細胞治療 学会2026最新動向と医療従事者が押さえるべき基礎知識

細胞治療 学会2026最新動向と医療従事者が押さえるべき基礎知識

細胞治療 学会の基礎知識と核心ガイド

細胞治療学会の2026年最新動向と実務要点
iPS細胞由来製品が保険適用へ

2026年3月、パーキンソン病・心不全治療のiPS細胞由来製品が条件付承認され、秋から保険診療が開始される見込みです。

検証型診療ガイドライン策定が進行

日本再生医療学会は自由診療の安全性確保に向け、科学的根拠に基づく検証型診療の枠組みと5段階評価制度を導入中です。

CAR-T療法は保険適用で高額療養費対象

薬事承認済みのCAR-T細胞療法は保険診療となり、高額療養費制度により患者負担は所得区分に応じた月額上限に抑えられます。


細胞治療に関わる主要学会と2026年開催スケジュール


2026年の主要イベントとして、第25回日本再生医療学会総会は2026年3月19〜20日に神戸国際会議場で開催され、「希望の光を失わせない」をテーマに最新の再生医療研究と臨床応用が議論されました。 第32回日本遺伝子細胞治療学会学術集会は2026年7月23〜25日にグランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)で開催予定です。 日本造血・免疫細胞療法学会総会は2027年3月に横浜開催が予定されています。
square.umin.ac(https://square.umin.ac.jp/jsgct2026/program.html)
国際的な連携も強化されており、ISCT(国際細胞・遺伝子治療学会)と日本再生医療学会は2026年3月に5年間の共同戦略的連携を締結。2026年に神戸で開催される第25回日本再生医療学会総会を皮切りに、毎年共催イベントを開催する計画です。 ISCT Asia 2026 Regional Meetingはシンガポールで開催され、JSRM会員には15%割引の登録料が適用されます。
jsrm(https://www.jsrm.jp/news/news-17692/)


2026年承認の細胞治療製品と保険適用の現状

2026年3月6日、世界初のiPS細胞由来の再生・細胞医薬品2剤が日本で承認されました。パーキンソン病治療薬「アムシェプリ」と心不全治療機器「リハート」の2剤で、いずれも「条件および期限付承認」の制度を適用されています。
p-als(https://p-als.com/news/specialist/ipsdevwlopmentreport20260518.html)
パーキンソン病治療薬の治験では、6名の患者のうち4名に症状の改善が認められ、医療画像技術にて被殻のドパミン神経活動の増加が確認されています。2026年5月13日に患者1人あたり5530万6737円の薬価が決定され、同月20日から保険適応が開始。実際に治療が始まるのは2026年秋頃とみられています。
p-als(https://p-als.com/news/specialist/ipsdevwlopmentreport20260518.html)
CAR-T細胞療法については、2026年7月時点で薬価基準に収載されている(保険診療で薬価が定められている)製品は、キムリア・イエスカルタ・ブレヤンジ・アベクマの4製品です。 薬価は1回あたり約3,000万円〜3,500万円規模と非常に高額ですが、高額療養費制度の対象となるため、患者の実質負担は所得区分に応じた月額上限に抑えられます。
3i-partners.co(https://3i-partners.co.jp/cancer/treatment/ketuekigan-car-tsaibouryouhou/)

製品名(一般名) 適応疾患 薬価(1回分) 保険適用
キムリア(チサゲンレクルユーセル) 急性リンパ性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫 約3,349万円 あり
イエスカルタ(アキシカブタゲンシロルユーセル) びまん性大細胞型B細胞リンパ腫など 約3,000万円台 あり
ブレヤンジ(リソカブタゲンマラルユーセル) びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫 約3,510万円 あり
アベクマ(イデカブタゲンビルユーセル) 多発性骨髄腫 約3,000万円台 あり
カービクティ(シルタカブタゲン オートルユーセル) 多発性骨髄腫など(一部変更承認審議中) 非公表 審議中

2025年度の承認件数は6件で、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、栄養障害型表皮水疱症、重症心不全、パーキンソン病、外傷性脳損傷、変形性膝関節症が対象でした。うち4件は希少疾病用再生医療等製品です。
kansaibolab(https://kansaibolab.com/column/kansaibo-chiryo-hoken/)


