を、チェアの電動駆動に任せられるため、介護職や家族に多い腰痛リスクの低減にもつながるとされています。
参考)お知らせ - 在宅介護・医療 - フランスベッド株式会社
また、フランスベッドはベッドやマットレスのメーカーとしてのノウハウを活かし、長時間座位を続ける利用者のために、背もたれと座面の角度変化が連動するよう設計したり、仙骨部への荷重集中を抑えるフォーム材を使うなど、床ずれや姿勢崩れへの配慮が見られます。 家具としてのデザイン性も意識されており、リビングに置いても医療機器っぽさが出にくい張地やカラー展開が選べる点も、家族との共用空間に設置しやすい要素と言えるでしょう。
参考)フランスベッド株式会社
さらに、介護保険の福祉用具レンタル対象としてラインアップされている機種もあり、購入ではなく月額レンタルで導入できる点も一般家具との大きな違いです。 条件を満たせば、自己負担を抑えながら高機能なリクライニングチェアを試せるため、「まずは介護ベッドではなくチェアから環境を整えたい」というケースにも適しています。
フランスベッド公式サイト(製品全般の情報や介護事業の概要に関する参考)
フランスベッド株式会社公式サイト
フランスベッドの介護リクライニングチェアには、背もたれと脚部のリクライニング機能に加えて、立ち上がりを助けるリフトアップ機能や、座面が前傾するチルト機構など、介護動作に合わせた機能が複合的に搭載されています。 電動式の場合、リモコン操作でゆっくりと姿勢を変えられるため、体調に合わせて細かく角度を調整したい高齢者に向いています。
チェックすべきポイントとしてまず挙げられるのが「座面高」です。一般に、膝関節が約90度前後になる高さが立ちやすいとされ、身長159cm程度の方で座面高42cmといった具体的な使用例が紹介されていますが、実際には身長や下肢筋力によって適正高さは変わります。 電動昇降機能付きのモデルであれば、その日ごとの体調変化にも柔軟に対応できるため、パーキンソン病などオンオフの差が大きい利用者にも推奨されています。
次に重要なのが「リクライニング角度」と「背・座の連動性」です。背もたれだけ深く倒すとずり落ちを起こしやすくなりますが、背と脚部が連動する構造や、セミファーラー位(背上げと膝上げを組み合わせた半座位)に近い姿勢を取れると、呼吸が楽で嚥下もしやすく、内臓への負担も軽減されるとされています。 介護ベッドで推奨される姿勢理論をチェアでも応用するイメージで、食事用・テレビ視聴用・昼寝用など、目的に合わせたポジションが作りやすいかを確認するとよいでしょう。
忘れがちですが、「肘掛けの形状と強度」も立ち上がりのしやすさに直結します。安定して体重をかけられる幅広の肘掛けは、立ち上がる際の支点になり、筋力の低下した高齢者が自分のペースで動き出すのを支えてくれます。 一方で、肘掛けが高すぎると肩がすくみ、長時間の座位で肩こりや頸部のこわばりを招くこともあるため、試座してみて肩が自然な位置にあるか確認したいところです。
参考)介護ベッドでよい寝心地姿勢を保つには?「セミファーラー位」 …
また、リフトアップチェア「セパラ」のように、座面がゆっくり前上方に傾斜する製品では、膝を前に踏み出す動作を促すような軌跡が設計されており、「持ち上げられる」というより「自分で立ち上がるきっかけをもらう」感覚に近いと評価されています。 このような自立支援型の機能は、利用者の成功体験を積み重ね、ADL(日常生活動作)を維持するうえでも見逃せないポイントです。
参考)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000064.000096896.html
フランスベッド「リフトアップチェア セパラ」に関する公式リリース(立ち上がり補助機能や仕様の参考)
フランスベッドが新型リフトアップチェア「セパラ」を展開
介護向けリクライニングチェアというと、利用者側の快適性に目が向きがちですが、実は介助者側の腰痛対策としても重要な役割を担っています。 立ち上がり動作の多くは前かがみ姿勢で腰に強い負荷をかけるため、看護師や介護職の腰痛リスク要因として国際的にも指摘されており、負荷軽減のための補助デバイスの有効性が研究されています。
フランスベッドのようなリフトアップチェアは、座面自体が大きく前上方に動き利用者の重心を高く前方に移動させるため、介助者は「持ち上げる」のではなく「最後の一押しを支える」程度の力で立位を完了させられます。 この違いは小さく見えて、1日に何十回も立ち座りをサポートする在宅介護や施設では、年間を通じて大きな身体負担の軽減につながります。
