電子版を希望する患者でも、薬局側が対応していないケースが約半数あります。
電子お薬手帳を導入している薬局は全体の48.1%という調査結果が出ています。これは、患者が電子版を希望しても、約半数の薬局では対応できない状況を意味します。
関連)https://www.mhlw.go.jp/content/001199639.pdf
医療機関での導入はさらに限定的で、延べ163件にとどまっています。病院や診療所で電子お薬手帳の情報を確認できる環境が整っていないケースが多いのが実情です。
関連)https://www.mhlw.go.jp/content/001199639.pdf
導入していない理由として最も多いのは「希望する患者がいないため」という回答でした。しかし、患者側からすると対応薬局が限られているため電子版に移行できないという悪循環が生じています。
関連)https://www.mhlw.go.jp/content/001199639.pdf
2025年4月からは日本薬剤師会が「e薬SCAN」という医療機関向けアプリを提供開始しました。患者の電子お薬手帳からQRコードを読み取るだけで情報を確認できるため、今後の普及拡大が期待されます。つまり医療機関側の対応環境は改善傾向です。
関連)https://www.nichiyaku.or.jp/ekuscan/
医療従事者として患者に電子版を勧める際は、通院先の医療機関や利用する薬局が対応しているか事前確認が必要です。対応状況を把握しておけば大丈夫です。
e薬SCAN公式サイト(日本薬剤師会)
医療機関向けの電子お薬手帳情報確認アプリの詳細が記載されています。
日本薬剤師会の「e薬LINK」に接続していないオンライン服薬指導サービスを利用した場合、薬剤情報提供料10点を算定できない可能性が指摘されています。算定要件を満たさないリスクがあるということですね。
関連)http://shirobon.net/qabbs_detail.php?bbs_id=30405
電子版お薬手帳を「手帳あり」として算定している薬剤師から、「本当にこれでいいのだろうか」という不安の声も上がっています。明確な運用基準の周知が求められている状況です。
関連)https://pharmacist.m3.com/column/benzen/4053
調剤基本料は薬局の立地や処方箋の受付回数によって点数が異なり、59点、45点など複数の区分があります。電子版の利用有無に関わらず、基本的な算定ルールを正確に理解しておくことが原則です。
関連)https://www.nicho.co.jp/column/18666/
患者に電子版を推奨する際は、自院・自局が使用しているシステムがガイドラインに準拠しているか事前確認しましょう。算定に関する疑義は保険者や地域の薬剤師会に問い合わせて明確化することが安全策です。
厚生労働省 電子版お薬手帳ページ
電子処方せん対応医療機関・薬局の検索や制度の詳細が確認できます。
利用者数で見ると、EPARKお薬手帳が約500万人で最大規模となっています。2024年3月時点でこの数字に達し、主要な電子お薬手帳アプリの中でトップです。
お薬手帳アプリ利用経験者335人への調査では、EPARKお薬手帳が35.2%で最多、次いでeお薬手帳24.5%、お薬手帳プラス21.8%という結果でした。この3つが主要サービスということですね。
関連)https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1905.html
eお薬手帳は日本薬剤師会が提供する公式アプリで、QRコード読み取りによる簡単登録や服薬アラーム設定が可能です。処方箋の画像データを対応薬局に事前送信して、待ち時間を短縮できる機能もあります。
関連)https://dm-net.co.jp/app/app-medicine/e-1.php
お薬手帳プラスは日本調剤が運営し、利用者数は100万人規模です。全国の日本調剤薬局で紙のお薬手帳と同様に利用でき、2022年11月に電子お薬手帳として初めてマイナポータルと連携しました。
関連)https://www.nicho.co.jp/corporate/newsrelease/20221101_nr1/
EPARKお薬手帳は全国の薬局で利用可能で、家族分のお薬手帳もスマホ1台でまとめて管理できます。血圧値や予防接種ワクチンの記録機能も備えており、健康管理の総合ツールとして活用できます。
関連)https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.epark.medicinenote&hl=ja
患者の利用状況に合わせて、かかりつけ薬局のチェーン系列や機能の違いから最適なアプリを提案するのが基本です。複数アプリの併用は情報分散のリスクがあるため、1つに統一することが条件です。
マイナポータルと連携すると、2021年9月以降に処方されたお薬の情報を一括で取得できます。複数の医療機関や薬局で調剤された薬剤情報を一元的に閲覧・管理できるのがメリットです。
関連)https://okusuritecho.epark.jp/renew/myna