自由診療と検証型診療の区別:神戸宣言2026とYOKOHAMA宣言2025

細胞治療・再生医療領域において、医療機関が提供する治療には大きく分けて2つの枠組みがあります。1つは国の審査を経て承認された「再生医療等製品」で、こちらは保険診療の対象となり得ます。もう1つは、医療機関が再生医療等提供計画を届け出て自由診療として提供している幹細胞治療で、こちらには公的医療保険は使えず、費用は全額が自己負担となります。
kansaibolab(https://kansaibolab.com/column/kansaibo-chiryo-hoken/)
2026年3月に発表された「神戸宣言2026」では、再生医療の有効性を5段階で評価・公開する新制度が注目されました。科学的根拠に基づき、治療を「治験後」「先進医療後」など信頼性に応じて5段階で分類し、PRPや幹細胞治療(MSC)などの治療ごとに評価ランクを公開する仕組みです。
saiseiiryou.wellness-sp.co(https://saiseiiryou.wellness-sp.co.jp/prp/jsrm-25th-evidence-levels.php)

  • ランク1:治験後(第III相試験完了・承認申請前)
  • ランク2:先進医療B完了後
  • ランク3:先進医療A実施中または臨床研究完了後
  • ランク4:症例報告・小規模臨床研究あり
  • ランク5:基礎研究段階またはエビデンス不十分

KOBE宣言2026(日本再生医療学会)


医療従事者が学会に参加登録する際の実務ポイント

細胞治療・再生医療関連の学会に参加する医療従事者は、医師・看護師・HCTC(造血細胞移植コーディネーター)など多職種にわたります。日本造血・免疫細胞療法学会では、医師(認定医)・看護師・HCTC向けの認定制度を運用しており、専門性の向上と質の担保を図っています。
jstct.or(https://www.jstct.or.jp/modules/meeting/)
参加登録の方法は、多くの学会でオンラインのみでの受付となっています。第25回日本再生医療学会総会の参加登録は、早期参加登録が2026年1月16日〜2月27日正午、通常参加登録が2月27日正午〜3月21日まで受け付けられました。支払方法はクレジットカード決済のみです。
pharma-com(https://www.pharma-com.jp/jp/events/event/jsrm25)
参加費の目安として、第17回国際抗老化再生医療学会学術大会(2026年11月29日、東京国際フォーラム)では、一般12,000円(8/31まで10,000円)、WAARM会員10,000円(8/31まで8,000円)と設定されています。 大規模な学会総会では、非会員で30,000円〜50,000円程度、会員で20,000円〜35,000円程度が相場です。
waarm.or(https://waarm.or.jp/7051/)
ISCT Asia 2026のような国際会議では、JSRM会員限定で15%割引の登録料が適用されるなど、所属学会の会員特典を活用することで参加コストを抑制できます。 企業ブース出展や共催セミナーも多数開催されるため、最新の製品情報や製造技術の動向を把握する機会としても有用です。
jsrm(https://www.jsrm.jp/news/news-18117/)


細胞治療の臨床応用と今後の展望:パーキンソン病・1型糖尿病・網膜疾患

2025年から2026年にかけて、パーキンソン病・1型糖尿病・網膜疾患・血小板輸血の4分野で人を対象とした初期段階の試験結果が相次いで報告されました。いずれも参加者は一桁から十数人の規模ですが、再生医療の実用化に向けた重要なマイルストーンとなっています。
kansaibolab(https://kansaibolab.com/column/saisei-iryo-saishin-jouhou/)
パーキンソン病では、iPS細胞由来のドパミン神経前駆細胞を移植する治療で、6名の患者のうち4名に症状の改善が認められました。医療画像技術にて、被殻のドパミン神経活動の増加が確認されており、2026年3月の条件付承認を経て、2026年秋から実際の治療が開始される見込みです。
p-als(https://p-als.com/news/specialist/ipsdevwlopmentreport20260518.html)
1型糖尿病では、iPS細胞由来の膵島細胞を移植する治療で、12人中10人がインスリン不要になる成果が報告されました。網膜疾患では、加齢黄斑変性や網膜色素変性症に対するiPS細胞由来の網膜細胞移植試験が進行中です。血小板輸血では、iPS細胞由来の血小板を輸血する治療で、安全性と有効性が確認されています。
kansaibolab(https://kansaibolab.com/column/saisei-iryo-saishin-jouhou/)
MSC(間葉系間質細胞)の呼称については、近年、治療に使用する培養細胞を"Mesenchymal Stem Cell"(間葉系幹細胞)と呼称するのは不適切であり、"Mesenchymal Stromal Cell"(間葉系間質細胞)と呼称すべきという国際的なコンセンサスが形成され、日本再生医療学会も2025年5月30日付で公式文書における表記を「間葉系間質細胞」に統一する方針を公表しました。
rena-cell(https://rena-cell.com/cell/about/)
再生医療の最新情報2026|世界の臨床試験がどこまで来たか(幹細胞ラボ)




細胞治療認定管理師制度指定カリキュラム 第2版