さらに、チェアで適切な座位姿勢を保てるようになると、ベッド上での介助頻度自体が減るケースもあります。例えば、食事・テレビ・書き物・来客対応などをベッド上ではなくリビングのチェアで行えるようになると、寝返り介助や体位変換のタイミングが変わり、夜間の介護負担が集中しにくくなることがあります。 こうした「生活シーンの分散」は、介助する家族が精神的に追い詰められにくくなる点でも見逃せません。
参考)https://jsalutogenic.com/index.php/jsa/article/download/11/9
意外なポイントとして、リクライニングチェアで安定した座位を保てるようになると、座り直し介助の回数が減ることが挙げられます。リクライニング車椅子でも、適切な姿勢調整や座り直し方法が専門職から解説されており、正しいセッティングにより利用者・介助者双方の負担軽減が期待できるとされていますが、同様の考え方はリクライニングチェアにも応用可能です。 座面形状やクッション選びまで含めてチューニングすることで、「なんとなく座りにくい」「すぐにずり落ちる」といった不満を減らせるでしょう。
介護職向けの腰痛予防・介助技術に関する解説(座り直しや負担軽減の考え方の参考)
【実は簡単】リクライニング車椅子の座り直し介助方法
フランスベッドの介護向けリクライニングチェアの一部は、介護保険の福祉用具レンタル対象として提供されており、条件を満たせば1割~3割負担で導入できるケースがあります。 事業所によって料金設定は異なりますが、介護用リクライニングチェアが月額数百円台からレンタル可能な事例も紹介されており、購入に比べて初期コストを大きく抑えられるのが特徴です。
レンタルで導入するメリットは、費用面だけではありません。要介護度や身体状況の変化に応じて機種を変更しやすく、「いまは立ち上がり補助重視」「今後はより深いリクライニング重視」など、ステージに合わせた乗り換えが現実的になります。 一方、利用しなくなった際に返却できるため、住宅内のスペースを占有し続けるリスクも小さく済みます。
導入の際には、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員と相談し、ベッド・トイレ・洗面など生活動線の中でチェアをどこに置くと介護がスムーズになるかを一緒に検討するのが理想的です。 例えば、介護ベッドとリクライニングチェアを同じ部屋内に配置し、日中はチェアで過ごし、夜間はベッドで休むといった使い分けをすることで、身体機能を活かしながら負担も分散できます。
また、レンタルと購入の境目として、「長期的に使用する見込みが高いか」「ほかの家族も将来利用する可能性があるか」という点が現場の判断材料になります。 在宅介護が長期戦になりそうな場合、最初はレンタルで使用感を確かめ、使い勝手が良ければ近い機能の製品を購入するという段階的な導入も検討の余地があります。
介護椅子レンタルや選び方の解説(レンタル条件や機能選択の考え方の参考)
介護椅子はレンタルできる!選び方やレンタルできる条件を解説
フランスベッドの介護リクライニングチェアは、医療・福祉機器としての機能性だけでなく、リビングや寝室のインテリアになじむデザイン性も意識されています。 これは「いかにも介護用品」と見えることで本人が自尊心を損ねたり、家族がゲストを招きにくくなったりする心理的ハードルを下げるうえで、じつは重要なポイントです。
近年の高齢者住宅研究では、高齢者本人が長く過ごすリビングや居室のデザインが、生活の満足度や安全性、さらには健康状態にも影響しうることが指摘されています。 フランスベッドのようにもともとインテリア業界で培ったデザインの知見を持つメーカーが、介護リクライニングチェアにも木部や張地の質感、カラーリングを取り入れているのは、まさに「生活の場」と「ケアの場」の境界をなめらかにする試みと言えるでしょう。
インテリア目線で考えるときは、以下のような点を意識すると空間に溶け込みやすくなります。
また、介護ベッドと組み合わせる場合、ベッドが椅子形状になるタイプ(ベッドからチェア姿勢まで変形する製品)との併用や置き換えも検討できます。 ベッドとチェアをうまく使い分けることで、「寝るための場所」と「活動する場所」を視覚的にも分けやすくなり、日中の覚醒レベルを保つ助けにもなります。
高齢者の住環境デザインに関する学術的な解説(インテリアとケア環境の関係性の参考)
Upgrading the living Space of the elderly person: towards a healthcare design

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