補装具基準額一覧で医療従事者が押さえる費用と種目

補装具費支給制度の基準額一覧を医療従事者向けに解説。義肢・装具・車椅子など種目別の上限価格、令和7年度改正のポイント、利用者負担の仕組みまで、現場で即役立つ知識を網羅しています。あなたの患者に正確な情報を提供できていますか?

補装具基準額一覧で医療従事者が知るべき費用と種目の全知識

基準額は「支給上限」ではなく、実は「製作施設によって5%カットされる上限」があることをご存じですか。


この記事の3つのポイント
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基準額の構造を正確に理解する

補装具の基準額は「上限価格×106/100」が原則。ただし国公立等の製作施設は95%に下がるなど、種目・施設によって計算方法が異なります。

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種目別・型式別の金額を把握する

義肢・装具・車椅子・補聴器など16種目それぞれに上限価格が定められており、令和7年4月改正で補聴援助システムの算定方式が大きく変わっています。

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利用者負担の例外ルールを知る

原則1割負担ですが、市民税所得割の最多納税者が46万円以上の世帯は支給対象外。低所得・生活保護世帯は負担ゼロになるなど、細かい例外が存在します。


補装具基準額の仕組みと「上限価格×106/100」の意味



補装具の「基準額」とは、支給できる費用の上限を指します。これは別表に定める上限価格そのものではなく、上限価格に106/100を乗じた額が基準額になります。


関連)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001475318.pdf


つまり、別表の上限価格が100,000円なら、基準額は106,000円です。これが重要なポイントです。


ただし例外が2つあります。まず装具(レディメイド)の購入は上限価格×100/100が基準額となり、消費税相当分の上乗せがありません。 次に、歩行補助つえ(プラットホーム杖)・プリズム眼鏡・断端袋の交換など特定の修理・交換については、上限価格×110/100が基準額です。


関連)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001475318.pdf


さらに見落とされがちなのが、国・地方公共団体・日本赤十字社・社会福祉法人・一般社団(財団)法人が設置する補装具製作施設で製作した場合です。この場合の費用の基準額は、通常の基準額の95/100に相当する額となります。 自分の患者が公立リハセンターで製作する場合、適用される基準額が5%低くなるわけです。


関連)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001475318.pdf


  • 通常:上限価格 × 106/100 = 基準額
  • レディメイド装具:上限価格 × 100/100 = 基準額
  • 一部修理・交換品:上限価格 × 110/100 = 基準額
  • 国公立等施設製作:通常基準額 × 95/100 = 基準額


つまり「基準額=告示別表の数字」ではないということです。現場でよくある誤解なので、確認しておくと安心です。


以下は補装具費支給制度の概要や根拠となる告示の参考リンクです。義肢・装具の上限価格の詳細一覧が確認できます。


厚生労働省告示第528号(最終改正:令和7年3月31日)補装具の種目、購入等に要する費用の額の算定等に関する基準 全文PDF


補装具基準額一覧:義肢(義手・義足)の種目別上限価格

義肢は「殻構造」と「骨格構造」の2種類に大別されます。どちらも基本価格+製作要素価格(ソケット・ハーネス・外装など)の合算が上限です。


関連)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001475318.pdf


実際の金額を見てみましょう。下表は殻構造義肢(令和7年4月現在)の基本価格(上限価格)の主要例です。


関連)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001475318.pdf


種類 名称 型式 基本価格(上限)
義手 肩義手 能動式 50,900円
義手 上腕義手 電動式 84,000円
義手 前腕義手 能動式 37,800円
義足 股義足 236,700円
義足 大腿義足 吸着式 175,600円
義足 下腿義足 PTB式 86,500円
義足 下腿義足 差込式 60,800円


これはあくまで基本価格です。実際には製作要素価格(ソケット・ソフトインサート・支持部・ハーネス・外装)を合算した総額が上限となります。


関連)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001475318.pdf


例えば、大腿義足(吸着式)の基本価格175,600円に加え、熱硬化性樹脂製ソケット31,100円、シリコーンライナー46,500円、大腿義足外装24,400円などを積み上げていきます。これが実務上の計算です。


