

MDFのチェストを買うと、2〜3年でカビや変形が起きて衣類がダメになることがあります。
チェストを選ぶとき、デザインやカラーに目が行きがちですが、実は素材こそが収納品の品質を左右する最大のポイントです。北欧スタイルのチェストとして市場に並ぶ製品の多くは、大きく「MDF・木質繊維板系」「天然木(無垢材・突板)系」「桐材」の3タイプに分けられます。
素材別の主な特徴
MDFは安価で見た目もきれいですが、問題は耐久性です。湿気に弱く、3〜5年での変形やカビ発生が報告されています。これは大切な衣類を守る収納家具としては致命的なデメリットです。
天然木のチェストは初期費用が高くなりますが、適切にメンテナンスすれば20年以上使える耐久性があります。つまり、2〜3万円のMDFチェストを5年で買い替えるより、6〜10万円の天然木チェストを長く使うほうが、長期コストも低く抑えられるということです。
北欧インテリアに使われる木材としては、明るく爽やかな印象のオーク材・アルダー材・ビーチ材が主流です。深い色合いを好む場合はウォールナット材も北欧モダンとして成立します。「白木でなければ北欧じゃない」というのは誤解で、飽きのこないシンプルな形と木のナチュラルテイストが揃えば、色味はある程度自由に選べます。
素材が基本です。まずここを見極めてから、デザインや価格を検討する順序が失敗しないコツです。
参考:チェストの素材について詳しく解説されています。桐をはじめとした各素材の特性が比較できます。
「北欧風でおしゃれだから」という理由だけでチェストを選ぶと、後になって「引き出しが深すぎて底の服が取り出せない」「浅すぎてニットが入らない」という問題が起きがちです。引き出しの深さと段数は、何を収納するかで決まると覚えておけばOKです。
衣類別・引き出しの深さの目安
よくある失敗は、深引き出し1杯に衣類を詰め込みすぎて「どこに何があるかわからない」状態になること。引き出し深さが30cmを超えると、下に積まれたものが取り出しにくくなり、実質デッドスペースが生まれます。
一般的な整理チェストの引き出し奥行きは35cm前後が標準で、ここに普通のTシャツをたたんで縦置きすれば、1段に8〜10枚が余裕をもって収まります。これは、ちょうど文庫本を本棚に並べるイメージに近いサイズ感です。
引き出しの段数については、「浅い段が多いタイプ(4〜6段以上)」のほうが小分け収納しやすく、カテゴリ管理がしやすい傾向があります。一方で、段数が少なくて各引き出しが深いタイプはニットやアウターなど大型の衣類に向いています。収納したいものが多岐にわたる場合は、浅・深の引き出しが混在しているチェストを選ぶのが合理的です。
また、注意したいのがレール付き引き出しの収納ロスです。スライドレールを内側に取り付けると、引き出しの内寸幅が左右それぞれ2〜3cm程度狭くなります。たとえば本体幅80cmのチェストでも、レール付きなら実際の収納幅が74〜76cm程度になることがあり、積み重ねると無視できないロスです。見た目のサイズと実際の収納量を確認する癖をつけましょう。
浅・深を組み合わせるのが原則です。収納したいものをリストアップしてから、引き出しの深さ構成を選びましょう。
参考:引き出しの深さを目的別に詳しく解説しています。衣類の種類ごとの最適な深さがわかります。
引き出しの深さはどれがいい?最適な深さを目的別に解説【Cove Earth】
北欧スタイルのチェストを買ったのに、なんとなく部屋がしっくりこない。そんな経験がある人は多いはずです。実は、チェスト単体がおしゃれでも、部屋全体の配色ルールを外すと空間が落ち着きのない印象になってしまいます。
北欧インテリアに共通する配色の基本は「ベースカラー:メインカラー:アクセントカラー=6:3:1」の三色ルールです。これは部屋全体で使う色を3色以内にまとめる原則で、この割合を守るだけで空間がまとまって見えます。
北欧チェストを軸にした配色の考え方
特に注意したいのが、フローリングの色とチェストの色の組み合わせです。明るいオーク材のフローリングに同系色のオーク材チェストを合わせると、メリハリが出にくく「なんとなく地味な部屋」になりがちです。その場合は、チェストの色を少しトーンを変えてグレーやホワイト系にするか、チェスト天板やハンドル(取っ手)部分にアクセントを加えると締まります。
北欧風チェストとしてよく選ばれるカラーと組み合わせのポイントを整理すると、次のようになります。
