ピン刺入部を毎日消毒していても、感染率はゼロになりません。
創外固定(がいこていこてい)とは、骨折部や感染性偽関節・開放骨折などの治療において、皮膚の外側からピンやロッドを使って骨を固定する治療法です。 皮膚を大きく切開せずに骨を安定させられるため、感染リスクの高い開放骨折や、全身状態が不良な患者にも適用されます。
関連)https://www.nurse-happylife.com/20016/
内固定(プレートや髄内釘)と大きく異なる点は、固定器が体外に露出していることです。これがつまり、ピンが皮膚を貫通している状態が長期間続くということです。 結果として、感染・循環障害・神経障害という3つの合併症リスクが常に存在します。
関連)https://www.hwc.or.jp/hospital/file/201908_seikei_tebikisho01.pdf
| 項目 | 創外固定 | 内固定(プレート・髄内釘) |
|---|---|---|
| 皮膚の切開 | 最小限 | 大きく切開が必要 |
| 感染経路 | ピン刺入部(常時開放) | 術後は閉鎖創 |
| 荷重時期 | 医師許可後、早期から可能 | 骨折型による |
| 装着期間 | 数週〜数ヶ月 | 半永久または抜釘まで |
| 患者の日常生活への影響 | 大きい(突出部あり) | 比較的少ない |
ピン刺入部の観察は、創外固定ケアの核心です。 感染が表面にとどまっている段階で発見できれば、抗菌薬や局所処置で対応できますが、骨髄炎まで進行すると治療が数ヶ月単位になります。見逃しが許されない観察項目です。
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観察すべき5つのポイントをまとめます。
関連)https://www.nurse-happylife.com/20016/
感染リスクは装着から2〜4週間以降に高まる傾向があります。 術後数日は出血・浸出液が多いのは正常ですが、1週間以降も続く膿性分泌物は即時報告が必要です。
関連)https://www.hwc.or.jp/hospital/file/201908_seikei_tebikisho01.pdf
また、国内の研究では創外固定器除去後のピン刺入部を一次閉鎖した場合、二次治癒と比べて感染リスクが有意に低下することが示されています。 つまり除去時のケアも観察項目に含めることが重要です。
関連)https://academia.carenet.com/share/news/ef09a23e-40f3-4766-83a7-053e000d7e5f
ピン刺入部観察の標準化については、子ども病棟での研究事例がCiNiiに公開されており、チェックリストの活用が感染の早期発見に有効と報告されています。
関連)https://cir.nii.ac.jp/crid/1520009407214072448
CiNii論文:創外固定器装着中のこどもにおけるピン刺入部の観察ツールの作成(感染への早期発見と看護介入を目指した観察)
骨折・手術後は血管と神経の損傷リスクが高く、観察の漏れが取り返しのつかない機能障害につながります。これは必須の観察です。
関連)https://www.nurse-happylife.com/20016/
循環障害の観察項目は以下の通りです。
コンパートメント症候群は見逃すと最悪の場合、筋肉壊死・切断に至ります。 症状の「6P」として、Pain(疼痛)・Pressure(圧力増大)・Pallor(蒼白)・Paresthesia(感覚異常)・Paralysis(麻痺)・Pulselessness(脈拍消失)を覚えておきましょう。
関連)https://j-depo.com/news/open-reduction-fixation.html
神経障害については、下腿骨折で特に注意すべきなのが深腓骨神経麻痺です。 第1〜2趾間のしびれや母趾背屈制限が出現した場合は、神経圧迫のサインです。坐骨神経麻痺の有無も合わせて確認します。これが原則です。
関連)https://www.nurse-happylife.com/20016/
末梢神経・循環の観察は術直後から毎時間〜2時間ごとの頻度で行い、安定してきたら4〜8時間ごとに移行するのが一般的なプロトコルです。
関連)https://j-depo.com/news/open-reduction-fixation.html
ナースハッピーライフ:創外固定中の管理(観察項目・循環障害・神経障害の詳細リスト)
疼痛は創外固定患者の最大のQOL低下要因です。 安静時痛・体動時痛・ピン刺入部の疼痛を区別して評価することが重要で、NRSスケールを使って数値化すると客観的な記録・申し送りができます。
関連)https://j-depo.com/news/open-reduction-fixation.html
疼痛が十分にコントロールされていないと、患者はリハビリを拒否したり、自己判断で固定器を触ったりする行動につながります。痛みの管理は安全管理でもあります。
関連)https://www.kango-roo.com/kq/archive/629
関節拘縮は長期装着で問題になるポイントです。
疼痛コントロールの具体策としては、医師指示に従い定期的な鎮痛薬投与に加え、レスキュー薬の使用タイミングを患者に教育することが有効です。 患者が「痛みは我慢するもの」と誤解しているケースも多く、教育介入がそのまま患者のアドヒアランス向上につながります。
関連)https://j-depo.com/news/open-reduction-fixation.html
創外固定を装着したまま日常生活を送るには、患者・家族への十分な指導が必要です。 指導が不十分な場合、退院後に患者自身がピン刺入部を素手で触る、消毒を怠るといった行動が感染の引き金になります。
関連)https://www.hwc.or.jp/hospital/file/201908_seikei_tebikisho01.pdf
清潔保持の指導ポイントは以下の通りです。
関連)https://www.hwc.or.jp/hospital/file/201908_seikei_tebikisho01.pdf
関連)https://www.nurse-happylife.com/20016/
セルフケア指導で最も重要なのは「ピン刺入部を手で触らない」という1点です。 口腔内や皮膚常在菌が接触によってピン周囲に付着し感染の原因になることがあります。これは使えそうな指導ポイントです。
関連)https://www.hwc.or.jp/hospital/file/201908_seikei_tebikisho01.pdf
退院指導では、患者・家族が実際にケア手順を実施できるかをベッドサイドでデモンストレーションしてもらう形式が効果的です。口頭説明だけでは理解が十分でないケースも多く、チェックリストを渡して自己管理できる環境を整えます。
退院後の観察異常(膿性分泌物・激しい疼痛・ピンのゆるみ)が出た場合の受診目安を文書で伝えておくことで、受診遅延を防ぎます。早期受診が早期対処につながります。
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THE VETERINARY CLINICS OF NORTH AMERICA〈Vol.22‐1 創外固定(1994年版)〉 (獣医臨床シリーズ) [−] Harari,Joseph; 忠生, 小谷