吸着式は5年、差込式・ライナー式は3年が耐用年数です。 耐用年数は「修理不能になるまでの予想年数」であり、一律に適用しないことが明記されています。これは大事な点ですね。


関連)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001475318.pdf


また、チェックソケット(透明プラスチック材料使用)を製作した場合は8,700円を加算できます。シリコーンライナー使用の仮合わせ専用チェックソケットは50,600円の加算が可能です(上記8,700円との併用不可)。


関連)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001475318.pdf


補装具基準額一覧:装具(オーダーメイド・レディメイド)の費用構造

装具は下肢装具・靴型装具・体幹装具・上肢装具の4区分に分かれます。基本価格は採型と採寸で金額が異なります。


関連)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001475318.pdf


主要な装具の基本価格(採型の場合)を確認しましょう。


関連)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001475318.pdf


装具区分 採型区分 採型価格(上限) 採寸価格(上限)
長下肢装具 A-2 43,000円 16,800円
短下肢装具 A-5 18,700円 7,900円
膝装具 A-4 20,400円 8,150円
胸腰仙椎装具 C-1 32,800円 8,950円
腰仙椎装具 C-2 25,600円 8,250円
上肢・肩装具 D-1 34,200円 9,050円
手関節装具 D-3 16,900円 7,650円


これに継手・支持部・加算要素などを組み合わせていきます。結論は「基本価格+製作要素価格の合計が上限」です。


関連)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001475318.pdf


知られていない点として、カーボン製装具は「筋力が著しく低下した方に必要と判断された場合にのみ」使用できます。 カーボン使用時は大腿支持部の総額が57,400円、下腿支持部57,500円、足部41,800円と固定額になります。


関連)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001475318.pdf


装具(レディメイド)の場合は「基本価格+本体価格」の合算が上限で、基準額計算も×100/100(消費税分の上乗せなし)です。 採型が不要な既製品的な装具をイメージするとよいでしょう。


関連)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001475318.pdf


装具の耐用年数は種類によって異なります。短下肢装具(支柱なし硬性)は1.5年、長下肢装具・膝装具(硬性・支柱付き)は3年、軟性装具は2年が目安です。


関連)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001475318.pdf


2025年度補装具費支給制度改正まとめ(一部特例・車椅子の改正内容を含む)


補装具基準額一覧:車椅子・補聴器など主要種目の金額と令和7年改正ポイント

令和7年4月1日から補装具費支給制度の基準が改定されました。特に注目すべき変更は補聴援助システムです。


関連)https://www.kikoeblog.jp/?p=16345


旧制度では受信機交換97,300円・ワイヤレスマイク交換135,400円と別々に定められていましたが、新制度では「受信機およびワイヤレスマイク」として232,700円の範囲内という一本化された形に変わりました。


関連)https://www.kikoeblog.jp/?p=16345


車椅子については高浜市や札幌市の告示資料から主要な基準額が確認できます。


関連)https://www.city.takashima.lg.jp/material/files/group/33/nitijyouseikatuyouguhyou.pdf


種目 主な区分 基準額(上限)の例 耐用年数
車椅子(自走用) 普通型 約70,000円〜89,000円 3〜6年
歩行器 10,000円
装具(レディメイド) オーダーメイド 86,900円(本体価格上限)
装具(レディメイド) レディメイド 17,900円(本体価格上限)


補聴器については、障害者総合支援法に基づく購入限度額は最大144,900円程度とされています。 低所得・生活保護世帯は全額公費となります。


関連)https://www.town.makubetsu.lg.jp/chosei/gikai/gikai_kaigiroku/teireirinjikaigiroku/files/202406-2t..pdf


一部特例(特例補装具の簡易版)のルールも重要です。 別表の製作要素・完成用部品によれない構成要素が1つだけの場合は、特例補装具の手続きを経ず「一部特例」として基準内補装具での支給判定が可能です。 これは意外ですね。