チェストを置く場所の選定も重要です。視線が集まりやすい壁面に置く場合は、天板の上に観葉植物や北欧雑貨をさりげなく飾るだけで、チェストが「生活感を感じさせない収納インテリア」として機能します。
色の法則を守るだけで変わります。チェストと床・壁の色の対比を意識するのが北欧スタイルの早道です。
参考:北欧インテリアの配色ルールや差し色の取り入れ方が詳しく解説されています。
収納を極めたい人が見落としがちなのが、チェストの「天板」の使い方です。多くの人がチェストを純粋に「引き出しの中にしまう家具」として使いますが、北欧インテリアにおいてはチェストの天板こそが空間のメインステージになります。これは意外と重要なポイントです。
北欧スタイルの部屋写真を見ると、チェストの天板にはほぼ必ずといっていいほど「グリーン(観葉植物・ドライフラワー)」「キャンドル」「お気に入りの本やアート作品」などが飾られています。これは「隠す収納」と「見せるディスプレイ」のバランスを意図的に作り出すためです。
天板上のディスプレイにはひとつ実践的なルールがあります。アイテム数は「奇数(1点・3点・5点)」で揃えると、人間の視覚的に自然なバランスに見える傾向があります。これはディスプレイデザインの基本で、偶数の配置はどこか対称的で固い印象を与えます。
北欧チェスト天板の飾り方の例
また、北欧の収納スタイルとして特筆すべきなのが「生活感を消すための仕組みづくり」という考え方です。レシートや郵便物、電池や薬などが出しっぱなしになりがちなリビングには、チェストの引き出し1段を「リビング管理ゾーン」として専用化するとすっきり保ちやすくなります。1段を開けるだけで「今日やること」の道具がすべて揃う状態を作るのが北欧的な整理の思考です。
チェストの天板に物を置きすぎてごちゃついてしまう問題は、「天板ディスプレイ専用の小トレー」を1枚置くことで解決できます。トレーの中だけに物を収める、というルールを作ると、自然と天板がすっきりした状態を維持しやすくなります。これは使えそうです。
さらに実践的なポイントとして、チェストの向きにも注目してみましょう。部屋の入り口から見た「正面の壁」に置くと、部屋全体のインテリアの第一印象を左右します。一方で、視線が集中しない側面の壁に置くと生活感のあるアイテムを自然に隠しやすくなります。置く目的が「見せたい」か「隠したい」かによって、チェストの設置場所を意識的に選ぶことが大切です。
天板の使い方が空間の完成度を決めます。引き出しの中だけでなく、上の面まで意識するのが北欧収納の本質です。
収納を極めるという視点で見ると、チェストは「安く手軽に買い替えるもの」ではなく「長く使い続けることで価値が出る道具」です。5年ごとに買い替えるチェストと、20年使えるチェストを比較すると、トータルのコスト差は大きくなります。
仮に2.5万円のチェストを5年で買い替え続けると、20年間で合計10万円かかります。一方、7〜10万円の天然木チェストを適切にケアして20年使えば、コストは当然その一台分だけです。それだけではなく、買い替えのたびに生じる「廃棄・搬入・処分費用」も節約できます。つまり長く使うほどお得です。
長く使えるチェストを見分ける5つのチェックポイント
長く使うためのお手入れも、思っているよりシンプルです。まず「壁から5cm程度離して設置する」という基本だけで、背面への湿気の滞留を防ぐことができます。特に北向きの壁沿いに置く場合は、空気の通り道を意識するだけで結露やカビのリスクを大幅に下げられます。
引き出しの動きが悪くなってきたときは、市販のろうや蜜ろうを引き出しの側板の接触面に軽く塗るだけで改善します。費用は数百円程度で、レールなし構造のチェストなら部品交換不要で半永久的にメンテナンスできます。年に1〜2回の季節の変わり目に引き出しを空けて風を通す習慣をつけると、衣類にとっても家具にとっても理想的な環境が保てます。
20年使えるかどうかが条件です。構造と素材の2点を確認するだけで、失敗する確率は大幅に下がります。
参考:天然木チェストの素材・構造・お手入れについて家具専門家が詳しく解説しています。
本当に良いチェストとは?家具屋が教える失敗しない選び方【BigMories】

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