あなたのMCH低値放置で鉄剤無効3割増です
MCHは平均赤血球ヘモグロビン量で、一般的に\(27\sim33\)pgが基準域とされます。施設差はあります。成人男性で\(27\)pg未満、女性で同様に低値なら低色素性を疑います。つまり低色素性です。
MCVと併せて解釈するのが基本で、MCV低値かつMCH低値なら典型的な鉄欠乏性パターンです。ここで重要なのは、MCH単独低下でも早期の鉄欠乏を拾える点です。MCHが基本です。
例えばHbが\(12.5\)g/dLで一見軽症でも、MCHが\(25\)pgなら鉄供給不足が進行中の可能性があります。早期介入が鍵です。結論は早期拾い上げです。
一方で赤血球数が相対的に多いのにMCHが低い場合、サラセミア形質を示唆します。見逃しやすいです。ここが分岐点です。
最も多い原因は鉄欠乏性貧血ですが、それだけではありません。慢性炎症ではヘプシジン上昇により鉄利用障害が起こり、フェリチンが\(100\)ng/mL以上でも機能的鉄欠乏を来します。つまり利用障害です。
サラセミア形質では、MCVが\(75\)fL前後まで低下しつつ赤血球数が\(500万/\mu L\)以上と保たれることがあります。これが鑑別のヒントです。数がヒントです。
鉛曝露ではヘム合成酵素阻害により低色素性となり、腹痛や神経症状を伴うことがあります。職業歴の確認が重要です。問診が鍵です。
さらに、長期のPPI使用で胃酸分泌が抑制され、非ヘム鉄吸収が低下しMCH低値に寄与するケースも報告されています。薬歴は必須です。
フェリチンは急性期反応物質です。炎症や肝疾患で偽高値になります。ここが落とし穴です。
例えばCRPが\(1.0\)mg/dL以上の状態では、フェリチンが\(80\)ng/mLでも鉄欠乏を否定できません。臨床ではしばしば遭遇します。意外ですね。
この場合、トランスフェリン飽和度(TSAT)\(20\%\)未満や可溶性トランスフェリン受容体(sTfR)上昇が参考になります。複合判断が基本です。
鉄剤反応性も重要で、経口鉄\(100\)mg/日相当で2〜4週後にHbが\(1\)g/dL上昇すれば機能的鉄欠乏を支持します。反応で確認です。
炎症合併での誤判定は、不要な検査や治療遅延につながります。コストも増えます。痛いですね。
実臨床では段階的に絞ります。まずMCVと赤血球数を確認し、低MCV+低MCHなら鉄欠乏かサラセミアを想定します。ここが起点です。
次にフェリチン、TSAT、CRPを同時評価します。フェリチン低値(\(<30\)ng/mL)なら鉄欠乏でほぼ確定です。低ければ確定です。
フェリチン正常〜高値でCRP高値なら機能的鉄欠乏を疑い、TSAT低下を確認します。ここで分岐です。
赤血球数高値(\(>500万/\mu L\))かつ家族歴ありならサラセミア形質を考え、Hb電気泳動や遺伝学的検査へ進みます。遺伝の確認です。
この流れを外来でテンプレ化すると、診断までの時間を平均で1〜2診察分短縮できます。時間短縮です。
鉄欠乏が疑われる場面では、吸収効率と副作用のバランスが重要です。経口ではクエン酸第一鉄や硫酸鉄が一般的で、元素鉄として\(50〜100\)mg/日を目安にします。量が目安です。
近年は隔日投与(1日おき)がヘプシジン抑制の観点から有効とされ、同等の改善で副作用が少ない報告があります。隔日が有効です。
服薬指導では、ビタミンC同時摂取で吸収が上がり、カルシウムや茶・コーヒーは吸収を下げる点を伝えます。併用に注意すれば大丈夫です。
経口不耐や炎症合併で効果不十分な場合は静注鉄を検討します。総投与量は欠乏量に基づき、例として体重60kgでHb\(10\)g/dLなら約\(1000\)mg前後が目安です。静注も選択肢です。
サラセミア形質では鉄剤は原則不要です。不要投与は過剰鉄のリスクを上げます。ここは重要です。
検査の再評価は2〜4週後に行い、MCHの回復とHb上昇を確認します。フォローが条件です。
原因精査では消化管出血の評価が不可欠です。便潜血、内視鏡の適応判断を行います。出血検索が原則です。
臨床現場での見落とし対策として、電子カルテの検査テンプレに「MCH低値時チェック(MCV、RBC、フェリチン、TSAT、CRP)」を固定表示する方法があります。ヒューマンエラー低減が狙いです。テンプレ化が効きます。
参考:鉄欠乏・機能的鉄欠乏の解説(フェリチン・TSATの読み方)
https://www.jslm.org/committees/education/faq/iron-deficiency