3級の手帳があるだけで、年間の税負担が数万円単位で変わる可能性があります。

障害者手帳には「身体障害者手帳」「精神障害者保健福祉手帳」「療育手帳(愛の手帳)」の3種類があります。 このうち身体・精神それぞれに3級の区分が設けられており、対象となる状態は思いのほか幅広いです。
関連)https://mirai-training.jp/note/fundamental/068.html
精神障害者手帳3級は「日常生活は概ね自立しているが、ストレスや環境変化があると症状が強まり、社会生活に一定の制限が出る状態」が目安です。 つまり、フルタイム勤務をしていても申請できるケースがあります。これは意外ですね。
関連)https://syogai-koyo-bank.com/contents/guide/20251128/
身体障害者手帳3級の対象は、視力が良いほうの目で0.04以上0.07以下、両耳の聴力が90デシベル以上、または一下肢の機能全廃など多岐にわたります。 医療従事者としても、患者の状態を把握しながら「この方は対象かもしれない」と気づけることが大切です。
関連)https://mpt-shoukai.mynavi.jp/useful/column/useful-2021
| 手帳の種類 | 3級の目安 | 主な対象疾患例 |
|---|---|---|
| 身体障害者手帳 | 視力・聴力・肢体など一定以上の障害 | 視覚障害、聴覚障害、肢体不自由など |
| 精神障害者手帳 | 社会生活に一定の制限がある状態 | 統合失調症、うつ病、双極性障害など |
| 療育手帳 | ※等級名称は自治体によって異なる | 知的障害など |
手帳3級(一般障害者区分)を取得すると、所得税で27万円の障害者控除が適用されます。 住民税では26万円の控除です。 数字だけ見ると「大きい」と感じにくいかもしれませんが、年収300万円台の方なら年間1万3,500円前後の所得税が軽減される計算になります。
関連)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1160.htm
結論はシンプルです。控除は「自動的に適用される」ものではなく、年末調整や確定申告での申告が必要になります。
患者や同居家族が手帳を持つ場合、その扶養者(家族)側にも障害者控除の適用が可能です。 医療従事者として患者に情報提供する際には「ご家族の税申告にも影響しますよ」と一言添えるだけで、患者の経済的な負担軽減につながります。これは使えそうです。
関連)https://works.litalico.jp/column/system/026/
なお、身体障害者手帳1・2級や精神障害者手帳1級は「特別障害者」に分類され、控除額は40万円に跳ね上がります。 3級は「一般障害者」扱いのため27万円が上限ですが、それでも手続き一つで数万円規模の節税が可能です。
関連)https://chester-tax.com/academy/blog/tokurei/persons-with-disabilities-1354
参考:控除額の根拠となる国税庁の公式情報はこちらで確認できます。
精神障害者手帳3級を保有する患者が「自立支援医療制度(精神通院医療)」を申請すると、精神科・心療内科の通院費の自己負担が通常の3割から1割へ軽減されます。 月の医療費が1万円であれば、自己負担は3,000円から1,000円になります。毎月2,000円の節約ということですね。
関連)https://sanyokai-clinic.com/kokoro/9368/
年間に直すと2万4,000円もの差になります。通院が長期にわたる患者にとっては、非常に大きな恩恵です。
対象となる医療費の範囲は広く、精神科・心療内科の診察費のほか、デイケア、訪問看護、薬代なども含まれます。 医療従事者が知っておくべき点は、「手帳の申請」と「自立支援医療の申請」は別々の手続きであるという点です。手帳を取得しただけでは自動的に医療費が安くなるわけではありません。
さらに、医療費の助成は自治体によって上乗せがある場合があります。 たとえば埼玉県三郷市では身体障害者手帳1〜3級の方を対象とした医療費助成が設けられています。お住まいの自治体の窓口で確認することが条件です。
関連)https://di-agent.dandi.co.jp/tips/entry209
参考:自立支援医療の詳細サービス一覧は以下で確認できます(精神障害者手帳3級の支援内容を網羅)。
意外ですね。以前は精神障害者手帳3級では鉄道割引が受けられない路線が多かったのです。
携帯電話料金の割引も見逃せません。主要キャリア(NTTドコモ・au・ソフトバンクなど)では、障害者手帳保有者向けの割引プランが用意されています。 映画館や美術館、テーマパークなどの入場料についても、手帳を提示することで割引または無料になる施設が多数あります。
関連)https://syogai-koyo-bank.com/contents/guide/20260120/
NHK受信料については、世帯全員が住民税非課税の場合に全額免除されます。 この条件を満たす患者には、役所への申請を促すことで月額1,100円(地上契約の場合)の節約につながります。
関連)https://mirai-training.jp/note/fundamental/068.html
参考:精神障害者手帳の鉄道割引に関する最新の拡充内容はこちらで確認できます。
医療従事者が患者に手帳の話をするとき、「障害者手帳と障害年金は別の制度」という点を明確に伝えられているでしょうか。混同している患者は少なくありません。
障害者手帳は「社会参加を支援するための福祉制度」で、等級は1〜3級(精神・療育)または1〜6級(身体)です。 一方、障害年金は「生活保障を行う公的年金制度」であり、審査基準も申請先も異なります。手帳を持っていれば自動的に年金がもらえるわけではありません。これが原則です。
関連)https://syogai-koyo-bank.com/contents/guide/20251128/
障害者雇用の観点でも、精神障害者手帳3級があれば「障害者雇用枠」での就労が可能になります。 合理的配慮(短時間勤務・通院時間の確保・在宅勤務など)を受けながら働き続けられる選択肢が生まれます。外来やリハビリの場でこの情報を伝えることで、患者の就労継続を後押しできます。
関連)https://syogai-koyo-bank.com/contents/guide/20251128/
| 制度 | 目的 | 等級 | 申請先 | 課税 |
|---|---|---|---|---|
| 障害者手帳 | 福祉サービスの利用 | 精神:1〜3級 身体:1〜6級 | 市区町村役所 | — |
| 障害年金 | 生活費の補助 | 基礎:1・2級 厚生:1〜3級 | 年金事務所・市区町村 | 非課税 |
参考:障害年金のメリット・デメリットを専門家が解説しているページです。手帳との違いを患者に説明する際の参考として活用できます。