関連)https://koborin.com/topics/blog/24956/


例えば、車椅子の申請で「特殊空気室構造の市販クッション」と「肘あてのU字加工」の2点が必要な場合、クッションは構成要素のカウント対象外となるため、一部特例として基準内で支給できます。


関連)https://koborin.com/topics/blog/24956/


補装具基準額一覧:利用者負担と世帯収入による免除・上限のしくみ

利用者負担は原則1割ですが、世帯の所得区分によって異なります。これが基本です。


関連)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/yogu/hosouguhisikyuuseido.html


所得区分 世帯の状況 負担上限月額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯 0円
一般 市町村民税課税世帯 37,200円


注意点が2つあります。 1つ目は、障害者が18歳以上の場合、世帯の範囲は「本人とその配偶者のみ」です。家族全体ではありません。2つ目は、市町村民税所得割の最多納税者の納税額が46万円以上の世帯は補装具費の支給対象外となります。


関連)https://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/guide/zaitaku_03.html


基準額を超える補装具を希望する場合、超過分は所得区分に関係なく全額自己負担です。 例えば基準額70,000円の車椅子に対し、本人が100,000円の製品を希望した場合、差額の30,000円は全額自己負担となります。


関連)https://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/guide/zaitaku_03.html


公費負担の内訳は「国50/100・都道府県25/100・市町村25/100」で分担されます。 障害福祉サービスの利用者負担額との合計が37,200円を超えた分は、高額障害福祉サービス費として支給されます。


関連)https://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/sss/27hosougu.html


また、スポーツ用などの日常生活以外の用途の補装具、および予備のための補装具は支給対象外です。 患者から「もう1本欲しい」と相談された場合は、この点を確認する必要があります。


関連)https://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/guide/zaitaku_03.html


厚生労働省:補装具費支給制度の概要(費用負担・所得区分・負担上限月額の公式情報)


補装具基準額一覧:医療従事者が現場で実践すべき確認フローと申請の落とし穴

現場でよくある失敗として「処方段階で基準額の確認を怠り、患者が想定外の全額自己負担を求められる」ケースがあります。これは防げます。


確認フローは次の順番で進めましょう。


  1. 種目・型式を特定し、告示別表で当該種目の上限価格を確認する
  2. 基準額(上限価格×106/100)を算出する(製作施設が国公立等なら×95/100を掛ける)
  3. 患者の世帯の所得区分を確認し、利用者負担上限月額を確認する
  4. 希望する製品が基準額内か確認し、超過する場合は差額全額自己負担となることを説明する
  5. 更生相談所への判定依頼が必要か(義肢・装具・車椅子・電動車椅子等の場合は必要)を確認する


更生相談所(身体障害者更生相談所)への判定依頼は、義肢・装具・姿勢保持装置・車椅子・電動車椅子など多くの種目で必要です。 特例補装具(別表によらない補装具)は更生相談所の意見が必要です。これが原則です。


関連)https://www.mhlw.go.jp/content/001230552.pdf


一方、補聴器・視覚障害者安全つえ・義眼・眼鏡などは、市町村の判断で比較的スムーズに手続きが進む場合があります。ただし自治体によって運用が異なるため、担当の市町村福祉担当窓口へ確認することをお勧めします。


制度の改正は毎年3月末に告示が出され、4月1日から適用されます。 直近では令和7年3月31日(こども家庭庁・厚生労働省告示第5号)で改正があり、補聴援助システムの算定方式が変更されました。 最新の告示を定期的に確認する習慣が重要です。


関連)https://www.kikoeblog.jp/?p=16345


実務上の参考として、日本義肢装具士協会(JAPO)の行政情報ページでは、告示改正の都度、支給事務取扱指針や取扱要領が公開されます。


関連)https://www.japo.jp/administration/post-284.html


日本義肢装具士協会:告示改正に伴う補装具費支給事務取扱指針・取扱要領の最新情報ページ




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