お薬手帳プラスは2022年11月、電子お薬手帳として初めてマイナポータル連携を実現しました。マイナポータルアプリでマイナンバーカードを読み取り認証すれば、データ連携が可能になります。
関連)https://www.nicho.co.jp/corporate/newsrelease/20221101_nr1/
EPARKお薬手帳も2024年時点でマイナポータル連携に対応しており、過去のお薬情報をアプリにまとめて反映できます。QRコード読込や入力の手間が省ける点が大きな利点です。
関連)https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.epark.medicinenote&hl=ja
マイナポータルから取得できる情報は、薬剤情報・健康診断結果・予防接種歴の3種類です。お薬情報だけでなく、患者の健康状態を包括的に把握する材料になります。
関連)https://okusuritecho.epark.jp/renew/myna
デジタル庁は2024年1月、お薬手帳アプリとマイナポータルの連携により薬剤情報・処方情報・調剤情報等が取得できることを公式に発信しています。国としても電子お薬手帳の普及を後押ししている状況です。
関連)https://x.com/digital_jpn/status/1750790679846936966
マイナポータル連携は患者の同意が必要なため、プライバシー保護の観点から説明を丁寧に行うことが必須です。医療従事者として、連携のメリットとセキュリティ面の安全性を明確に伝える必要があります。
EPARKお薬手帳 マイナポータル連携ページ
マイナポータル連携の具体的な手順と取得できる情報の詳細が記載されています。
服薬アラーム機能は、お薬の飲み忘れを防ぐための重要な機能として多くのアプリに搭載されています。設定した時刻に通知が届くため、複数の薬を管理する患者にとって有効です。
関連)https://app-liv.jp/health/selfcares/3319/
eお薬手帳では、服薬状況と日々の体調の変化をメモとして記録できる機能があります。薬剤師や医師が患者の服薬アドヒアランスを確認する際の参考情報になります。
関連)https://dm-net.co.jp/app/app-medicine/e-1.php
メディセーフピルリマインダーは、服薬管理に特化したアプリとして薬管理アプリランキングの上位に入っています。飲み忘れ防止に特化した設計が特徴です。
EPARKお薬手帳では、血圧値を朝晩2回ずつ入力すると自動で平均値を計算し、表・グラフで日々の変化を確認できます。ヘルスケアアプリからデータ取得することも可能です。
小児予防接種ワクチンや高齢者用ワクチンなど、年齢に合わせたワクチン接種の記録機能も備わっています。次回の接種予定日も登録できるため、接種スケジュール管理に役立ちます。
高齢者やスマートフォン操作が苦手な患者の場合、アラーム設定やデータ入力が負担になる可能性があります。医療従事者が初回設定をサポートすることで、継続的な利用につながりやすくなります。これは使えそうです。
関連)https://www.phchd.com/jp/medicom/park/tech/medicinenote-merit
医療従事者側の78%が「紙媒体のお薬手帳の方が使いやすい」と回答した調査結果があります。電子版の情報確認に手間がかかる、画面が小さくて見にくいなどの理由が考えられます。
関連)https://pharmacist.m3.com/column/benzen/4053
電子版を提示された際に「手帳あり」として算定してよいのか判断に迷う薬剤師が一定数います。明確な算定基準やガイドラインの周知が不十分な点が課題として指摘されています。
関連)https://pharmacist.m3.com/column/benzen/4053
患者が電子お薬手帳を希望しない場合、スマートフォン操作を苦手とする高齢者などへの対応が必要です。基本情報の入力やQRコードの読み取り・提示を患者自身で行う必要があるため、システムを活用してもらえないリスクがあります。
関連)https://www.phchd.com/jp/medicom/park/tech/medicinenote-merit
電子版お薬手帳のモデル事業が2022年10月から開始されており、一般用医薬品などの情報を取り込む実証が進められています。利用者や薬局、医療機関のメリットや活用方法を検証中です。
関連)https://pharmacist.m3.com/column/benzen/4053
医療機関側では、2025年4月から提供開始されたe薬SCANアプリを導入することで、患者の電子お薬手帳情報を簡単に確認できます。無料でダウンロード・使用できるため、導入ハードルは低いと言えます。厳しいところですね。
関連)https://gemmed.ghc-j.com/?p=66741
患者と医療従事者双方が使いやすい環境を整備するには、設備投資と操作研修の両面からアプローチすることが原則です。