抗菌薬だけでは慢性骨髄炎は治りません。
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慢性骨髄炎の抗菌薬治療は、原則として6週間以上の投与期間が必要です。静脈内投与2〜4週間、経口投与4〜8週間の計6〜12週間が標準的な治療スケジュールとされています。経口抗菌薬での治療は経静脈投与に比べて用量が不足するため、初期の静注投与が重要です。
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治療期間の設定は、感染の範囲、原因菌の種類、患者の全身状態により大きく変動します。画像評価で骨髄の炎症が残存していると判断された場合は、6ヶ月以上の治療期間延長が検討されます。つまり、画像所見が治療期間を決める基準です。
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MRSA感染例では、6〜8週間の抗MRSA薬投与が一般的ですが、慢性化した場合は数ヶ月から1年以上の治療を要することもあります。これは使える抗菌薬が限られるからです。
慢性骨髄炎において、外科的治療は抗菌薬投与よりも優先されます。治療の原則は、すべての壊死組織を広範にデブリードマンした後、生じた死腔の評価を行い、軟部組織や骨組織で再建して十分な血流を再供給することです。壊死組織が残存すると、抗菌薬が届かず感染が持続するためです。
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外科的デブリードマンの適応は、全身所見(発熱、倦怠感、体重減少)が持続する場合、または骨の広い領域が破壊されている場合です。膿瘍や腐骨は可能な限り除去し、病変部より検体を直接採取して原因菌の同定を行います。これが治療成功の鍵です。
近年、持続局所抗菌薬灌流(CLAP)という低侵襲手術も選択肢に加わっています。主に急性感染に用いられますが、慢性骨髄炎に対しても有用な治療法として報告されています。従来の広範デブリードマンと比べて、患者の負担が軽減されます。
原因菌の同定は慢性骨髄炎治療で最も重要なステップです。抗菌薬投与前に必ず血液培養を2セット以上採取し、可能であれば病変部周囲の清潔な皮膚から病変部の検体を直接採取します。穿刺可能な膿瘍があれば、速やかに穿刺排膿して培養に提出してください。
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細菌培養と薬剤感受性試験の結果に基づいて抗菌薬を選択します。経験的治療を開始する際は、黄色ブドウ球菌をカバーする抗菌薬を選択するのが基本です。MSSAにはセファゾリン、MRSAにはバンコマイシン、グラム陰性桿菌にはフルオロキノロンが第一選択薬となります。
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MRSA感染例では、バンコマイシン投与で奏効しない場合や腎機能障害がある場合に、リネゾリドやダプトマイシンなどの新規抗菌薬が選択肢となります。2〜6週間の静注投与後は菌の感受性を確認した上で、クリンダマイシン、ミノサイクリン、ST合剤などの経口薬へスイッチし、残りの期間を治療するのが一般的です。これで患者の負担も減ります。
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慢性骨髄炎の治療後も、約30%の症例で再発が起こります。急性化膿性骨髄炎の場合でも約10〜20%の症例で慢性化や再発が生じるため、長期的な経過観察が不可欠です。治療開始の遅れ、不適切な抗菌薬選択、治療期間の不足が主なリスク因子となります。
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慢性化すると、断続的な症状の再燃、瘻孔形成、病的骨折などの問題が生じ、患者の生活の質が著しく低下します。どうすれば再発を防げるんでしょうか?
経過観察期間は、治療終了後6〜12ヶ月間が推奨されています。この期間中は定期的な画像検査と炎症マーカー(CRP、赤沈)のモニタリングを行います。慢性骨髄炎では廔孔から排膿している場合、CRPや白血球増加などの所見が全く正常を示すこともあるため、画像評価が特に重要です。
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再発予防のためには、患者の基礎疾患や全身状態の管理も欠かせません。糖尿病や末梢循環不全などの基礎疾患がある場合、血管不全合併例は予後不良となるため、これらのコントロールが治療成功の鍵となります。つまり、全身管理が再発予防の基本です。
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慢性骨髄炎の治療には、複数の専門分野にわたるチームでの対応が望ましいとされています。整形外科医、感染症専門医、形成外科医、看護師、理学療法士など、多職種が連携することで治療効果が向上します。患者の基礎疾患や全身状態、骨髄炎の病期、骨移植の必要性を加味して、複数の治療法から慎重に選択する必要があります。
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高気圧酸素治療(HBO)も、難治性の慢性骨髄炎に対する補助療法として検討されます。特殊な装置の中で高い気圧の酸素を使用することで、感染部位の酸素不足を改善し、細菌を殺す力を高めたり、組織の治りを早めたりする効果が期待されます。これは一般的な治療の選択肢です。
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リハビリテーションも治療の重要な要素です。特に長期間の治療や外科手術を受けた患者では、関節の拘縮や筋力低下が問題となります。早期からの理学療法介入により、機能回復を促進し、患者の生活の質を維持することができます。骨折や成長障害のリスクがある小児例では、特に注意深いリハビリ計画が必要です。
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